今日の京都6月20日(月) | 都のかほり日記

都のかほり日記

京都、奈良、滋賀、神戸、東京。私のテリトリーです。
そこでのさまざまな出会いを綴っています。
仏像が大好きで、美味しいもの、スィーツ、美しいものが大好き。あちこちと出没しています。

おはようございます。
昨日は能登半島で震度6弱の大きな地震がありました。被災された方々、お見舞い申し上げます。
このところ、あちこちでよく揺れています。
地震のニュースにまたかではなく、気持ちも物も備えておきたいものです。

さて、今日は、鞍馬寺で、竹伐り会式が行われます。




鞍馬寺と聞いて、何を連想されますか?
源義経が「牛若丸」と呼ばれた幼少期(7~9歳)の修行地としての鞍馬寺。
能の『鞍馬天狗』でも知られる鞍馬寺。
また、映画やドラマでも『鞍馬天狗』は数多く演じられました。その中で、どん俳優さんを思い出されますでしょうか?
演じられた回数では嵐寛寿郎さんと言われています。比較的最近では、2008年1月からNHKで放送された『鞍馬天狗』の野村萬斎さんが演じられていました。




【鞍馬寺とは】
平安遷都以前の770年、奈良唐招堤寺の開祖「鑑真和上:がんじん」の高弟「鑑禎上人:がんてい」が、宝亀元年(770)この地に毘沙門天王を祀ったのが始まりと伝わっています。
遷都後には造東寺長官・藤原伊勢人が、千手観世音を追加で祀ると共に、堂塔伽藍を建立されました。
平安中期には東寺の高僧・峯延が根本別当に就任、後に中興の祖と崇められました。この峯延上人は、東寺出身らしく呪術に長けていて、いろいろな逸話が残っています。そのひとつが、今日行われる竹 伐り会式です。
鞍馬寺は、僧・峯延(ぶえん)が入寺したころから、真言宗寺院となりましたが、12世紀には天台宗に改宗し、以後の鞍馬寺は長く青蓮院の支配下にありました。寛治5年(1091年)には白河上皇が参詣、承徳3年(1099年)には関白藤原師通が参詣するなど、平安時代後期には広く信仰を集めていたようです。『枕草子』で、清少納言は「近うて遠きもの」の例として鞍馬寺の九十九(つづら)折りの参道を挙げていることからもわかります。
その後、1949年以降、独立して鞍馬弘教総本山となっています。
【標高の高い鞍馬寺】
鞍馬寺の金堂は標高410mです。叡電の鞍馬駅からすぐの仁王門は標高250mで、山道を登るのはかなり大変です。そこで、1957年(昭和32年)にケーブルカーが開通し、わずか2分で多宝塔駅(標高320m)まで行くことができます。



叡電鞍馬駅

私も学生時代は、貴船から木の根道を歩いて鞍馬寺まで行ったり、また、逆に下ったりしたものです。
一般的なアクセスとしては、叡電鞍馬駅を下車してケーブルカーがまたは徒歩で登ることになります。徒歩の場合、毎年10月22日に行われる鞍馬の火祭りの由岐神社があり、参拝することもできます。
鞍馬寺には、与謝野鉄幹、与謝野晶子の歌碑や東京から移築された与謝野晶子の書斎冬柏亭 もあります。



鞍馬寺と与謝野晶子との繋がりは、鞍馬寺の元住職の信樂香雲(しがらきこううん)が晶子の直弟子で、歌人として有名な方だったそうです。こうした縁で与謝野夫妻は何度も鞍馬を訪れています。晶子が詠んだ義経をテーマとした歌です。
「義経堂 女いのれり みちのくの 高館に君ありと告げまし 」
「山の菁莪(しゃが)咲きも乱れず清く立つ 牛若と云ふ少年のごと 」



【不思議な行事】
鞍馬寺には、不思議な行事がいくつかあります。
○ウエサク祭(五月満月祭)



ウエサク祭(五月満月祭)とはウエサク(Vesak/Wesak)祭の起源は、ブッタ(釈尊)の降誕、悟りを開いた日、入滅の日がすべてヴァイシャーカ(Visakha)(インド暦第2月)の第一満月の夜であった」という伝承から来ており、占星のカレンダーに則ってその期日は決定されます。
 ヴァイシャーカ月の満月は、太陽が牡牛座(おうしざ-4/21~5/20頃)から昇る日であり、旧暦では4月15日になります。私たちが使用している太陽暦(グレゴリオ暦)では4月から5月の満月にあたりますが、ウエサク祭が行われるのは「(グレゴリオ暦)5月の満月」とほぽ決まっているようです。

