12(日)盛岡11R【M1】農林水産省東北農政局長賞第49回シアンモア記念(ベストウォーリア賞)(オープン ダート1600m 1着賞金1000万円 8頭立て 発走予定時間18時15分)

 

馬の数だけドラマがある。ドラウマチック

<見解>

岩手競馬春のマイル王決定戦、伝統のシアンモア記念。個人的に応援しているゴールデンヒーラーの不在は残念だが、8頭立てながら興味深いメンバーが揃った。遅咲きの快速馬か?メンバー唯一のGⅠ馬か?ハイレベルを戦って来た若き4歳馬か?骨っぽい古豪陣か?どの馬にもチャンスがあり、人気も割れそうだ。紡いで来た昭和の大種牡馬の系譜49代目の覇者を目指し、駆け抜ける黄金の1マイルから目を離すな。

 

◎グランコージー

2歳時より快速馬として鳴らすも、なかなか重賞で勝ち負けする機会に恵まれなかったが、前走赤松杯で約4年ぶりに重賞タイトルを獲得、これで重賞4勝目。距離は得意なだけに、盛岡コースに変わり、自分のペースで走れるかがポイントに・・・

 

○ヴァケーション

2歳時に全日本2歳優駿を制したGⅠホースが低迷し、復活の舞台に選んだのが岩手。一昨年にこのレースを、昨年は一條記念みちのく大賞典を制し、コンスタントに結果を出すが、勝ち切れないケースが多いのが気掛かり。実力は高いのだが・・・

 

▲ルーンファクター

佐賀から転入し、やまびこ賞、1.1秒差の大差勝ちした不来方賞重賞2連勝で一躍時の馬になるも、ダービーグランプリは意外にもシンガリ負け。ただ、ハイレベルなレースを経験した事は大きく、今シーズン初戦でどう活かすか注目したい。

 

△ライアン

南関東デビュー平和賞優勝、羽田盃2着とエリート街道を歩むも低迷。JRA移籍障害レース3戦未勝利での岩手入り。転入初戦の赤松杯では0.6秒差2着と、岩手オープンで戦える計算は立つ。豊富な経験があるだけに侮れない存在。

 

△フライムウイングス

JRA南関東と転戦し岩手にやって来た。堅実な成績は評価出来るものの、未だ勝ち鞍が無いのは勝ち味に遅いタイプか。だが、北上川大賞典・桐花賞2着、一條記念みちのく大賞典3着、昨年のこのレースで4着と、相手なりに走るだけに・・・

 

×ノーブルサターン

JRAではオープンを張り、兵庫チャンピオンシップ(園田・JpnⅡ)2着、マーキュリーカップ(盛岡・JpnⅢ)3着の実績。南関東岩手と主戦場を移し、当地では重賞6勝と水が合った印象。10歳の古豪だが、状態が上がれば警戒必要。

 

■自信度:D(※A~Zの段階)

■推定ペース:M~H

■推定タイム:1.36.前半~40.後半

 

<レース紹介:シアンモア記念

1975年に特別競走として創設し、後に重賞競走へ格上げ。距離や施行条件等の変更を経て、現在は春のマイル王決定戦。2016年からは岩手グレードの導入M1に格付けされた。レース名のシアンモアは、イギリスのエプソムダービー3着の実績を引っさげ、1928年に小岩井農場へやってきた種牡馬で、日本競馬界に燦然と輝く大種牡馬の1頭として有名。現在もシアンモアの血は受け継がれ、子孫達(例えばクラウンロゼ)が多数活躍している。

シアンモアp

これが大種牡馬”シアンモア”、当時の小岩井農場日本生産界のトップランナーだった事が窺える。

 

シアンモア記念の記憶ー1992年(第18回)ー>

沢山思い出はあるが、中学・高校時代はナゼかシアンモア記念の記憶が薄く、よく覚えていると言う意味での最古は、1992年(第18回)スイフトセイダイになる。当時の岩手はSG2強時代で、S(スイフトセイダイ)G(グレートホープ)のどちらが強いのか?ファンの間で二分論争が起きる位盛り上がっていた。(岩手競馬の黄金時代だよね)

 

当時、インターネットは無く、東京岩手競馬の情報は全く入らず、情報収集帰省時のみに限られていた(IBCラジオミニ情報番組を幾つかやっていた)。夏休みに帰省し、東京へ戻る日に盛岡競馬場で行われたのが第18回シアンモア記念。帰りの新幹線の時間を気にしながら、IBCテレビ競馬中継を見た。

 

元祖・岩手の怪物スイフトセイダイは、前年までの全国行脚での激戦からか球節に爆弾を抱え、ギリギリの状態。ライバルである野生児グレートホープ充実感みなぎる馬体で、僕の印象ではグレート優勢に見えた。蓋を開けてみれば、2頭がダート2000m(当時)大接戦でゴールを通過意地とプライドでスイフトが1/2馬身差制し、結果的にこれがスイフトセイダイ最後の重賞制覇となった。

(※画像は地方競馬情報誌ハロンより)

毎回、2頭のデットヒートがファンを熱くさせた(内・グレートホープ 外・スイフトセイダイ ※画像は1991年・第17回シアンモア記念