今日の京都5月17日(金) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
昨日は、四条烏丸から少し下がったところで爆発火事が起こり、びっくりしました。

京都新聞https://www.kyoto-np.co.jp › articles


さて、今日は「お茶漬けの日」です。
永谷園が2012年に制定しました。やっぱりですよね。
煎茶の創始者であり、永谷園創業者の先祖である永谷宗七郎の命日です。



永谷宗円
出典永谷園ホームページ

【永谷園とは】
永谷園さんはお茶漬け海苔で有名ですが、「永谷園」の起源は江戸時代の山城国湯屋谷村(現:京都府綴喜郡宇治田原町)で煎茶の製法を開発した永谷宗七郎(のちの永谷宗円)にさかのぼります。この永谷宗七郎(後に入道して永谷宗円と名乗る)は煎茶の製法を発明し、日本茶の歴史に大きな功績を残した人物です。
永谷宗円の一番の功績はお茶のイメージを現在と同じように緑色にしたというものです。それ以前のお茶は茶葉を摘んだあと、釜で炒って乾かす工程で茶色になるのが一般的でしたが宗円は蒸して乾かす工程に変えたため、乾いた茶は緑色となりました。
現在、茶色のお茶は九州などで、釜で炒って乾かす製法で作る釜炒り茶として残っています。
製茶業や茶量の切り売りなどを経たのち、1953年(昭和28年)4月、宗円の10代目にあたる永谷嘉男によって創業されました。
1952年(昭和27年)から発売が開始された「お茶づけ海苔」で「永谷園」の経営を不動のものにしました。業界で初めてフリーズドライ方式の即席味噌汁を開発したのも永谷園です。
永谷園の祖は京都だったのですね。

○永谷宗円の生家



宇治田原町湯屋谷空に復元された生家の内部には、製茶道具や当時の焙炉跡が保存され、土曜、日曜、祝日は内部を公開しています(平日は要問合せ)。
10:00~15:00(内部公開は土日祝のみ)
料金維持管理協力金100円


○お茶漬け海苔のパッケージ
デザインは、お茶づけから連想した“江戸の情緒”をイメージし、歌舞伎の定式幕になぞらえた黄・赤・黒・緑の縞模様を採用しています。また、歌舞伎特有のメーキャップである隈取の一つ、「筋隈」を登録商標としています。




○京都限定のお茶づけ海苔

宇治抹茶と京漬物のしば漬けを使用した「しば漬け茶づけ」、宇治抹茶と京都府産の壬生菜を使用した「壬生菜茶づけ」、2つの味の詰め合わせです。
【内容量】 28.6g(6袋入)
しば漬け茶づけ 5.3g×4袋、
壬生菜茶づけ 3.7g×2袋




【お茶漬けとは】



日本語の辞典として広く知られている広辞苑によれば、茶漬けとは「飯に熱い茶をかけたもの。茶漬飯」とある。ここで言う茶とは、煎茶(緑茶)やほうじ茶や番茶や抹茶の入った緑茶や抹茶など、いわゆる日本茶に分類される茶を指すことが普通だが、近年は烏龍茶をかける場合など、日本茶以外の茶をかけるアレンジも見られる。また、上記の茶であっても、必ずしも温度の高い茶に限定されているわけではなく、特に暑い時期などには、敢えて冷やした茶をかける例も見られる。 
出典Wikipedia

お茶漬けといえども、奥が深いものです。

○お茶漬けにまつわる話

⚫文豪森鴎外は大の甘党で、饅頭を四つに割ってご飯の上にのせ、お茶をかけて食べていたそうです。

⚫お茶漬けという言葉がついた作品もあります。
小津安二郎監督の『お茶漬の味』(1952年)という映画
落語では『茶漬け間男』『茶漬け閻魔』といった作品もあります。

⚫お茶漬けの諺
「朝腹に茶漬け」物事が少しもこたえないこと。
「茶漬けにひしこの望み」ささやかな望みのこと。

⚫お茶漬けが忌み嫌われること

 お茶漬けの茶や汁をかけたときに御飯が崩れる様が、切羽の崩落や山の落盤を想像させるからと、トンネル掘削の作業員が「茶漬け」「汁かけ飯」を忌み嫌ってきたそうです。映画「黒部の太陽」でもそういうシーンがありました。

