今日の京都5月23日(木) | 都のかほり日記

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京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
昨日、京都の蛍について書きました。
すると、昨日、京都の蛍がYouTubeで紹介されていました。
https://youtu.be/854mOX_39gs?si=WRHmbkgUIeWdKLA5

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さて、今日は丈山忌です。
石川 丈山(いしかわ じょうざん、天正11年(1583年) - 寛文12年5月23日(1672年6月18日))の忌日です。
石川丈山をご存知でしょうか。

【石川丈山とは】

名前をご存知なくても、彼の創った京都の詩仙堂はご存知だと思います。
石川丈山は安土桃山時代から江戸時代初期にかけての武将で、文人です。



写真引用Wikipedia
石川丈山像

名は凹(おう)。丈山は字(あざな)。六六山人、四明山人、凹凸(おうとつか)などと号しました。代々徳川氏に仕える三河武士の家に生まれましたが、大坂夏の陣のときに抜け駆けをして、軍律を犯してとがめを受けたため武士を捨てました。藤原惺窩(せいか)に入門して儒学を学びました。
1641年(寛永18)京都洛北(らくほく)一乗寺村に凹凸窠(詩仙堂)を建てて終の棲家と定めました。そして、 林羅山(らざん)、元政上人(げんせいしょうにん)ら当時著名な文化人との風雅の交友を楽しみ、詩文に遊ぶ自適の生涯を送りました。詩仙堂の名は、中国の詩人36人を選んで狩野探幽(かのうたんゆう)にその像を描かせ、壁に掲げたことにちなみます。

◎丈山の漢詩
儒学に比べて漢詩の地位の低かった江戸初期に、詩作をたくさん作った点で特異な存在であり、作品は『新編覆醤集(ふしょうしゅう)』に収められています。とくに「富士山」と題する漢詩は素晴らしいです。

「富士山」
「仙客来遊す雲外の巓(いただき)。神竜栖(す)み老ゆ洞中の淵(ふち)。雪は素(がんそ)の如く煙は柄(え)の如し。白扇倒(さかさま)に懸(かか)る東海の天」
⚫現代語訳
仙人が遊びに来るような雲上の峰、神龍が棲息するような洞中の淵。
雪は白ぎぬの如く煙は扇(おうぎ)の柄の如し、東海の空に白扇が倒(さかしま)に懸かっているかのようだ。

◎多才な丈山

石川丈山は 煎茶(おそらく団茶のたぐいであろう)の祖とも言われています。また、作庭に長じたともいわれ東本願寺枳殻邸(渉成園)の庭園は石川丈山の手と伝えられていますし、また、京田辺市の一休寺の(報恩寺)の庭を作庭をした一人と言われています。

【詩仙堂とは】



石川丈山の隠居のため造営した山荘の跡です。国の史跡に指定されています。現在は曹洞宗の寺院でも正式には丈山寺といいます。
名前の由来は、中国の詩家36人の肖像を掲げた詩仙の間によります。詩仙は日本の三十六歌仙にならい林羅山の意見をもとめながら漢晋唐宋の各時代から選ばれています。肖像は狩野探幽によって描かれ詩仙の間の四方の壁に掲げられています。詩仙堂は正確には凹凸窠 (おうとつか) といいます。凹凸窠とはでこぼこの土地に建てられた住居の意味で、建物や庭園は山の斜面に沿って作られています。丈山は詩仙の間を含め建物や庭の10個の要素を凹凸窠十境と見立てました。
玄関上は3階建の「嘯月楼」と詩仙の間の部分のみが丈山当時の建築で、他は後世の改築です。

◎庭園



詩仙堂の庭園は丈山自身により設計され、春 (5月下旬) のサツキと秋 (11月下旬) の紅葉が有名です。

詩仙堂にはししおどしの発祥の地と言われています。
丈山が詩仙堂を作った時には、イノシンや鹿が夜中に頻繁に出没していました。イノシシや鹿を追い払うために「ししおどし」が考案されました。この「ししおどし」は添水 (そうず) と呼ばれる仕掛けにより音を響かせます。イノシシたちはその音に驚き、畑を荒らさなくなったそうです。また、静寂の中でコーンと竹が石を打ちつける響きは、隠居生活を送る丈山の慰めとなったといわれており、彼がつくる庭には「ししおどし」が設置されるようになりました。それがいつしか全国に広まったといわれています。 



詩仙堂鹿おどし
https://youtu.be/LXEqKXBfIiw

◎丈山の面白い説
鷹が峰の本阿弥光悦、八幡の松花堂昭乗と共に、江戸幕府の意を受けて京中の監視をしていたとの説もあります。


詩仙堂ホームページ
http://www.kyoto-shisendo.com/Ja.html 

丈山の漢詩を味わいながら、詩仙堂の庭を眺め、ししおどしを意識の奥に響かせたいですね。

毎年5月25日から3日間、「遺宝展」として丈山の遺品や書など多数の品々が一般公開されます。この機会に詩仙堂にお出かけになってはいかがでしょうか。

【愛知県にある丈山苑】
丈山苑は愛知県安城市の丈山生誕の地に丈山の世界を伝えるために平成8年5月(1996年5月)に開園しました。

愛知県安城市和泉町中本郷180-1
午前9時~午後5時
(入苑は午後4時30分まで)
休苑日毎週月曜日(祝日の場合は開苑)
年末年始(12月28日~1月4日)
入苑料一般
100円
団体(10人以上)
80円
中学生以下
無料
アクセス

