今日の京都4月30日(火) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
長いゴールデンウィークのお休み。前半が終わりました。カレンダー通りのお仕事や学校の方、今日はいつも通りの出勤や登校ですね。ちょっとかったるいと思ってらっしゃる方も多いかも?そういう時は、えいやっと気合を入れて、お出かけしましょう。

今日で4月も終わりです。
新年度になってひと月。
新しい学校、新しい学年、新しいクラス、新しい職場と環境の変化のあった方々、お慣れになられましたか。ちょっとお疲れも出てくる頃かも。

今日から七十二候が移ります。

【牡丹華】(ぼたんはなさく)

牡丹が大きな花を咲かせる頃。豪華で艶やかな牡丹は「百花の王」と呼ばれています。 

今年は花の咲き出しが早くて、いつもなら今頃が牡丹の見頃ですが、我が家の牡丹もすべて散ってしまいました。今年は夏の訪れも早いのでしょうか。


過年の乙訓寺の牡丹

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よく、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」と言われます。
女性の美しい立ち振る舞いや容姿を、花にたとえて 表現する言葉です。主に美しい女性を形容する言葉として使われ ています立っても座っても、また歩いても、姿が艶やかで魅力的な美人の形容だと思っていました。

「芍薬」 原産はアジア大陸北東部。ボタン科の多年草で、細くすらりと伸びる茎が特徴です。花は牡丹によく似ています。牡丹が樹木であるのに対して、芍薬は草本です。牡丹が「花王」と呼ばれるのに対し、芍薬は花の宰相、「花相」と呼ばれます。牡丹の台木として使用されます。多くの園芸品種がある。いずれも薬用になります。




 「牡丹」 ボタン科の落葉小低木で、枝分かれした先に豪華な花をつけます。原産の中国名も牡丹。別名は「富貴草」「富貴花」「百花王」「花王」「花神」「花中の王」「百花の王」「天香国色」「名取草」「深見草」「二十日草(廿日草)」「忘れ草」「鎧草」「ぼうたん」「ぼうたんぐさ」など多数あります。日本では元禄時代から栽培が盛んになりました。



「百合」 ユリ科の多年草で、
和名の由来は、茎が高く風に揺れる様子から「揺り」であるとされています。
日本では、ヤマユリ、コオニユリ、オニユリの3種がその鱗茎(ユリ根)を食用とするため商業栽培されています。




これらの花の特徴から「まるで、女性の美しい立ち振る舞いは 芍薬のよう、女性が優雅に座っている姿は牡丹のよう、女性が軽 やかに歩く姿は風に揺れる百合のよう」というたとえに繫がり、 この諺が誕生したと考えられているようです。

【由来】
花の咲いている状態をそれぞれの姿 勢にたとえたというものです。
芍薬の花は、まっすぐに 伸びた茎の上に咲き、牡丹は、横向きに伸びた枝の先に花を咲か せ、百合は、茎を高く伸ばし、筒状の花をそよ風に揺らして咲く ところから、「立つ」、「座る」、「歩く」、それぞれの姿勢に当ては めたとも言われています。
また、これらの花を鑑賞するのに適した姿勢から共言われています。芍薬は立って上から見ると見やすい、牡丹は 横から見るのがよく、百合は歩きながら見るのが美しいという ものです。

【いつごろから?】
江戸中期の洒落本『無論里(ろんのないさと)問答』には「踊の歌にいはく立ば芍薬座居(とい)すりゃ牡丹あるき姿は山丹(ゆり)の花」と見えるので、舞踏歌に発したもののようである。」との記述があります。
延享5年(1748年)の『延享五年小哥しやうが集』但馬国豊岡周辺で歌われていた民謡や流行歌謡を書き留めた写本にも記載が見えます。
また、文化年間(1804~1818)の『音曲神戸節』都々逸の中に、立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花とあります。神戸節は兵庫県の神戸ではなく、尾張国熱田の遊里であった神戸町に流行した歌謡です。

江戸時代の寛政の『譬喩尽(たとえづくし)』や幕末から明治初期の『世俗俚諺集』、幕末から明治初期の『諺臍の宿替(ことわざへそのやどがえ)』に記載があり、一番古い記載である寛政年間にはこの言葉はあったと考えられます。

都々逸「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」

https://youtu.be/qQRng8Mst4E?si=DST4GzdTB30jmcsE

【生薬としての立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花】
美人を表す言葉と思っていましたが、それだけではなく、元々は生薬の用い方をたとえたものだそうです。
漢方薬は数種類の生薬を混合し煎じたものです。それぞれの生薬は特有の薬効を有しており、症状に応じて適したものを用います。