【京都のぶぶ漬け】

お茶漬けといえば、京都の「ぶぶ漬け」を思い出します。「ぶぶ」はお茶のことです。最近はだし茶漬けも
出すお店もあります。

京都人の家に招かれ、ぶぶ漬けを勧められたら、それは、いつまで居座るつもりなんやろ、食事どきやというのに気のきかんお人やわと言われているというのが
その意味だと言われています。
京都というと、このぶぶ漬けと一見さんお断りがまことしやかに語られています。

私自身はそういう言葉を耳にしたことはありません。
ただ、何か言う場合に直截的な物の言い方はなるべく避けるというのは京都の人の特徴といえるかもしれません。例えば割烹料理屋で、香水やコロンの匂いをぷんぷんさせているお客さまがいたとします。そんな時に店の人から、「ええ匂いさせてはりますなあ。どこの香水どす?」と言われることがあります。これは「食べ物屋に来るときには、味だけではなくて香りを楽しんでいただきたいのだから、そんなキツイ香水をつけてくるのはやめてください」という意味なのです。

でも、さもありそうだと思えるから不思議です。そして、これが京都人がイケズと言われる原因かもしれません。

では、実際のところはどうなのか。
こんな動画を見つけました。
ぶぶ漬けでもは様式美と言っています。

https://youtu.be/e3EgQNCTpHc?si=AahPYW59FpS9c4_-

また、京都本で有名な柏井壽先生の著作、
『京都のツボ』の中にも記載がありました。

先生ご自身も実際にぶぶ漬けでもという場面に遭遇されたことはないそうです。
ただ、食事時にお客さんがあったり、なかなか帰らないお客さんにどのように対処するのか。

「えらいこっちゃ。頼まれごとしてたんを、うっかり忘れてたわ」
「そらあかんがな。ほな、うちもおいとまします」

急に用事を思い出したようなフリをして、言われたほうも、それを方便だとわかったうえで応じます。こうして、人間関係を壊すことなく、問題は解決されます。
 一事が万事、京都人はこんなふうな物言いをして、直接的な表現を避けます。遠回しに言ってみて、それでもうまく伝わらないときは、嘘も方便です。

〈中略〉

尖った言葉を丸く削って、相手を傷つけないようにし、ひいては自分も傷つかないよう。今の時代にこそ役立つ知恵だと思います。



出典
『京都のツボ』柏井壽著  集英社刊

******************************************************************************************************************************************************

この京のぶぶ漬けは、上方落語の演目になっています。京の茶漬けとも言われています。
【上方落語京の茶漬け】
原話は、1775年(安永4年)に出版された笑話本『一のもり』の一編「あいづ」[1]。同種の笑話は、十返舎一九の『江戸前噺鰻』(1808年/文化5年)に「茶漬」の題でみられます。古くから同演題で演じられたとみられ、天保年間から残る大坂の寄席の根多帳に『京の茶漬』の記載があります。
短く軽いネタで、3代目桂米朝、3代目桂文我など多くの演者が高座にかけています。
(京の茶漬けのあらすじ)
演者はまず、京都特有の「何もおへん(=ない)のどすけど、ちょっとお茶漬けでもどうどす?」という、来客の帰宅を暗にうながす挨拶について触れる。
ある物好きな浪花者の男が、「いっぺん、この茶漬けを食(く)てこましたいな」と考え、京都の知人宅をたずねる。知人の妻が応対し、知人は留守であることを男に告げる。男が「待たしていただけまへんやろか」と訊くと、知人の妻は「どうぞ、おざぶ(=座布団)お当ておくれやす」と言って、男を座敷に招き入れる。男と知人の妻が、世間話をしながら時を過ごしているうち、食べ物の話となる。男が鯛の刺身と酒の話をしながら、ゆっくりとキセルをふかすので、知人の妻は男のたくらみをなんとなく察する。
そのうち、昼時となる。男が「この辺に食べるモン注(い)うて、とれる店はおまへんやろか」と知人の妻に聞くが、知人の妻は「この辺、何にもあらしまへんのン」と答える。男は「左様(さよ)か。えらいどうもお邪魔をいたしました、ほんなら……」と帰るそぶりを見せる。知人の妻は、思わず「まあ、せっかくのお越しでしたのに……何もおへんのどすけど、ちょっとお茶漬けでも」と口走ってしまう。
男は履きかけた履物を脱いで取って返しながら「左様か、えらいすんまへんなあ」と言いつつ座敷に戻り、座りなおす。知人の妻は「ここで追い返したりしたら京者の恥」と考え、台所に入り、飯櫃の中にわずかに残った冷や飯をかき集めてよそい、漬物を添えて男の前に出す。男はお世辞を言いながら、茶漬けと漬物をゆっくりと食べる。「さすが、宇治が近いだけあって、ええお茶使ってまンな。お漬物も……うん、うまい! さすが、漬物は京都でやすなあ」
茶漬けを平らげた男は、もう1杯欲しくなり、茶碗を知人の妻の前に差し出してみるが、知人の妻はそっぽを向き、サインに気づかないふりをしている。男はごまかすために、茶碗をほめてみせる。「ええお茶碗ですなあ。清水焼ですかいな。5つほど買(こ)うて、大阪に持って帰りたい。どこでお買いになりました?」それを聞いた知人の妻は飯櫃のふたを取り、飯が残っていない様子が見えるように男の前に突き出し、
「このおひつと一緒に、近所の荒物屋で」