JR安城駅で市内循環バス「あんくるバス」乗換
0系統・循環線右まわり(安城更生病院行き)「安城更生病院」下車乗り換え
3系統・南部線(碧南市民病院行き)「和泉丈山苑」下車徒歩3分
こちらも訪れられてはいかがでしょうか。

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詩仙堂に行かれたら寄り道はいかがでしょうか。

詩仙堂は京都の町中から少し離れた場所にあります。

詩仙堂のお隣といっていいところには八大神社があります。
○八大神社



こちらの神社は宮本武蔵ゆかりの神社です。
詩仙堂や八大神社から少し下ったところにある「一乗寺下り松」で宮本武蔵は吉岡一門数十人と決闘を行ったのです。宮本武蔵が決闘に向かう途中立ち寄ったのが八大神社です。決闘を前に八大神社で神頼みをすることを思い立ったが、神仏に頼ろうとした自分の弱さに気づき寸前にやめたという逸話も残っています。社殿内には一乗寺下り松の古木が保管展示されています。
境内には、宮本武蔵と吉岡一門の決闘から400年を迎える事を記念に、平成14年に建立された宮本武蔵のブロンズ像があります。
また、祭礼で使われる剣鉾も展示されています。

○一乗寺下り松



○狸谷山不動院



詩仙堂から山に向かって600メートルほど上がると、狸谷山不動院があります。
平安時代、桓武天皇が都の北東に位置するこの場所に鬼門封じとして、不動尊を安置したのが始まりという。
慶長9年(1604年)、宮本武蔵が狸谷山中で滝行を修し、不動心を体得したといわれています。
交通安全自動車祈祷やガン封じで有名です。

○ 雲母漬老舗穂野出



このあたりに来ると必ず立ち寄るのが、雲母漬の穂野出さんです。

「雲母」は難読漢字かもしれません。「きらら」と読みます。今どきのキラキラネームのようですが、ちゃんと由来もあります。
お店の穂野出さんのあるあたりには雲母坂があります。雲母坂は、修学院離宮横を通って、延暦寺の根本中堂に通じる最短コースで千日回峰行の行者道でした。音羽川の雲母橋から登山口となり、修学院離宮の外縁を巡る登山道を登っていきます。
名前の由来は「山州名跡志」によると、都から見ると、夕雲が覆って雲が生ずるように見えるため「雲母坂」と称されるようになりました。この坂は、花崗岩の砕けた地質であり、土砂の中には雲母が含まれるためともらいわれます。勅旨が、宮中から延暦寺へ向かう坂でもあるため、「勅旨坂」とも称されます。

さて、こちらの「雲母漬」。小茄子を白味噌に漬けたものです。雲母坂を登り比叡山に向かう登る名僧達がこの難所雲母坂の和労堂に憩う人々の多くはこの茶店にて中食し「みそ漬」を賞味しこの地特有の風味を好評して昔より「雲母漬」と名づけられました。

漬物の概念を覆す、甘い味噌漬けです。
たまに、京都高島屋さんで販売されることもありますが、こちらの店舗まで足を伸ばすのは大変です。店舗は一乗寺の詩仙堂や八大神社の近くです。
一度召し上がってみてください。

http://www.kiraraduke.net/products/

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どうぞ、今日もお元気で笑顔で楽しい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年5月23日(木)】(No.3475)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○ 五月満月祭(うえさくさい)/鞍馬寺



5月満月の宵に、鞍馬山に祀られている大魔王尊に人類のめざめを参加者全員で祈ります。
灯の蓮花を一斉に尊天に捧げる光景はまさに幻想的です。
儀式の始まりは相当古く、ヒマラヤ山中や東南アジアのウエサク祭と酷似しているといわれています。
日程5月23日
時間19:00~
料金愛山費 300円
アクセス
叡山電鉄「鞍馬」下車 徒歩約30分またはケ-ブルカ- 
ホームページ
 http://www.kuramadera.or.jp/gyouji.html 

○開山忌/清水寺

清水寺開山・延鎮上人と大本願・坂上田村麻呂公の年忌法要。
大茶碗による茶礼を招待制で行います。 
日程5月23日

○ 春の特別公開(〜6/30)/宝厳院

○春の特別公開(〜5/25)/東寺

○ 伏見名水スタンプラリー(〜5/31)

○ 春の特別拝観(〜6/2)/相国寺
 

○ 御土居の青もみじ(〜6/30)/北野天満宮

○ 霊宝館春季特別公開(〜5/31)/清涼寺

○春の特別拝観(〜6/16)/瑠璃光院 

○ 鴨川をどり(〜5/24)

○ 新緑特別拝観(〜5/31)/妙覚寺

○ 貴船の川床(〜9/30)

○ 鴨川納涼床(〜9/30)

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