おはようございます。
今日から山科の安祥寺で、9月17日(土)から9月19日(月祝)の3日間、10月9日(日)から10月10日(月祝)、11月19日(土)から11月27日(日)に特別公開されます。
常は非公開のお寺です。初めて一般公開されたのが、2019年春(2019年4月26日から5月10日まで)の「京都非公開文化財特別公開」の一環として、本尊十一面観音像が初めて一般公開されました。
ですから、このお寺の存在もあまり知られていないかと思います。
とはいえ、平安時代仁明天皇の皇后、文徳天皇の生母である藤原順子皇太后による建立発願による寺院です。
【安祥寺とは】
山号を吉祥山、院号を宝塔院とよび、寺名を安祥寺です。真言宗の寺院です。
嘉祥元年(848年)、仁明天皇女御で文徳天皇の母・藤原順子(ふじわらののぶこ)の発願により、空海の孫弟子である恵運(入唐僧)によって創建されました。天皇の母に関係した寺であることから斉衡2年(855年)に定額寺となる。
この定額寺(じょうがくじ)とは、奈良・平安時代に官大寺・国分寺(国分尼寺を含む)に次ぐ寺格を有した仏教寺院。
安祥寺の造営がほぼ完了したと考えられる貞観の末(875年前後)には醍醐寺と同じように、裏の山にある「上寺」と麓にある「下寺」が存在しました。塔頭の坊舎七百余宇が駢列し、天智天皇陵以東山科一帯の山野に広大な寺領を有したと伝えられています。広大な寺領田園、所蔵の仏像、経典その他の什宝も夥しく、それらは恵運僧都の書かれた「安祥寺資材帳」(現在東寺蔵)に詳しく記載されています。
しかし、安祥寺の発願主であった順子が死去したあとは朝廷の庇護を失い次第に衰微していったようです。『小右記』ではすでに上寺に行く道が非常に荒れていることが記述されています。
現在、東寺観智院所蔵の「五大虚空蔵菩薩像」(重要文化財)は、恵運僧都が唐より請来し、安祥寺上寺の五大堂に安置されていたものです。永和2年(1378)に上寺を参詣した東寺の僧腎宝によって、台風で金堂が倒壊し、安置されていた五大虚空蔵菩薩も破砕し泥土にまみれているのを発見され、東寺に引き取り修理を加えて、観智院に安置するに至ったことが記録に残っています。
その後、上寺の方は延文年間まではかろうじて存続していたようですが、他の京都の多くの寺同様応仁の乱により、上寺・下寺共に完全に廃寺となってしまいました。
その後、江戸時代に残った寺宝を元に現在地に移転して再建されましたが、上寺の方は再建されず廃絶してしまいました。このときには高野山宝生院兼帯所となる。さらに、寺領のほとんどを寺の維持のために毘沙門堂門跡に売却、寺の規模は大幅に縮小されることになりました。江戸時代においても何回も火災に遭い、明治39年(1906年)には多宝塔を焼失、以後再建されていません。現在は江戸時代後期に再建された本堂、地蔵堂、大師堂のみが残っています。
【安祥寺の文化財】
安祥寺には国宝の「木造五智如来坐像 」5躯と重要文化財の御本尊「十一面観音立像」があります。
○ 木造五智如来坐像 (国宝)
西暦851年から854年ごろの造像とされています。現在地より北東約1.7kmにあった上寺(山上伽藍)礼仏堂の本尊で、江戸時代以降は現伽藍の多宝塔内に安置されていましたが、多宝塔は明治39年に焼失し、本像はそれ以前に博物館に寄託されていたため難を逃れました。五躰一具が揃って伝わる最古の五智如来像で、初期密教彫刻の最重要作例の一つとして、令和元年(2019)国宝に指定されました。
○木造十一面観音菩薩立像(重要文化財)
奈良時代に遡る半丈六の巨像です。榧木の一木造りで、漆箔仕上げ。像高は252.5cm、台座を含めた総高は311.5cm。頭部は小さく、やや腰高でしなやかな姿、衣紋など非常に質感豊かな像です。
江戸時代後期の当山御詠歌に「けしほどの 願いもかのう 安祥寺 大悲の御代に 救いまします」と詠まれています。とても素晴らしい十一面観音さまです。
私がこの安祥寺の名前を目にしたのは、京都国立博物館に寄託されている国宝五智如来坐像を拝観した時でした。
ホームページに安祥寺オリジナルの動画があります。ご覧になってください。
https://anshouji.or.jp/about/#original
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今日から三連休という方もいらっしゃると思います。
台風14号がこの三連休、日本列島を縦断する可能性もあります。交通機関への影響も考えられます。ニュース、気象情報にご注意ください。そして、早め早めの避難をなさってください。
どうぞ、今日もお元気でいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!
