今日の京都1月28日(日) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
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おはようございます。
昨日、京菓子のことから有職故事という言葉が出てきました。
この有職とはどんなことなのでしょうか。

「有職」と書いて「ゆうそく」と読みます。
デジタル大辞泉(小学館)では、
①朝廷や公家の儀式・行事・官職などに関する知識。また、それに詳しい人。
②学識のあること。また、その人。学者。「いと―の物のかぎりなむなりかし」〈宇津保・嵯峨院〉
③諸芸にすぐれていること。また、その人。「―のおぼえ高きその人」〈源・若菜下〉
④教養・才知・家柄・容貌などのすぐれていること。また、その人。
「およそ何事にも―に」〈大鏡・実頼〉
【有職とは】
有職と使われる場合、特に、宮中の儀式、行事、祭礼などにおける衣裳、調度、用具、飲食などをしきたりに基づいて執り行うことをさします。有職は有識とも表します。このように、「知識が有る」ことを意味しています。

【有職故実とは】
有職故実という言葉があります。「故実」は礼式の手本となる過去の事例を表します。このように有職は京都の宮廷文化の中で生まれ、千二百年の時を超えて今日まで脈々と受け継がれてきました。日本の心、和の美意識を象徴するのが有職であり、正統の證とも言われています。

有職故実には二つの故実があります。

○公家故実
平安時代の中期から先例を伝える知識の体系化が進みました。藤原忠平の執政期に儀礼の基本形が確立しました。忠平は本康親王・貞保親王を通じて受け継いだ父藤原基経の知識、兄藤原時平の説、勅命や外記日記を参照して合理的な儀礼体系を作り上げました。忠平の知識は口伝によって二人の子に受け継がれ、兄実頼の小野宮流、弟師輔の九条流という2大儀礼流派が生まれ、有職の祖とされています。
もっとも古い儀式書としては「内裏式」「九条年中行事」「禁秘抄」などが残されています。貴族たちも儀式や祭礼に関する決まりごとをこと細かに記し、その知識を受け継いでいきました。その後、有職故実を家職とする家(徳大寺家(九条流)、大炊御門家(御堂流))も現れました。

○武家故実
平安時代には、武人の故実(武官故実)は、紀氏と伴氏が伝えていました。しかし、武士の台頭とともに衰えていきました。
鎌倉時代には、公家にならって武家でも有職故実を大切にするようになります。源頼朝が故実に通じた武士を重んじ、故実の復元を図りました。
以降、京都から断片的に流入した武官故実と関東在来の武士の慣習が合わさって、武家故実が体系化されていきました。武家故実の中でも弓馬や軍陣における実践的な故実と幕府や主君の前における儀礼や作法などの故実が存在しましたが、戦法の変化によって前者は形式的なものになったのに対して、後者は公家故実とも融合して、室町時代に小笠原流や伊勢流が生まれた。

【有職が使われている言葉】
○有職家(ゆうそくか)
朝廷や公家の儀式や行事の典故に通じている人。故実家。

○有職故実(ゆうそく‐こじつ)
朝廷や公家の礼式・官職・法令・年中行事・軍陣などの先例・典故。また、それらを研究する学問。平安中期以後、公家や武家の間で重んじられました。

○有職文様(ゆうそく‐もんよう)
平安時代以来、公家階級で装束・調度などに用いられた伝統的文様。他の分野の文様と区別して、近世以降この名でよばれる。小葵 (こあおい) ・窠文 (かもん) ・幸菱 (さいわいびし) ・三重襷 (みえだすき) ・唐草文様・立涌 (たてわく) などがあり、隋・唐から伝えられた文様を和様化したもので、日本の文様の基調をなしています。

○有職読み(ゆうそく‐よみ)
中世の歌学で、歌人の名を音で読むこと。またはその読み方。藤原俊成 (としなり) を「しゅんぜい」、藤原定家 (さだいえ) を「ていか」と読むなど。また、近代にそれをまねて有名人の名を音読すること。伊藤博文 (ひろぶみ) を「はくぶん」、川端康成 (やすなり) を「こうせい」と読むなどです。

この項出典デジタル大辞泉

【有職はどのような分野て使われているのか】
⚫︎有職料理



『有職料理萬亀楼』が京都の数ある料亭の中でも著名な理由として、食の儀式『生間流式庖丁』を正式に継承する唯一の料亭であることがあげられる。この"式庖丁”とは、平安時代より2000余年続く歴史ある食の儀式であり、大きな俎板の上で魚や鳥を直接手を触れることなく庖丁刀と真名箸で切り分け、瑞祥表現する一子相伝の儀式である。この儀式は事前に予約をすれば、別料金で食事の前に見ることが出来ます。
ホームページより
⚫︎有職菓子





『有職菓子御調進所 老松』
有職菓子御調進所 老松は、明治41(1908)年に京都でも最も歴史の古い花街である上七軒で創業した京菓子屋です。菓子は、人と人との間をとりもつコミュニケーションツール。京都をつなぐ無形文化遺産「京の菓子文化」を通して、京都の歴史と文化をお伝えします。
ホームページより
⚫︎有職人形



