終戦記念日 2023 / 浦上天主堂から世界を鑑みる | 安芸もみじ / Photos, Historys, Trains - Hiroshima JAPAN

終戦記念日 2023 / 浦上天主堂から世界を鑑みる


8月15日、今日は終戦記念日です。

8月14日に日本政府は連合軍へ降伏の意思を伝え、翌15日に天皇陛下が自分の声で、国民に日本が降伏したことを伝えました。

戦闘は即刻停止に向けて発令されましたが、命令が全ての戦闘区域へ伝わるには時間がかかり、全戦闘行為停止が完了したのは8月31日となっています。

よく間違われやすいのが″終戦記念日″と″終戦の日″で、アメブロのスタンプも本日を″終戦の日″と誤っています。

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実際に8月15日にもアメリカ軍による日本本土への空爆は行われており、最前線の戦線では前述の通り8月15日以降も戦闘行為 = 戦争は継続し、互いに多くの戦死者を出しています。

8月15日は天皇陛下が国民に降伏したことを伝えた記念日であり、実際の終戦の日は9月2日です。

例年なら広島の写真を使用する冒頭写真ですが、今年は長崎の被爆直後の浦上天主堂を上 リンク先サイトさまから利用させて頂きました。

浦上天主堂はカトリック教会で、原爆の傷跡を後世に伝えるには原爆ドームと匹敵する遺構でしたが、13年後の1958(昭和33)年にカトリック教会によって解体が強行為れました。

National War Memorial Ceremony,JAPAN

HEIWA is Peace

第二次世界大戦直前、カトリック教会はドイツのナチス党を容認し、大戦中もバチカンがナチス ドイツによるホロコーストを黙認したことから、欧米との間で軋轢が生まれていました。

ホロコーストの有無を欧米とソ連は把握できておらず、ドイツ降伏直前でソ連のベルリン進軍によって始めて明るみに出た、残虐な国家による事件です。

バチカンはカトリック教会を守るため、キリスト教として本来の役目を果たさずユダヤ人虐殺を黙殺していたことから、後の世に火種を残したくないという、重い闇を抱えていました。

アメリカとその連合軍は、戦後の世界秩序維持のために、カトリック教会との禍根は残したくないとの本音があり、田川務 長崎市長へ圧力をかけて推進派から寝返らせた••••••••と、浦上天主堂の解体強行に、カトリック教会とアメリカの両方から画策があったと伝わります。

Four days that Japan must remember.
memorial service day,Hiroshima
memorial service day,Nagasaki
memorial service day,Okinawa
memorial service day,JAPAN
Peace symbol
ICAN symbol mark
SDGs

もし現存していたら、間違いなく世界遺産に登録されていたであろう浦上天主堂ですが、当時の市長の裏切り行為がとの思いから未だに、長崎市民は悔しい思いを引きずっています。

そしてその思いが足枷となり、ヒロシマのような活発な活動に自重に陥っている、そう言った自責を感じている人も多いようです。

世界各国の思惑とその時代の世界情勢に、翻弄されて核兵器の遺構を残すことができなかった長崎ですが、原子力を話題の中心に置けばそれは現代、どこも変わらない情勢です。

広島の平和記念日前から長崎の平和祈念日の間は、福島第一原発の放射線汚染水の話題が新聞の一面を飾り、長崎平和祈念日から終戦記念日の間は、NTPの話題が連日一面を賑わせます。


確かにいつまでも汚染水を蓄えておくには、物理的に今後の問題も解決へ向けて動き始めることができず、金銭的にも日本国の予算を逼迫させ続けます。

当然、日本政府には近隣諸国との信頼関係を構築しつつ、放水の協議と要請を誠意を持って行っていかなければなりません。

しかし中国のように、日本を圧迫させるための反対を訴える国もあり、福島の処理水は溶け落ちた炉心に触れており、濃度に関係無く危険だと大々的に宣伝しています。

そもそも放射性物質のトリチウムは自然界に普通に存在する重水素なので、問題は濃度しかないのが一般常識なのですが、あまり一般的に認知されているものでも無いので、怖いのは風評被害です。


確かに心象的には不安要素であるものの、中国による主張は日本の国力を削ぐための国策で、科学的根拠につては何も主張しておらず、他の近隣諸国とは一線を画するものです。

その上、中国の原発から2021年に放出された排水に含まれるトリチウムの量が、総計17ヶ所の観測地点のうち、7割を上回る13ヶ所で東京電力福島第1原発処理水の年間放出予定量の、上限を超えていたことが8月8日、中国の公式資料で判明しました。

原子力専門書「中国核能年鑑」が13ヶ所の原発から排水されたトリチウムなどの放射性物質に関する計17カ所の観測データを掲載しており、浙江省の秦山原発は2021年の1年に218兆ベクレルと、処理水の海洋放出計画が設ける年間上限「22兆ベクレル」の約10倍に当たるトリチウムを放出していました。

7月ごろから日本の水産物に対する全面的な放射性物質検査を始め、放出前から事実上の輸入規制を課す対抗措置を開始した中国ですが、福島の処理水の最大10倍相当を、排出した原発もあったことになります。 


日本は中国の原発から出る放射性物質の状況を把握していますが、通関検査の強化などは行っておらず、中国の対応の不合理さが改めて鮮明となりました。 

今後は日本だけでなく、欧米からも指摘が入る数字ではありますが、日本も東電もこれを追い風だと油断はせず、過ちを指摘しながら自らも過ちを犯さないよう、兜の緒を締めてかかって欲しいと願います。

