プチ整形 | 美容外科開業医の独り言

美容外科開業医の独り言

美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

近年、プチ整形なる言葉が登場し、美容医療が簡単に行われるような時代となってきました。

ちょうど私がこの道に入った頃にはそう言えるものはレーザーによるシミ・ほくろ治療とコラーゲン注入くらいでした。あとは殆どが手術であり、最初に研修させてもらったクリニックでは手術ばかりを勉強させていただいたものです。まあ、二重の手術、埋没法もプチ整形というジャンルに入ることもあるそうですが。

でも、今やシワ、シミ、たるみに始まり、鼻や顎の形を変えることまで、効果のほどはさておき、メスを用いないで治療することはできます。その簡便さこそが現在の美容医療ブームを形作ったと言っても過言ではありません。

このブームは日本だけではなく、世界的な現象のようです。アメリカでもボトックスやコラーゲンを初めとする注入療法が一般化しており、サーマクールというたるみ治療のためにフェイスリフト(しわ取り手術)の件数が減少したとか、お隣韓国でも美容皮膚科にて各種機械を用いた治療が大流行し、江南という高級住宅街には沢山の美容クリニックがあります。開業ラッシュだそうです。

さて、日本の現状は、やはり今まで美容に興味を示してこなかった皮膚科の先生方や婦人科、内科に至るまで入り乱れての美容ブームです。メスを使う仕事が急激に減少しているために、もう美容外科医の入り込む余地はなくなってきており、手術メインの美容外科は閑古鳥だそうです。実際に大きいチェーン展開のクリニックも大変な所が出始めています。私自身で考えても3年ほど前と比較すると手術件数は1/3くらいになったと思います。

今、私のクリニックでは、沢山のレーザーなどの機械を揃え、何でも対応できるようにしようと努力していますが、やっぱり外科医ですから、メスでの治療を勧めることもあります。しかしながら、多くの場合、患者さん側が手術を望んでいません。それで効果は弱いと念押しした上でレーザーなどの治療となるわけです。
また、もう一つ、プチ整形というのは比較的若い層に急激に流行したがために、20歳代でたるみの治療をしたい、しわ取りをしたいという例が増えてきました。そういった人が手術を望んでも、正直効果が出ませんし、機械を用いてもそれは同じです。もっと効果が出ません。どうしてそんなレベルで気になるの??っていうこともあります。でも、やはり若いうちから気にすることは悪いことではなく、予防を主として、肌にダメージを与えないような治療をすることは大変良いことだと思っています(切ったり、焼いたりはあまり良くないと思いますが)。理想と現実、そして安全性をよく理解して治療を受けることは大事なことですから、どこで治療を受けるにせよ、皆さんしっかり勉強してほしいなと、そう思います。そのための情報発信ができれば幸いです。