今日の京都12月31日(日) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。

今日は大晦日です。
泣いても笑っても、令和5年、2023年は今日でお終いです。

俳句の季語で「去年今年」と書いて「こぞことし」という言葉があります。
大晦日の一夜にして去年と今年が入れ替わること。去年といい、今年というのでなので、年がすでに改まった新年の季語だそうです。

「若水や流るるうちに去年ことし」
千代女「千代尼句集」

○ 大晦日、大晦
1年の終りの日。
月末のことを晦日・晦と言い、年末の最後の晦日なので大晦日・大晦といいます。「みそか」は三十日の意味です。「つごもり」は月篭りが転じたもので、旧暦では毎月1日が新月であり、その前日を「つごもり」と呼びました。

○除夜
大晦日の夜のこと。かつては一年の神「歳神」を迎えるために朝まで眠らずに過ごす習慣がありました。
除夜には各家庭で年越し蕎麦が食べられ、寺では除夜の鐘が撞かれます。
除夜の鐘は108回撞かれます。眼・耳・鼻・舌・身・意の六根のそれぞれに苦楽・不苦・不楽があって18類、この18類それぞれに浄・染があって36類、この36類を前世・今世・来世の三世に配当して108となり、これは人間の煩悩の数を表すとされています。また、月の数12、二十四節気の数24、七十二候の数72を足した数が108となり、1年間を表しているとの説もあります。

今日は、京都八坂神社で白朮詣りがあります。
【白朮(をけら)詣りとは】



大晦日12月31日の夜7時から行われる除夜祭の終わった後、境内3か所に設けられた「白朮火授与所」の「をけら灯籠」に本殿内から「白朮火」が移されます。(境内の「をけら灯籠」では参拝者の願意が書かれた白木の「をけら木」が大晦日午後7時過ぎから元日早朝まで焚かれます。)

境内3か所の「をけら灯籠」の火を竹でできた火縄(吉兆縄)にうけて帰り、無病息災を願って神棚のロウソクの火をつけたり、雑煮を炊く火種とします。これを「をけら参り(をけら詣り)」と言います。
昔、おけら火を家に持ち帰る途中、知った人に出会って悪口を言っても
その晩は許されたので、悪口参りとも言われたそうです。
⚫白朮祭

元日1月1日午前5時から本殿で白朮祭の神事が行われます。この時に本殿前において片木(へぎ)に載せられた鉋屑(かんなくず=削り掛け)に点火して疫気邪気を祓い、本殿前の地面(石畳)に投げ落とされます。この鉋屑には生薬の白朮(をけら)=オケラ (植物) が混ぜられており煙から独特の匂い(芳香)がします。この火を火縄に移し持ち帰ることもできます。
なお、燃え残った火縄は「火伏せのお守り」として、台所に祀ります。 

古式にのっとって火きり臼と火きり杵できりだされた御神火は、大晦日の午後7時、除夜祭斎行ののち、宮司以下祭員によって、境内に吊された灯籠にともされ、人びとの願いを記した「をけら木」とともに、夜を徹して(大晦日午後7時半頃~元旦早朝まで)焚かれます。

移した火を消さないように火縄をくるくると回しながらの「をけら詣り」は京都のお正月を代表する風物詩です。持ち帰った「をけら火」を神棚の灯明に灯したり、雑煮を炊く火種に用いるなどして新年を祝います。 燃え残った火縄は「火伏せのお守り」として、台所にお祀りします。

白朮祭は元旦の午前5時に斎行される新年最初の祭典です。 折敷(おしき)13膳に削掛(けずりかけ)と乾燥させた白朮の根を混合して盛り、それに御神火を点じ御本殿正面から境内に向け撤します。



出典Wikipedia

⚫植物おけら



無病息災の薬草「おけら」と呼ばれています。
写真引用植物図鑑『植物の話あれこれ』

おけら火に焚かれるのが、このおけらの根茎です。

おけらは、また、屠蘇散の主薬です。正月元旦に、屠蘇散を入れた酒を、無病、息災を祈って一家全員で飲む風習は今も残っています。また、おけらを焼いた煙に浴すると、その人から邪気が払われるとも言われています。大晦日の夜、悪鬼を追い払い、疫病を除く行事である追儺(ついな)に供える餅におけらの根茎が入れられたりします。