出典Wikipedia

音声だけですが、桂米朝さんの京の茶漬け

https://youtu.be/ZRoSL4SXFAI

******************************************************************************************************************************************************

○京都のお茶漬け屋さん
私が行ったところは、丸太町の十二段家さんだけです。



https://retrip.jp/articles/14976/ 

お茶漬けとひとくちに言っても、最近は、出汁茶漬けもあれば、お茶漬けにつきもののお漬物のお店が、お茶漬けを出している場合もあります。
どんなお茶漬けがお好みでしょうか。
そういえば宮崎では冷汁というものがあるそうです。

○京都のお茶漬けのお店https://s.tabelog.com/smartphone/matome/13557/

******************************************************************************************************************************************************

なんだか回りくどい遠回しな表現の京都ですが、そこには人間関係を円滑にする千年の知恵があるかと思われます。
ストレートに言うことは簡単ですが、
互いを察しあうこと、非常に高度な人間関係かと思います。

そういうことができてこそ、真の京都人と言えるのかもしれませんね。
また、そういうやり取りができてこそ、一人前として認めていただけるのでしょう。

************************************************************************************************************************************
どうぞ、今日もお元気で笑顔で楽しい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年5月17日(金)】(No.3469)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○献茶祭/上賀茂神社
献茶祭は葵祭(賀茂祭)を締めくくる神事です。賀茂祭終了後、表・裏両千家家元宗匠が隔年奉仕により斎行されます。
昭和29年(1954)に始行されました。
本殿前で濃茶、薄茶をたてて、神職が本殿にお供えします。
表千家と裏千家が隔年でご奉仕され、今年2024年は裏千家のご奉仕です。
日程5月17日
10時ごろ
アクセス
市バス上賀茂神社前
ホームページ
https://www.kamigamojinja.jp/

○ 春の特別公開(〜6/30)/宝厳院

○春の特別公開(〜5/25)/東寺

○ 伏見名水スタンプラリー(〜5/31)

○ 春の特別拝観(〜6/2)/相国寺
 

○ 御土居の青もみじ(〜6/30)/北野天満宮

○ 霊宝館春季特別公開(〜5/31)/清涼寺

○春の特別拝観(〜6/16)/瑠璃光院 


○ 大原女(おはらめ)まつり
(〜5/19)

○ 鴨川をどり(〜5/24)

○ 新緑特別拝観(〜5/31)/妙覚寺

○ 貴船の川床(〜9/30)

○ 鴨川納涼床(〜9/30)


#京の歳時記
#お茶漬けの日
#永谷園
#永谷宗円
#京のぶぶ漬け
#京都のツボ
#柏井壽
#落語京の茶漬け
#上賀茂神社