 現実的な地名として、ヒマラヤ山中に「ウエサク渓谷」という地名が存在しているとされています。ウエサク祭はそもそもこの渓谷で行われるようになったことから、その名がついたと言われています。
 ウエサク渓谷では、過去何世紀にも溯って毎年5月の満月の夜、同渓谷でウエサク祭が行われてきたことが確認されています。伝承ではこの満月の夜、ウエサク渓谷には釈迦如来(ブッタ)が天上界から降臨し、祭に臨席されるというのです。
鞍馬寺から頂いた資料には次のように書かれていた。
【五月の満月には天界と地上の間に通路が開け、ひときわ強いエネルギーがふりそそがれるという。この夕、満月に清水を捧げ心のともし灯を輝かせつつ、ふりそそがれる神秘的なお力を身に受けて、自分とすべてのものの「めざめ」のための熱い祈りを捧げるのが、光と水と聖音の祭典「五月満月祭(ウエサクさい)」である。
祭典は三部に分かれ、第一部は「きよめ」の祈りで、祭典に集う人々は、まず自己と場の浄化のために魔王尊を讃仰(さんごう)する。月が天頂に近づくころ、ひとりひとりが持つ純粋無垢な心の象徴の「心のともし灯(び)」に灯が点(とも)される、祭場がともし灯に埋まると、銀碗に清水を満たし月に祈りを捧げる。
次にともし灯を高く掲げて、真実に生きぬくための強い力を与え給えと「お力の宝棒」の加持(かじ)を受け、月光のふりそそがれた明水をわかち頂き、慈愛のみ恵みを心に満たす。そして第二部では、月光を受けながら大地に腰をおろし静かに「はげみ」の瞑想を行い、夜明けの近い第三部には、智慧(ちえ)の光を輝かせ真実に生きることへの「めざめ」を象徴する聖火が天を衝(つ)いて上がる。
最後に全員で『心の書(ふみ)』を唱え魂の夜明けを迎える】

https://m.youtube.com/watch?v=ZIMa-cBbGRQ

○竹伐り会式



鞍馬寺の門前組織・七仲間の最有力集団であり、 「鞍馬の火祭」 でも活躍する大惣法師仲間が、
大蛇に見立てた竹を往時の僧兵の如き姿で勇ましく叩き割る、毎年6月20日開催の竹伐り会です。
2つの座がその年の豊作を賭け速さを競い合います。
竹伐り会式の由来は、寛平年間、峯延上人が護摩の修行をしていると、北の峰から二匹の大蛇が現れて上人に襲いかかりました。上人はこれを退治し一匹を三段に斬捨てましたが、雌の蛇は仏法に従ったので許し、鞍馬の御香水を絶やさぬよう命じて放してやりました。そして、里人に神として祀られたという伝説があります。
「竹伐り会式:たけきりえしき)は、この伝説に因んで行われる祭りで、豊作を占うことで有名。本殿前に四本の竹が用意され、根のない太竹が「雄大蛇」、根のついた細い竹を「雌大蛇」に見立てます。法師たちが近江座と丹波座の東西に分かれて、昔を偲ばせる「弁慶かぶり」の僧兵たちが大竹を三段に切り落とし、堂内に駆け入る速さを競います。東が早いと近江の勝ち、西が早いと丹波の勝ちとなり、それぞれ豊作になるとされています。

https://m.youtube.com/watch?v=H-F1lGJKy1o

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パワースポットとも言われる鞍馬寺。
この夏、訪れられてはいかがでしょうか。
なお、10月22日に行われる鞍馬の火祭りは由岐神社の祭礼であり、鞍馬寺のお祭りではありません。

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新しい1週間の始まりですね。今週は真夏日のところが多そうです。熱中症にお気をつけてお過ごしください。
どうぞ、今日もいい1日でありますように!
行ってらっしゃい!

【今日の京都令和4年6月20日(月)】(No.2769)

※掲載の情報等が変更になる場合があります。お出かけ前にご確認ください。

 大文字山です。
京都コンピューター学院の映像です。
 http://www.kcg.ac.jp/daimon/index_f.html 

鹿苑寺金閣
ページの下の方にライブ映像のところがあります。
 https://www.shokoku-ji.jp/kinkakuji/

近畿地方の現在の雨の状況です。
 https://www.river.go.jp/kawabou/mb?zm=10&clat=34.86256320369171&clon=135.7296854579934&fld=0

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コロナウイルスのため、中止になっている行事が多くなっています。
お出かけの際にはご確認の上、お出かけください。

https://ja.kyoto.travel/news/format.php?id=143

○ 竹伐り会式/鞍馬寺



峯延上人が修行中に大蛇に襲われた際、真言の秘法で退治したとされる故事にちなむ行事が、鞍馬寺で執り行われます。まず、黒の素絹と五条袈裟を弁慶被りにした鞍馬法師が、長い青竹を伐って条件を揃える「竹ならし」をします。修法の後、竹ならしをした青竹を一節飛ばしに5回伐り落とす、迫力のある「竹伐りの儀」が行われます。修法の間には舞楽が奉納されます。 
日程6月20日 
時間 14:00~15:00頃
場所京都市 鞍馬寺 本殿金堂
アクセス
叡山電車「鞍馬駅」から徒歩5分
(仁王門まで)
料金拝観有料(愛山費300円) ※竹伐り会式参列には料金はかかりません。 

○ 春の特別公開(〜6/30)/宝厳院

○ 貴船の川床(〜9/30)

○ 鴨川納涼床(〜9/30)

○ あじさいウイーク(〜6/30)/柳谷観音

○ 初夏の庭園特別公開(〜7/10)/建仁寺両足院

○あじさい苑開園(〜7/10)/三室戸寺

○茅の輪くぐり(〜6/30)車折神社

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