このようにオケラという薬草は、その薬効から派生して人々の無病息災を祈願するのに用いられたようです。 

参考 ハーブの館
植物図鑑
『植物の話あれこれ』
引用写真

⚫をけら詣りの火縄について



をけら詣りで、使う火縄はどこでどのように作られているか、ご存知でしょうか?
大みそかから元旦にかけての八坂神社の「をけら詣(まい)り」に使う竹製の火縄は三重県名張市上小波田(かみおばた)の地区で作られています。火縄は無病息災を祈り、灯籠(とうろう)の火を移す「吉兆(きっちょう)縄」として親しまれています。

をけら詣りは江戸時代に始まったとされます。参拝者が灯籠(とうろう)の「白朮火(をけらび)」を火縄に移し、火を消さないよう、くるくると回して持ち帰り、自宅で雑煮の火種などに用います。
名張市教委によると、上小波田の火縄作りは江戸時代の1671(寛文11)年の文献に記載があります。きっかけは、地元の「新田用水」の大池の堰(せき)が集中豪雨で決壊。被害を受けた集落に対し、伊賀国の藤堂藩が災害復旧策として、火縄作りを住民に任せたとされます。

上小波田では、戦後間もない頃は約20戸が火縄を伝承していました。一人前になるのに10年ほどかかるそうです。
作り方は、まず、真竹を専用のナタでリズム良く、幅約2センチにそぎ落とします。そいだ竹片を数本を結って火縄(約3メートル30センチ)を作ります。八坂神社によると、かつては名張の火縄組合で約1万本を神社に納めていましたが、今では1人になったため800本しか納められなくなっているそうです。なお現在は神社がまとめて仕入れ、露天商に卸し、1本1000円程度で売られています。

八坂神社は「竹製の火縄は火が長く続くので、祭りに欠かせない。今は岩崎さんにお願いしているが、神社側でも後継者づくりを模索している」と危機感を募らせているそうです。

5年前の4月に名張市教育委員会は京都・八坂神社の年越し行事「おけら詣(まい)り」で使われる同市上小波田地区の火縄の製造技術を市無形民俗文化財に指定しました。

https://www.city.nabari.lg.jp/s010/110/080/010/2017/05/300101/P02.pdf

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また、今日は
「ニューイヤーズ・イヴ」とも呼ばれます。
1年の終わりの日は、新しい年が明ける前日でもあるのです。
そして、
「シンデレラデー」とも呼ばれます。これは、夜の12時までに帰らなければならないシンデレラのように、1年で一番、日付の変わる夜の時間が気になる日でもあるからだそうです。

また、6月30日の夏越しの祓と同じように
罪穢れを祓い清める神事です。6月の夏越しの祓に対して、12月の祓は大祓と呼ばれています。

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いよいよ大晦日。
みなさま方にとって今年はどのような年だったでしょうか。
今年、ずっとコロナの影響での行動制限も五類に移行することに解除され、日常が戻って来ました。お祭りやイベントも制限なく開催されました。京都も観光客が溢れ、インバウンドも戻って来て、オーバーツーリズムも問題となってきました。コロナ禍のしんとした京都の街からは想像もできない状態になりました。
嬉しい悲鳴ですが。
なんとか、うまく共存できる方法はないでしょうか。

今年の漢字には「税」が選ばれました。インボイス制度、定額減税、新NISAなど、税にまつわる話題も多かったです。
そして、2位になったのが「暑」。とにかく暑い夏でした。40度以上の酷暑も多く記録されましたし、いつまでも暑さが続きました。
今までは地球温暖化と言われていめしたが、地球沸騰化とも言われるようになりました。
四季がはっきりして、それが日本の文化を作っていると言っても過言ではありません。気候も安定して、四季折々の美しい日本を味わえたらと思います。