なぜなら、科学を根拠とした物理の話しではなく、あくまで心象的な風評こそが本来の話しの本題ですから。

親が子を思う気持ち、子が親を思う気持ち、そして1人が大切な人を思う気持ちは、全人類共通の神聖な心であり、その気持ちこそが不安の発生源であって、不安から妄想が広がって風評へと発展します。


東電の認識の甘さと嘘から始まった事件でもあるので、もう本当に過ちの無いよう、真摯な態度と考えで対応に期待したいものです。

そしてNTP = 核拡散防止条約が2026年に再検討会議が開かれますが、それに向けて第1回 準備委員会がオーストリアのウィーンで開催されていました。

原子力を兵器として人類が増備し続けることは、やはり人類滅亡と表裏一体であるとの認識が、誰にも心の根底にあることは間違いなく、それ故にNTP関係の国際会議が開かれています。

しかしやはり、保有国にも非保有国にもそれぞれの守るべき国民がいて、国民が生きて行くために国家は健全でなくてはならないので、保有国は核兵器を手放せないし、欲しいと思う国も後を絶ちません。


だからこそ、各国の思惑も大きく重く深いものであり、なかなか共通の認識と価値観を見いだせるものではありません。

NTP再検討会議準備委員会では、各国の主張を総括して2週間の成果を文書を提案しました。

① 核不拡散、核軍縮、原子力の平和利用で、女性と男性の平等で効果的な参加を図る。

②核兵器の使用と実験で影響を受けた被害者の支援と環境の回復に向け、科学的な情報を提供し、財政を援助する。

③ 核兵器禁止条約はNTP第6条の履行を進める効果的な施策で、NTPを補う。

④即時、完全な核兵器禁止は逆効果を生む。

⑤非保有国への核兵器の配備を懸念、一方、NTPに完全に合致しているとの意見もある。

⑥核保有国に先制不使用を促す。

⑦ウクライナ南部ザボロジエ原発の安全性へ重大な懸念を表明。

⑧東京電力福島第一原子力発電所の処理水の安全性に関する国際原子力機関 = IAEA の取り組みを強く指示する。



上記が加盟国が主張し草案に盛り込まれた主な意見ですが、議長総括で「核関連の約束が履行されていない」などの一文もあり、これにイランが反発して中国とロシアが支持する一幕もありました。


議長のビーネン氏は再検討会議の成功へ「分断に橋を架ける」として、2024年の第2回準備委員会で討議すべき内容を、勧告文として草起する予定にしていましたが、結局は前述のイラン・中国・ロシアの反発によって、議長総括は取り下げとなって閉幕してしまいました。


核兵器関連の会議では各国の思惑の根底に、未来志向の国、今の権益を守りたいだけの国、強者に迎合して保身する国、紀元前の価値観のまま世界を見ている国などがあり、発言内容をよく聞いているとそれらがよく分かります。


そもそもアメリカは、世界初の核開発がドイツだったがために自国開発を急ぎ、完成前に降伏してしまったが故に長引く戦況に終止符を撃つため、日本へ実戦使用した経緯があります。



終戦後、ドイツには核兵器を完成させる状態に無かったことが判明し、原爆の使用を正当化する事情が必要となり、その賛美は現状のアメリカの正義となっています。


しかしアメリカに対抗するためにソ連 = ロシアが 核兵器を完成させ、アメリカの正義を模倣した後発の国々によって、現在の核保有国が乱立しています。


そして核配備は新しい時代を迎え、開発した国が自国の防衛のために保有するのではなく、同盟国によって基地が造られ、そして持ち込まれて配備されようとしています。


核配備の不拡散はもう、事実上破綻しようとしている今だからこそ、もっと強硬に各国の協力が必要なのですが、そこにはかつて日本がやった″離脱廃棄″という抜け技があります。



軍縮条約から離脱して新締結を放棄することによって、条約そのものを無効化して戦争へ突っ走った日本。


取り下げられた議長総括の「即時、完全な核兵器禁止は逆効果を生む」は、国際連盟を瓦解させ軍拡競争から世界大戦へと歩みを進めた、過去の日本の教訓を他国が提言したものです。


また、「核不拡散、核軍縮、原子力の平和利用で、女性と男性の平等で効果的な参加を図る」は、日本ではなくピンと来ないかもしれませんが、諸外国では女性に知識を与えず発言権も与えない国も多いので、世界総ての人でこの問題に取り組もうと言う趣旨から、あえてこの一文が入れられました。


と言うことで、例年の終戦記念日とは違う嗜好での記事となりましたが、ブログスタンプが「平和と幸せを祈ろう!」なのと、投稿ネタが「8月に思うこと」だったので、今年は原子力の今について語ってみました。



さて、今年は本来更新日と重ならなかったので、終戦記念日の記事は書かない予定でもありました。


しかしずっと原子力ネタが新聞の一面を飾っていたので、ブログスタンプに答える積もりで臨時で記事に起こしたのですが、いかがでしたでしょう。


ところで8月12・13日は1話から全話放送と高橋洋子さんのライブまで一挙放送の、エヴァフェスティバルでしたね。


若い時に見たエヴァンゲリオンと30代で見たエヴァと、今あらためて見たエヴァでは、碇ゲンドウのセリフの意味が全く異なって違う作品に見えてしまいました。


まぁ、それについてはまた、どこかで語りたい気分だったりします。


May the world be filled with peace and happiness.

(世界が平和と幸福で満たされますように)

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