今日の京都1月26日(金) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。今回の寒波は大変でした。ただ、雪景色は綺麗で、思わず見惚れてしまいました。まだまだ影響も残っています。道路も凍結しているところもありますし、積雪の多かったところはまだまだ雪も残っていると思います。どうぞ、お気をつけてください。


さて、今日は、806年に、
最澄の天台宗が公認された日です。
平安時代の日本の仏教の二大勢力と言われる天台宗と真言宗です。
天台宗(てんだいしゅう)は大乗仏教の宗派のひとつです。天台教学は中国に発祥し、遣唐使として入唐した最澄(伝教大師)によって平安時代初期(9世紀)に日本に伝えられ、多くの日本仏教の宗旨がここから展開しました。



最澄
出典Wikipedia

この時代、すでに日本には法相宗や華厳宗など南都六宗が伝えられていましたが、これれの宗派は中国では天台宗より新しく成立した宗派でした。
奈良時代、律宗と天台宗兼学の僧鑑真和上が来日して天台宗関連の典籍が日本に入りました。次いで、伝教大師最澄(767年-822年)が延暦23年(804年)から翌年(805年)にかけて唐に渡って天台山にのぼり、天台教学を受けた後、日本に帰国した最澄は天台教学を広め、翌年(806年)1月に天台法華宗として認められたのが日本における天台宗のはじまりといわれています。
最澄は日本へ帰国後、比叡山延暦寺に戻り、後年円仁(慈覚大師)・円珍(智証大師)等多くの僧侶を輩出しています。その後、最澄はその教義から奈良仏教との論争が起きます。特に福島県会津地方にその当時、京都、奈良に匹敵するような仏都を作りあげていた法相宗の徳一との三一権実諍論の論争は有名です。

さらに最澄の弟子の源信が著した「往生要集」が、後の浄土教の発展につながりました。平安時代末期から鎌倉時代初めにかけては、法然や栄西、親鸞、道元、日蓮といった各宗派の開祖たちが比叡山で学んだことから、比叡山は「日本仏教の母山」と呼ばれるようになりました。

【最澄と空海】
最澄と空海は、同じ時期に遣唐使として、唐へ渡り、仏教を学びました。
帰国後、最澄は天台宗を、空海は真言宗を起こします。



空海
出典Wikipedia

その当時の都は現世利益も重視する密教、あるいは来世での極楽浄土への生まれ変わりを約束する浄土教(念仏)に関心を寄せていました。そのため、天台教学よりも密教が求められ、密教を本格的に学んで来なかった最澄は空海に密教の教えを請うことになります。神護寺に空海の直筆の記録が残っています。神護寺に行かれたらご覧になってください。

これは「高雄灌頂」と言われるものです。
神護寺にて、空海が密教の入門儀式である結縁灌頂を行った手控えで、弘仁3年(812)11月、12月、翌年3月の三回分の記録です。

⚫︎弘仁3年(812年)の冬11月15日と12月14日、弟子の泰範、円澄、光定らと高雄山寺におもむき、空海から灌頂(かんじょう)を受けました。

⚫︎813年1月、泰範、円澄、光定を高雄山寺の空海のもとに派遣して、空海から密教を学ばせることを申し入れ、3月まで弟子たちは高雄山寺に留まった。しかし、このうち泰範は空海に師事したままで、最澄の再三再四にわたる帰山勧告にも応ぜず、ついに比叡山に帰ることはなく、その後空海の十大弟子の一人となります。このことが最澄、空海が決別する原因のひとつとなりました。
そのことに思いを寄せると、この手控えはとても重く感じられます。
結縁者の筆頭に最澄の名が記されているのも印象的です。



神護寺金堂



神護寺金堂に展示されている高雄灌頂
************************************************************************************************************************************

また、今日は「文化財防火デー」です。
文化財防火デーの制定は,昭和24年1月26日に,現存する世界最古の木造建造物である法隆寺(奈良県斑鳩町)の金堂が炎上し,壁画が焼損したことに基づいています。

法隆寺金堂壁画



出典Wikipedia

この事件は国民に強い衝撃を与え,火災など災害による文化財保護の危機を深く憂慮する世論が高まり,翌昭和25年に文化財保護の統括的法律として文化財保護法が制定されました。
その後,昭和29年11月3日に法隆寺金堂の修理事業が竣工し,文化財保護行政も確立するとともに,文化財保護思想の一層の強化徹底を図るために普及啓発事業が行われるようになりました。その一環として,法隆寺金堂の焼損した日であること,1月と2月が1年のうちで最も火災が発生しやすい時期であることから,昭和30年に,当時の文化財保護委員会(現在の文化庁)と国家消防本部(現在の消防庁)が1月26日を「文化財防火デー」と定め,文化財を火災,震災その他の災害から守るとともに,全国的に文化財防火運動を展開し,国民一般の文化財愛護に関する意識の高揚を図っています。
出典文化庁ホームページ

時期、各地で文化財の防火訓練が行われます。
京都では毎年、いろいろな寺院で順番で防火訓練が行われ、迫力のある放水訓練が見られます。
今年は西本願寺で放水訓練が行われます。
西本願寺での文化財防火訓練
場所: 西本願寺御影堂
日時:令和6年1月26日(金)10:00開始
訓練想定
放火により御影堂から出火したという想定で合同消防訓練を実施します。
 ア 西本願寺自衛消防隊による通報、初期消火及び避難誘導訓練
 イ 文化財マイスターによる避難誘導訓練
 ウ 公設消防隊等による文化財搬出及び放水訓練
 エ 消防ヘリコプターを活用した情報収集及び情報伝達訓練
 オ 西本願寺自衛消防隊、下京消防団及び公設消防隊による一斉放水訓練






数年前の清水寺での訓練の様子です。

https://youtu.be/6SCnW60AxCA

冬場で乾燥も続いているので、どうぞ、火の用心に心がけてください。

************************************************************************************************************************************
どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年1月26日(金)】(No.3357)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143


○蓬莱船(1/1〜2/3)/上賀茂神社

○ 京都十二薬師霊場会(〜1/31)

○ 都七福神めぐり(〜1/31)

○ 京都十二薬師霊場会(〜1/31)


#京の歳時記
#天台宗
#最澄
#密教
#台密
#空海
#真言宗
#真言密教
#神護寺
#灌頂
#文化財防火デー
#法隆寺金堂壁画