ピーリング | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

ここ数年、ケミカルピーリングやクリスタルピーリングなどピーリング治療が一般化してきました。
このピーリングというのは、簡単に言えば皮膚の角質を剥がして、新しく生まれ変わらせる、新陳代謝を早めることでくすみを取ったりすることを目的とします。その他に、毛穴の詰まりを溶かしたり、吸引し、角栓(ニキビのもと)を除去することも可能です。

治療は一回では効果がなく、何度も行うのですが、角質の生え替わりよりも多少サイクルを早めるゆえに、過度に行うと敏感肌、皮膚が薄くなるなどの弊害が生じます。節度が肝心です。私個人は回数制限をして実施し、それ以上はサイクルよりも遅い周期で緩やかに変化を促す、そういった考えで実施しています。
ピーリングをしすぎて、皮膚が弱くなったという患者様もいますのでこのあたりは注意が必要です。
美肌目的なら、加齢とともに遅れがちな皮膚表皮の新陳代謝を正常化し、スムーズにターンオーバーが行われるよう、計画して実施することが大事です。
よくニキビ跡がピーリングで消えるのかという質問をされますが、改善はするが限界がある、そうお答えしています。本当に大きな変化を起こすには、多少出血するような深さまで削る、いわゆるアブレージョンやディープピーリングという方法を行いますが、傷跡に対して、軽い傷跡を生じさせる治療法ですから、いくらでも深く削れるわけではありません。色々トラブルも起こりやすいのです。
慌てず少しずつ着実に改善を促す、そういったスタンスでピーリングを行うこと、当たり前なのですが、昨今の適当な美容皮膚科の手技を見ていると、ちょっと悲しくなることもあります。

ピーリングは簡単なようで難しいものです。効果とリスクをよく考えて、無理なく安全に行われる、そういった学術的なスタンスに基づいた方法が普及することを望んでいます。