さて、今年もこの歳時記をお読みいただき、ありがとうございました。今年は、丸9年、2月には通算三千回を迎えることができました。休むことなく欠けることなく書き続けられたことありがたいことです。これも、毎日お読みくださっている方々の後押しがあってのことだと思います。感謝です。
そして、3月には先日、テレビ番組情熱大陸で紹介された松本明慶大仏師、有斐斎弘道館で立命館大学教授、有職菓子司の老松さんの太田達先生、5月には永楽屋細辻伊兵衛伊兵衛商店、細辻伊兵衛美術館の細辻伊兵衛氏ににご講演をいただきました。食事会も開催し、延べ150人もの方々がご参加くださいました。
京都での開催でしたが、東北、九州からなど多くの方々がご参加くださいました。本当にありとうございました。
来年も、書き続けられるよう頑張りたいと思います。
また、よろしくお願いいたします。
来年11月に、書き始めて10年となります。ケジメとして何ができるのか思案中です。










どうぞ、みなさま方、ご健康でよいお年をお迎えくださいませ。

どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和5年12月31日(日)】(No.3331)

※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

中止になっている行事もあります。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○ をけら詣り/八坂神社

一年間の無病息災を願う、京都のお正月を代表する風物詩です。「をけら燈籠」に灯された、をけら火を吉兆縄に移し、消えないように回しながら持ち帰り、神前の灯明や正月の雑煮を炊くときの火種として使います。
大晦日から元旦にかけての参拝は、西楼門と北門から入り、境内にある案内表示の矢印の方向に進みます。
帰りは、東北門と玉光門が出口となります。 

日程12月31日
時間
大晦日19:30頃~1日5:00頃
大祓式15:00~
除夜祭19:00~
料金
参拝自由
※火縄 有料
アクセス
阪急「河原町駅」から徒歩10分
市バス「祇園」下車
ホームページ
http://web.kyoto-inet.or.jp/org/yasaka/ 

○ 火之御子社鑽火祭/北野天満宮



火の神である火之御子社で斎火をおこし、参拝者は火縄に点火して家に持ち帰ります。
日程12月31日
時間19:30~ 
火縄授与 22:00~
料金
火縄一本 500円
ホームページ
http://kitanotenmangu.or.jp/ 

○ 平安神宮・初詣

大晦日は終夜開門し、境内すべての燈篭に火を灯し、新春初詣期間中は神符守札授与所を増設して初詣の皆様をお迎えします。

12月31日~2021年1月1日
時間終夜~20:00
料金
参拝無料、神苑有料
アクセス
市バス5「京都会館美術館前」
ホームページ
http://www.heianjingu.or.jp/

○ 修正会「万燈供養」/蟹満寺

今昔物語集「蟹の恩返し」の縁起で知られる古寺、蟹満寺で、大晦日に修正会「万燈供養」が行われます。燈篭約600燈が境内を灯し、幻想的な雰囲気に包まれます。本尊で国宝の釈迦如来(白鳳時代作・丈六・金銅佛)が御開帳され、23時頃から當年納め行、釈迦法修行が執り行われます。元旦を迎えるとともに、開運厄除け観音大護摩供が厳修されます。
日程12月31日  
時間23:00~翌2:00
料金参拝無料 ※燈篭献燈/一燈500円
アクセス
JR奈良線「棚倉駅」から徒歩19分もしくはコミュニティーバス山城線「蟹満寺口」~徒歩9分
※行事終了後は、公共交通機関が終了していますのでご注意ください。

○例祭・清浄平穏参七福即生七難即滅
(お札お守り不可思議なり)
/源光寺地球御本尊根本中堂

○年越大祓・除夜祭/石清水八幡宮

知らず知らずのうちに身に付いた半年間の罪・けがれを祓う「年越大祓」神事。

○大祓式/上賀茂神社・伏見稲荷大社

○御影渡し・くいぬき式/八瀬八幡宮

○お終い参り/今熊野観音寺

○大根炊き/蛸薬師堂

○京都の除夜の鐘
http://www.e-kyoto.net/saiji/265 
多くの寺院では、除夜の鐘の鐘つきは僧侶だけのところが多くなっています。

○空也踊躍念仏(かくれ念仏)(〜12/31)/六波羅蜜寺

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