美容医療において理論は必要か? | 美容外科開業医の独り言

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美容医療とは人間愛!という信念で仕事をしている美容外科医のブログです。
レーザーなど最新の美容情報や普段の診療で感じたことなど、ぼやきを交えながら書いていきます。
外見だけではなく心も綺麗になり、自信が湧いて幸せになれる、そんな美容医療を目指しています。

最近多くの美容医療機器が登場し、それなりに効果を出すものもあれば、期待に添えないものもあります。現在登場する美容医療機器の殆どは、メーカーなどが主導して、アメリカの医師が臨床経験をして、その評価を元にプレゼン、その結果をもって効果ありと宣伝します。しかし、実際に使用してみると言われているほど効かなかったり、途中でどんどんメーカーの言う話が変わって、全く別の治療器のようになってしまうものもあります。日本でオフィシャルに評価する機関がないことが問題です。


最近になって美容医療に携わってきた医師の一部は、機械の理論を十分に把握せず、メーカーの説明を額面通りに受け止めて患者様に説明し、治療します。私はその姿勢には反対です。やはり医師ですから、メーカーの説明通りではなく、自分自身で効果の理論構築をし、実際に照射をして確認する、そんな作業が必要だと思うんです。その機械の正確な効果を把握し、きちんと患者様に伝えれば、ほんの小さな効果であっても十分満足いただけると思います。

例えば、サーマクールなどは手術・メスのいらないフェイスリフトなどと宣伝されていることもありますが、実際に受けた方の大半がそのような効果は感じていないと思います。変化はあったけど、手術に匹敵するほどの効果は得られなかった、それが正直なところではないでしょうか。事前にきちんと説明すれば、同じ結果でも納得いただけると思うんですが、集客という面ではそのようなことを言っていられないのでしょうか。それとも仕方ないと考えているんでしょうか。


私をはじめ美容外科医でさえも、あまりにも頻繁すぎて、どんどん登場する新しい治療器の理論について行けない部分もあります。しかし、使うと決めて購入した機械に関しては、やはり理論を十分に理解し、患者様に整然と説明することができ、質問にはきちんと答えることができれば、患者様としても安心して治療を受けられると思います。


医師と患者の信頼関係、それを築くためには医者側も十分な勉強が必要です。私も自分を省み、もっともっと勉強しなければと思っています。