今日の京都1月3日(水) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。

昨日は、能登半島の地震の被害が少しずつわかってきて、大変な被害となりました。まだ、被害の全容はわかってはいませんが、これ以上の被害は大きくなりませんように。
と、思っていたら、羽田空港での日航機と海上保安庁機との衝突、炎上。海上保安庁の方に、5人の方がお亡くなりになっていました。
地震も事故もお亡くなりになられた方のご冥福をお祈りします。
胸がざわつく新年です。

さて、新しい年となって3日、もう3日なのか、まだ3日なのか。まだ、令和6年、2024年が板につかず、昨日は間違ってしまいました。

昨日は、箱根駅伝(正式には東京箱根間往復大学駅伝競走)の往路をずっとテレビ観戦していました。途中、江ノ島越しの富士山がとても綺麗でした。今日も復路の観戦をしてしまいそうです。


さて、お正月にお雑煮は召し上がられましたか?

そういえば、結構いい尽くされてはいますが、お雑煮。
これだけで、論文がかけるのではないかという、れっきとした日本文化のひとつです。これほどまでに、日本の地域性、歴史が密接にかかわっているのは、他にはありません。

【お雑煮の歴史】



お正月に食べるお雑煮の歴史は古く、始まりは平安時代だといわれています。餅は古くから農耕民族である日本人にとって、お祝いごとや特別な「ハレの日」に食べる「ハレ」の食べ物でした。年神様に供えた餅や里芋、にんじん、大根などを、その年の最初に井戸や川から汲んだ「若水」と、新年最初の火で煮込み、元旦に食べたのが始まりといわれています。雑煮の語源は「煮雑ぜ(にまぜ)」で、色々な具材を煮合わせたことからきています。
その始まりはよくわかっていませんが、1497(明応6)年に成立し、室町時代の食膳の調え方を説明した『山内料理書』の「夏肴くみ之事」に、来客に最初に出す料理は“焼物と五種のけづり物、雑煮である”と書かれており、この時代には「雑煮」という呼称があったことから、室町時代には貴族や武家など上流階級の間で、縁起のよい食事、祝いの食事として定着していたようです。
それを裏付けるように京都の相国寺の院主が残した日記にも、1488(長享2)年の元旦に餅と豆腐、芋、なずな、昆布を煮た雑羹(ぞうこう)を食べたと記されています。「羹」は「あつもの」と読み、具材を煮たお吸い物を意味します。つまり雑羹はお雑煮のことで、室町時代には、正月にお雑煮を食べる風習がすでにあったと考えられます。

その雑煮が庶民に広まった時期は定かではありません。江戸時代の後期といわれています。
喜田川守貞が江戸時代後期に記録した『守貞謾稿』に書かれた京都、大坂(当時の表記では大阪ではなく大坂です)、江戸の風俗を「元日、二日、三日、諸国ともに雑煮を食ふ」と書かれています。このことから、すでにこの時期、正月三が日には、全国的にお雑煮が食べられていたことがわかります。
また、この『守貞謾稿』には「雑煮、本名を『ほうぞう』と云ふなり。五臓を保養するの意にて、保臓と書すなり」と書かれています。お雑煮の本名が保臓であるという説もありますが、その根拠はわからないものの、体に良いものと認識されていたようです。また、京都、大坂、江戸それぞれのお雑煮についても具体的で、京都のお雑煮には「芋魁(かしらいも)」を加えると書かれています。芋魁とは里芋の親芋のことで、大坂のお雑煮は味噌仕立てで、焼いた丸餅、小芋、焼き豆腐、大根、干し鮑が入っていたと。江戸は、鰹だしを醤油で味付けしたもので、具は小松菜が使われたと書かれています。
明治になり、儒教精神が重んじられるようになり、お雑煮は「家のもの」と考えられ、「嫁は家の雑煮の味を引き継ぐべし」とされました。しかし現代では家の味にはこだわらず、それぞれの実家のお雑煮に手を加え、また好みでアレンジも加えられています。そのため、大まかな地域の特性はあるものの、家庭、いや、人の数だけお雑煮の種類はあるとも言われています。

【全国のお雑煮】






お雑煮の種類は、大きく分けると、宮廷文化の伝統が色濃く残る関西では丸もちで味噌仕立て、武家の支配が長かった東日本は角もちにすまし汁が多いといわれますが、そのもちも焼いたり煮たり違いはさまざまです。よく知られているものだけでも、その種類は100を超えるほど多様です。

ここでは、主なお雑煮についてご紹介します。

○北海道のお雑煮



砂糖入りで甘めのすまし汁
鶏ガラだし雑煮

北海道は明治以降、開拓団として、日本の各地から移住されたことから、雑煮の種類も多種多様です。札幌では主に鶏がらベースで、焼いた角餅が入っています。具材は鶏もも肉、大根、にんじん、ごぼうの千切りなど。砂糖が入っていて少し甘いのが特徴です。

○東京のお雑煮



コクのあるすまし汁
東京江戸雑煮

かつおと昆布のだし汁に、焼いた角餅が入っています。具材は鶏もも肉、しいたけ、小松菜、にんじん、三つ葉など。醤油、みりんをしっかり効かせるのが特徴。関東風雑煮とも呼ばれていて、関東の広い地域で「東京江戸雑煮」と似たものが食べられています。