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「立てば芍薬」の”立てば”はイライラとし気のたっている女性を意味し、芍薬により改善されます。芍薬の根を使うのですが、痛みを取ったり、筋肉のこわばりを取ったりします。「座れば牡丹」の”座れば”はペタンと座ってばかりいるような女性を意味し、それは「お血(おけつ)」(お=やまいだれ+於)が原因となっていることもあります。

 「お血」とは、漢方で症状を表現するのに用いられる言葉のひとつで、腹部に血液が滞った状態を意味します。「お血」は牡丹の根の皮の部分(牡丹皮・ぼたんぴ)により改善されます。「歩く姿は百合の花」は百合の花のようにナヨナヨとして歩いている様子を表現しており、心身症のような状態を意味します。その場合には百合の球根を用います。
 このように、それぞれの症状に合った生薬を用いると健康になれます。つまり、「立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花」は、健康な女性は芍薬・牡丹・百合の花のように美しいという意味かと思います。

生薬としての芍薬、牡丹、百合、芍薬
 ボタン科の芍薬の根を乾燥したものです。皮を除去したものを白芍(びゃくしゃく)、皮付きのものを赤芍(せきしゃく)と称します。北海道でも栽培され、調製加工後に出荷されています。芍薬の「芍」は薬の意味です。「芍薬」は「薬の中の薬」という意味なのでしょう。鎮痛、鎮痙薬。 筋肉とくに腹直筋を緩和します。「当帰芍薬散」、「芍薬甘草湯」などの婦人に処方されることが多い漢方薬に配合されています。

牡丹
 ボタン科の牡丹の根皮を乾燥させたものです。牡丹の花は豪華なので、中国では花王と賞されています。牡丹は中国の国花とされていた時代もあり、詩歌で詠まれ絵画に描かれ愛でられてきました。独特の芳香を有し、鎮静、鎮痛、駆お血薬として婦人科疾患などに用いられます。「大黄牡丹皮湯」、「桂枝茯苓丸」などに配合されています。

百合(びゃくごう)
 ユリ科の百合(多種類が用いられている)の鱗茎の鱗片を乾燥させたものです。消炎、鎮咳、利尿、鎮静薬として用いられます。中国の後漢時代の中医学者である張仲景は、百合の精神安定薬的な効用を示しました。「百合知母湯」、「百合地黄湯」などに配合されます。

この項出典
北海道立衛生研究所

https://www.iph.pref.hokkaido.jp/charivari/2007_10/2007_10.htm

【京都の芍薬、牡丹、百合】
○京都芍薬名所
本満寺
善峯寺
京都府立植物園

○京都牡丹の名所
本満寺
乙訓寺
建仁寺
京都府立植物園
常照皇寺
大原野神社

○京都百合名所
京都府立植物園

今年の牡丹のシーズンは終了しました。七十二候とは少し時間差がありますね。

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どうぞ、今日もお元気で笑顔で楽しい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

○ 春の特別公開(〜6/16)/大徳寺塔頭 興臨院 

○十三まいり(〜5/13)/法輪寺

○ 花の天井 春の特別公開& 椿を愛でる会(〜5/6)/平岡八幡宮

○ 春の特別展とライトアップ(〜5/6)/高台寺

○ 春の特別展とライトアップ(〜5/6)/圓徳院


○ 春の特別公開(〜5/16)/弘源寺

○ 春の特別公開(〜6/30)/宝厳院


○ 男山桜まつり(〜4/30)/石清水八幡宮

○ 春の特別拝観(〜5/6)/銀閣寺

○ 霊宝館の春期特別展(〜5/6)/醍醐寺

○春の特別公開(〜5/25)/東寺

○ 伏見名水スタンプラリー(〜5/31)

○ 春の特別拝観(〜6/2)/相国寺

○ 特別入山期間 御室花まつり(〜5/6)/仁和寺

○ 霊宝館春季名宝展(〜5/6)/仁和寺

○つつじと新緑の特別庭園公開(〜5/7)/正伝永源院 

○ 御土居の青もみじ(〜6/30)/北野天満宮

○ 令和6年 第150回記念公演都をどり(〜4/30)/祇園甲部歌舞練場

○ 建礼門院寺宝展(〜5/10)/長楽寺

○ 霊宝館春季特別公開(〜5/31)/清涼寺

○春の特別拝観(〜6/16)/瑠璃光院 

○ つつじ園 開園(〜5/12)/三室戸寺

○不動大祭(〜5/15)/三千院

○ 大原女(おはらめ)まつり
(〜5/19)

○春の特別公開(〜5/5)/壬生寺

○ 薫風寺宝展(4月27日~29日、5月3日~6日)/六道珍皇寺 

○ 春の特別拝観「~新緑遊び~」(〜5/6)/東福寺塔頭・即宗院 

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