『有職御人形司伊東久重』
「後桜町天皇」より明和四年(1767)、庄五郎は朝廷に仕える人形師として御所入りを許され、さらに代々その名を名乗るようにと「有職御人形司 伊東久重」の名を下賜されました。
ホームページより
⚫︎有職造花


『有職雲上流造花 村岡松華堂』
有職造花は平安時代に伝統行事のお飾りとして宮中に納められていました。
その他にも伊勢神宮や春日大社などの神社や寺院の荘厳にも使われてきました。
結納の島台



や祝賀の席での奈良蓬莱、蓬莱飾りの需要もありました。

 一般的に知られるところでは雛人形の「 桜、橘 」でしょうか。
雲上流の「桜、橘」は京人形職人の最高の雛人形しか使われません。

その他にも
⚫︎有職雛人形
⚫︎有職野菜
など使われています。

【有職と皇室(宮内庁)御用達との違い】
皇室(宮内庁)御用達という言葉があります。両方とも、皇室や御所などにお品を納入することは同じですが、有職が古式からの決まりごとに則って作られた品物に対して、御用達は吟味された品ではありますが、そこに決まりごとに則ってということはありません。
御用達はひとつのステータスにされることもあり、日本の皇室では1954年(昭和29年)に御用達の制度廃止されています。

なかなか有職と言われてもわからないこともたくさんあります。有職衣紋(装束着付け)もとても奥深いです。折に触れて、いろんなところで有職に出会ったら、まずはどんなことなのかを気にかけるというのも大切ですね。
また、追記などありましたら、コメントお願いします。

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どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年1月28日(日)】(No.3359)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

今日28日は不動明王の縁日です。毎月ご縁日はあります。その中でも一年で最初の縁日は「初不動」と呼ばれています。


東寺不動明王


同聚院不動明王


【不動明王とは】
五大明王の一つです。「明王」の中では最強の鬼神とされる尊格で、大日如来の化身とされます。大火炎の中に座し、剣と縄を持っています。
「お不動様」「お不動さん」の名で親しまれ、「大日大聖不動明王(だいにちだいしょうふどうみょうおう)」「無動明王」「無動尊」「不動尊」などとも呼ばれています。 
その起源は釈迦が成道の修業の末、悟りを開くために「我、悟りを開くまではこの場を立たず」と決心して菩提樹の下に座しました。その時、世界中の魔王が釈迦を挫折させようと押し寄せたのです。しかし、釈迦は穏やかな表情のまま魔王たちをたちまちに超力で降伏したと伝えられています。不動明王はその際の釈迦の内面を表現した姿であるとも伝えられています。
その姿は、右手に降魔の利剣を、左手に縄(羂索)を持ち 火炎(迦楼羅焔)を背にして巨岩(瑟々座)に乗り、猛々しく怒った顔(忿怒形)をしています。
粗雑な長髪を束ねて左側に垂らし、青黒い肌である容姿から、 インド系神話の守護神シヴァが原型と見られるともいわれています。
不動明王は酉年生まれの守り本尊です。


○金色不動尊初縁日護摩供/三千院



三千院のお不動さまのご縁日にあたる毎月28日の中でも、特に正月28日の初縁日は「千日参りの日」と呼ばれます。「千日」お参りするのと同じ功徳を授かり、一年間の開運が約束されると伝わります。
日程1月28日
時間11時〜
アクセス
地下鉄烏丸線「国際会館駅」から京都バス「大原」~徒歩10分、またはJR「京都駅」から京都バス「大原」~徒歩10分
ホームページ
http://www.sanzenin.or.jp/event/

○初不動・ガン封じ笹酒無料接待/狸谷山不動院



毎月28日は“お不動さんの日”。一年の初めての縁日で、“狸谷飲み放題”といわれるガン封じの笹酒の無料接待が行われます。
大護摩供養は11時より、護摩の火で温めた笹酒の接待は、9時より15時までです。
日程1月28日
時間
9:00~16:00
アクセス
市バス5「一乗寺下り松町」
ホームページ
http://www.tanukidani.com/

○初荒神/護浄院



通称清荒神(きよしこうじん)と地元の人に親しまれています。
本尊は清三宝大荒神やきよしさんぽうだいこうじん)という荒神様です。
仏の教えを守りながら不浄や災難を除去する神様で、神仏習合の名残から、お寺なのに神様を祀るという形が残っています。 
日程 1月28日
時間午前10時と14時より本尊荒神尊宝前で荒神大護摩供奉修
アクセス
市バス荒神口徒歩5分

○蓬莱船(1/1〜2/3)/上賀茂神社

○ 京都十二薬師霊場会(〜1/31)

○ 都七福神めぐり(〜1/31)

○ 京都十二薬師霊場会(〜1/31)


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