2227.論語全章を読む(398)顔淵第十二-24. 310.君子は文を以て友と会し | 論語ブログ

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論語全章を読む(398)

 

顔淵第十二-24. 310.君子は文を以て友と会し

 

曽子曰わく、君子は文を以て友と會し、友を以て仁を輔(たす)く。

顔淵第十二  仮名論語1793行目です。

伊與田覺先生の解釈です。

曽先生が言われた。「君子(立派な人となろうと志す人)は文事(詩書礼楽等)によって友と相会し、その友達同士の切磋琢磨によって仁の道を実行して人間向上の助けとする」

 

この章は、曽子曰わく、で始まっていますから、孔子よりも46歳も若い、孔子60歳以後の門人の曽子の言葉です。曽子はその父曽点がすでに孔子の門人だったので、幼少の頃から孔子について学問をしたといわれています。

曽子は天性至善でよく父母に仕え「孝経」をつくりました。また孔子の道を孔子の孫子思(しし)に伝え、子思の門人がこれを孟子に伝えたとされています。顔淵の死後の孔子門下の第一人者でした。年は若かったのですが、優れた発言を多く残しています。

「君子は文を以て友と會し、友を以て仁を輔く。」・・・教養を通じて友人と結ばれ、交友を通じて人間性を高めていく。

ここでは、「教養」と訳しましたが、原文の「文」とは当時は礼・学・射・御・書・数の六芸のことです。その文を共に学ぶことを以って結ばれて、「友を以って仁を輔く」・・・その友との交友を通じて人格・人間性を高めていく。それが君子の交わりです。こんな友人を多く持ちたいですね。

現代社会の交友の由来を考えてみると、同級・同窓・同僚・同業・ビジネス・趣味などスタートは色々です。そしてなんとなくウマがあう、趣味・娯楽を共通にする、語り合うのが楽しみ、情報・知識の交換、仕事に役立つ、など様々な要因で交友が継続しているのですが、実は、悪友の方が面白いのです。ただ集まっていたずらに月を見、花をめで、酒を酌み交わしているようでは、仁を育てるどころか、かえって徳の成育を害するだけです。

いずれにしても、この章の曽子の教えのようには中々いきませんが時には参考にしたいものです。

このブログを読んでくださっている人達は、この章で言うよき友の交わりですよね。大切にしていきたいものです。

善友は助け合って成功し、悪友は誘いあって堕落するのです。

吉田松陰は、「徳を成し材を達するは、師恩有益多きにおる。ゆえに君子は交遊を慎しむ」と教えています。

 

つづく

                                                                                         宮 武 清 寛

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