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ピンクって、赤なの?紫なの?

― 色の名前から見えてくる、ピンクの不思議 ―

「好きな色は何ですか?」

そう聞かれて、

「ピンクです」

と答える方も多いのではないでしょうか。

やさしくて、かわいらしくて、

ピンクには、そんな柔らかなイメージがありますよね。

でも、色について学んでいると、ふと気になることがあります。

「ピンクって、そもそも何色なんだろう?」

赤でしょうか?

それとも、赤とは別の色でしょうか?

そして、少し紫を感じるピンクもありますよね。

そう考えていくと、

「ピンクって、赤なの?紫なの?」

という、ちょっと不思議な疑問が出てきます。

今回は、そんな身近な「ピンク」を、色彩心理だけではなく、「色の名前」という視点から考えてみます。


「ピンクは赤と白を混ぜた色」?

色を学び始めたとき、

ピンクは赤に白を混ぜた色、と考えることがありますよね?

絵の具で作ってみるとわかりやすいですが、

赤に白を少しずつ加えていくと、明るく淡い赤になっていきます。

そして私たちは、そのような色を「ピンク」と呼びます。

でも、ここでちょっと考えてみてください。

「ここまでは赤」
「ここからはピンク」

という、はっきりした区切りはあるでしょうか?

おそらく、ありません。

色は少しずつ連続して変化しています。


では、なぜ私たちはピンクを「赤」とは呼ばないのでしょう?

ここが、おもしろいところなのですが、

色相でいえば、ピンクは赤系の色として考えられます。

つまり、

ピンクは「赤の一種」と考えることができます。

でも、私たちは普通、

「ピンクは赤ですか?」

と聞かれたら、

「赤というより、ピンクです」

と答えますよね。

なぜでしょう?

それは、私たちの言葉の中では、

「赤」と「ピンク」は別の色の仲間として認識されている

からです。

ここには、色そのものと、色の名前との間にある、ちょっと不思議な関係が見えてきます。


「ピンク」は、ただの「薄い赤」ではない

色の名前について研究した、バーリンとケイが1969年に発表した報告書は、その後の色彩学の研究に大きな影響を与えました。

バーリンとケイのモデルでは、11の基本的な色名を示しています。

white
black
red
yellow
green
blue
brown
purple
pink
orange
gray

などが、基本色彩語として挙げられています。

 

ここで注目したいのが、

このモデルにおいて、redとpinkが、別々の色名として存在している

ということです。

つまり、

Pinkは単に「redを薄くした色」というだけではなく、Redとは別の色のまとまりとして捉えられている

と考えることができます。


色は連続しているのに、言葉では分かれている

ここで、色の変化を色相環でながめてみましょう。

たとえば、

赤 → 赤紫 → 紫

と、色相は少しずつ変化していきます。

マンセル色相環で考えると、

R → RP → P

という位置関係になります。

さらに、赤紫のような色を明るくしていくと、

「ピンク」と呼びたくなる色も出てきます。

もちろん、すべてのピンクが赤紫を明るくした色というわけではありません。

コーラルピンクのように、黄みを感じるピンクもあります。

それでも、ここで気づくことがあります。

色そのものは、少しずつ連続して変化している。

なのに私たちは、

「赤」

「ピンク」

「紫」

と、名前をつけて区切っています。

つまり、

色の連続性と、言葉のまとまりは一致しない。

ということです。


では、「赤紫」は赤?紫?

ここで、もう一つおもしろい問題が出てきます。

赤紫は、赤でしょうか?
それとも、紫でしょうか?

「赤紫」という名前を見れば、

赤でもあり、紫でもある。

そんな色だとわかりますよね。

色相環で見ると、

赤 ― 赤紫 ― 紫

という位置関係になります。

つまり赤紫は、

赤と紫の間にある色

です。

では、その赤紫を少しずつ明るくしていったら?

「赤紫」と呼び続けるでしょうか。

それとも、

「ピンクかな?」

と感じるでしょうか。

ここから、色の名前の不思議がさらに深くなっていきます。


「赤紫」は、赤の仲間?紫の仲間?