【今日の京都令和4年9月17日(土)】(No.2859)
※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。
大文字山です。
京都コンピューター学院の映像です。
http://www.kcg.ac.jp/daimon/index_f.html
鹿苑寺金閣
ページの下の方にライブ映像のところがあります。
https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/
近畿地方の現在の雨の状況です。
https://www.river.go.jp/kawabou/mb?zm=10&clat=34.86256320369171&clon=135.7296854579934&fld=0
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コロナウイルスのため、中止になっている行事が多くなっています。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。
https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143
○秋の特別拝観/相国寺
相国寺の秋の特別拝観では、重要文化財の法堂と方丈、開山堂が公開されます。法堂では、本尊釈迦如来像や天井画「蟠龍図」(鳴き龍)が、開山堂では、杉戸絵や庭園が見学できます。方丈では、輪郭すべてが「法華経」の経文で描かれた観音菩薩図や、枯山水と深山幽谷の対照的な庭園を見ることができます。
日程9月17日(土)~12月11日(日)
時間
10:00~16:00
16:00受付終了 16:30閉門
日程備考
10月18日(火)〜21日(金)は開山忌法要のため拝観を休止いたします。
10月3日(月)~5日(水)、12月8日(木)は法要・行事のため拝観時間に一部変更があります。
その他行事・法要などのため、予告なく拝観休止または拝観場所・拝観時間を変更することがあります。
料金
一般 800円 65歳以上・中高生 700円 小学生 400円 身体障がい者及介護者1名まで 無料
アクセス
地下鉄「今出川」・市バス「同志社前」
ホームページ
https://www.shokoku-ji.jp/
○ 霊宝館秋季名宝展/仁和寺
世界遺産、真言宗御室派総本山仁和寺の霊宝館で、恒例の秋季名宝展が開催されます。2022年は、仁和寺霊宝館開館95周年、学校法人常翔学園創立100周年の記念事業として、「国宝を護る仁和寺霊宝館 仁和寺名宝と片岡安の遺産」と題し、仁和寺と常翔学園の共催展が行われます。常翔学園初代校長で理事長の片岡安(1876年~1946年)は、日本を代表する建築家であり、仁和寺霊宝館の設計も行った人物です。片岡が残した仁和寺霊宝館の設計図面などの遺産や、仁和寺の宝物など、さまざまな貴重な資料が特別に公開されます。
日程9月17日(土)~12月4日(日)
時間
9:00~17:00(受付終了 16:30)
日程備考
月曜日(祝日の場合は開館)
料金
大人 500円
アクセス
京福電車「御室仁和寺駅」下車、徒歩約3分
市バス26「御室仁和寺」下車、徒歩約1分
ホームページ
https://ninnaji.jp/
○ 秋の特別拝観/安祥寺
日程9月17日(土)~19日(月)
時間
9:00~17:00(最終受付16:00)
料金
500円(大人・小人共通 *小人未満 無料)
アクセス
京都市営地下鉄東西線 山科駅下車 北へ徒歩約10分
JR東海道本線(琵琶湖線)・湖西線 山科駅下車 北へ徒歩約10分
京阪京津線(大津線) 京阪山科駅下車 北へ徒歩約10分
京阪バス(山科駅)下車 北へ徒歩約10分
ホームページ
https://anshouji.or.jp/
○ 貴船の川床(〜9/30)
○ 鴨川納涼床(〜9/30)
○宇治川鵜飼(〜9/30)/宇治川
○嵐山鵜飼(〜9/23)/嵐山渡月橋
○「京都の夏の旅」(〜9/30)
○特別公開(〜9/25)/大徳寺塔頭 興臨院
○ 国宝里帰り特別公開(〜3/26)/大徳寺聚光院
○ 花の天井 秋の特別拝観(〜12/11)/平岡八幡宮
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