○名古屋のお雑煮



角餅と餅菜だけのシンプル雑煮
名古屋雑煮

餅は焼かずに、かつおだしで煮て柔らかくします。戦国時代の激戦地であったことから、白い餅を焼くことが「城が焼ける」ことにつながり、縁起が悪いとされたためです。具材は餅菜(小松菜の仲間)。醤油、塩で味を調えて、かつお節をのせるだけのシンプルなもの。愛知県内はもとより、近隣の広い地域で食べられています。

○京都のお雑煮



具材はすべて丸く切る
白味噌雑煮

かつおと昆布だしを使った白味噌仕立て。焼かずに煮た丸餅が入っています。具材は里芋、金時にんじん、大根など。これらはすべて丸く切り、「家庭円満」「物事を丸く収める」といった願いをかけています。
また、頭芋をそのまま使った雑煮もみかけられます。

○鳥取の雑煮



小豆を入れた雑煮
小豆雑煮

別の鍋で煮た丸餅を、甘い小豆汁に入れたもの。一般的なぜんざいに近いものですが、山陰地方ではこれが雑煮です。小豆の赤色には邪気を払う力があり、縁起が良いとされています。

○香川の雑煮



甘いあん餅が汁と相性抜群
白味噌あん餅雑煮

いりこのだし汁であん餅を煮て、白味噌で仕立てたもの。具材は里芋、金時にんじん、大根など。あん餅から小豆あんが溶け出して、独特のおいしさに。かつての高松藩の特産品で管理が厳しかった砂糖の「和三盆」を、庶民が役人にばれないようにあんこに練り込み、餅の中に隠して食べたのが由来といわれています。

○福岡県の雑煮



大きなブリが入っている
博多のブリ雑煮

別の鍋で煮た丸餅を、あご(干しトビウオ)のだし汁に入れたもの。具材はブリ、焼き豆腐、かつお菜(高菜の一種)、干ししいたけ、かまぼこなど。かつお菜は主に福岡県内で冬場に店頭に並ぶ、ほぼ雑煮専用の青菜。志賀島では、ブリの代わりにサワラを使います。

この項、写真出典
農林水産省全国のいろいろな雑煮
https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2001/spe2_03.html

○山形県酒田市周辺のお雑煮



圧倒的に角餅が多い東北にあって、日本海側の鶴岡市や酒田市などの庄内地域が丸餅文化圏となっているのです。これには江戸時代の、いわゆる北前船の交易によりもたらされた、京文化(丸餅圏)の影響があったと言われています。
庄内雑煮は、わらび、こんにゃく、厚揚げまたは油揚げなどを具材に、醤油ベースのスープ、そして丸いお餅を入れていただきます。さらに鶏肉を入れます。


みなさんはどんな雑煮を召し上がられましたか?
ちなみに我が家のお雑煮は、白味噌仕立て、
親芋と人参三つ葉。
お出汁は昆布、丸餅でゆでます。

ご家庭の数だけお雑煮の種類はあるとも言われます。これからもお雑煮はどんどん進化していくと思います。

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今日で年末年始のお休みが終わられる方も多いと思います。お正月気分も今日まで、明日からいつもの日常が戻ってきます。
さあ、お休みモードから仕事モードへと切り替えです。
どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
お仕事の方、お疲れさまです。行ってらっしゃい!

【今日の京都令和6年1月3日(水)】(No.3334)


※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143


○かるた始め式/八坂神社





能舞台で十二単姿のかるた姫達が、勢い良くかるたを取り合います。
祭神のスサノオノミコトが、和歌の神様であることに由縁する行事です。

日程1月3日 午後1時
場所八坂神社能舞台
料金無料
アクセス
京阪「祇園四条駅」から徒歩5分
京都市バス「祇園」より徒歩すぐ
ホームページ
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/ 

○初能奉納/八坂神社
新春を迎えた八坂神社の能舞台で、隔年で金剛流、観世流各家元による「翁」と「仕舞」の奉納が行われます。新しい年の幕開けにふさわしい、格調高く優雅な舞が披露されます。
日程1月3日  午前9時
場所 八坂神社 能舞台
アクセス
京阪「祇園四条駅」から徒歩7分、または地下鉄東西線「東山駅」から徒歩10分
料金 境内参拝自由
ホームページ http://www.yasaka-jinja.or.jp/ 

○修正会/東寺

御影堂にて厄除の御宝印を祈願し、堂内の柱、僧の頭に朱印を押していきます。その後、参拝者に御宝印が授けられます。
日程1月3日
時間13時
供養料:500円
アクセス
近鉄電車 東寺駅下車 徒歩約10分/市バス 東寺東門前下車すぐ/JR京都駅下車 徒歩約15分 

○初寅大祭/鞍馬寺



初寅大祭   新年始めての寅の日
毘沙門天から無量の大福を授かる.鞍馬山に毘沙門天が出現したのが
寅の月 (正月)、寅の日、寅の刻であったと伝わっています。
日程1月3日
昼頃甘酒御供養
アクセス
叡山電鉄鞍馬駅下車徒歩またはケーブルカー

○天満書(〜1/4)/北野天満宮

○ 皇服茶(~1/3)/六波羅蜜寺

○祓神楽(〜1/3)/城南宮

○初護摩(〜1/3)/狸谷山不動院

○新年年頭法要(〜1/3)/萬福寺 

○蓬莱船(〜2/3)/上賀茂神社


○祓神楽(~1/3)/城南宮

○ 京都十二薬師霊場会(〜1/31)

○ 伏見五福めぐり(〜1/15)

○ 都七福神めぐり(〜1/31)

○ 京都十二薬師霊場会(〜1/31)

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