色彩学的に見ると、

赤紫は赤と紫の間にある色です。

だから、

「赤の仲間」と見ることもできるし、

「紫の仲間」と見ることもできます。

そして、その境界付近には、

ローズ
マゼンタ
赤紫
ピンク

など、さまざまな色名があります。

ここで大切なのは、

色の世界に、最初から「ここが赤」「ここがピンク」「ここが紫」と線が引かれているわけではない

ということです。


もしかすると、色の世界に境界線はないのかもしれません

ここからは、少しだけ哲学的な話になります。

色の世界には、もともと「赤」「ピンク」「紫」という境界線が引かれているのではなく、私たちが言葉によってまとまりを作っているのかもしれません。

そう考えると、

「ピンクは何色?」

という最初の疑問も、少し違って見えてきます。

ピンクという色が、

「赤なのか」

「紫なのか」

を決めることよりも、

私たちは、どのあたりの色を「ピンク」という仲間として捉えているのだろう?

と考えることのほうが、面白くなってきます。

実は、こうした「色をいくつかのまとまりに分け、そのまとまりに名前をつける」ということは、言語学や文化人類学でも研究されています。

その中で使われる言葉の一つが、「基本色彩語」です。

ちょっと敷居の高そうな名前ですが、難しく考えなくても大丈夫。

私たちがふだん何気なく使っている、

「赤」「青」「緑」「紫」「ピンク」

といった色の名前にも、こんなふうに研究の世界があるんですね。


私にとって「ピンク」の中心は、どこだろう?

ここで、私自身も考えてみました。

日本語で、

「ピンク」

と聞いたとき、私たちが思い浮かべる色は、どんな色でしょう?

ローズピンク?

サーモンピンク?

コーラルピンク?

淡い桜色?

桃の花の色?

それとも、もう少し赤紫を感じるピンク?

私自身は、日本語で「ピンク」と聞いたとき、

赤紫を少し明るく、淡くしたような色

が、中心に近いように感じます。

もちろん、これはすべての人に当てはまるという意味ではありません。

人によっては、

「もっと赤に近い色」

「もっと白に近い色」

「少し黄みのある色」

をピンクの中心と感じるかもしれません。

だからこそ、

「ピンクの中心はどこ?」

と考えてみることが面白いのだと思います。


そして、「ピンク=女性らしい」も、色そのものではありません

 

私たちは、

「ピンクは女性らしい」

「ピンクはかわいい」

「ピンクは優しい」

というイメージを持つことがあります。

でも、これはピンクという色そのものが持っている性質とは限りません。

私たち自身の経験や文化、時代背景も関係しています。私たちを取り巻く環境の中で、

「ピンク=女性らしい」

というイメージが定着してきた面があります。

つまり、

色そのもの

色から感じる意味

は、同じではないのです。

だから、

「ピンクだから女性らしい」

と決めつけるのではなく、

「私はなぜ、このピンクを女性らしいと感じるんだろう?」

と考えてみる。

そこにも、色を学ぶ面白さがあります。


ピンクを見る目が、少し変わったかもしれません

最初は、

「ピンクは赤と白を混ぜた色」

と思っていたかもしれません。

でも、少し考えてみると、

ピンクは赤系の色。

でも、赤とは別のカテゴリー。

赤紫との関係もある。

紫との境界もある。

そして、色の世界そのものには、はっきりした境界線があるわけではない。

私たちは、連続している色の世界を見て、

言葉によって「赤」「ピンク」「紫」と分けている。

そう考えると、

いつも何気なく使っている「ピンク」という言葉が、少し不思議に感じられませんか?


今日から、ピンクを少し違う目で見てみませんか?

ドレス。

お花。

文房具。

私たちの身の回りには、たくさんのピンクがあります。

もし今日、ピンクを見つけたら、

「これは、どんなピンクだろう?」

と、少しだけながめてみてください。

赤に近い?

赤紫に近い?

紫を感じる?

それとも、黄色を感じる?

そして、

「私にとって、この色はどんな色に見えるんだろう?」

と考えてみる。

それだけでも、いつもの色の見え方が少し変わるかもしれません。


色の名前を学ぶことは、色そのものを学ぶだけではなく、
私たちが世界をどう見ているのかを知ることなのかもしれません。

「ピンクって、赤なの?紫なの?」

そんな素朴な疑問から始めてみると、色の世界は思っていたよりずっと奥深いものです。


色を楽しみながら、自分の感じ方にも気づいていく

色のことを知ると、

「私はこの色が好き」

「なぜかこの色が気になる」

「この色を見ると、こんな気持ちになる」

そんな、自分自身の小さなこころの変化にも気づきやすくなります。

色を知る。
色を感じる。
そして、自分がどんなふうにその色を見ているのかに気づいてみる。

そんな時間も、色を学ぶ楽しさの一つなのかもしれません。

講座情報

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  • 講座名:TCカラーセラピスト講座
  • 受講料:20.900円
    (14本ボトル、テキスト込み)
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