【最光の夕暮れ時を Psychedelic Sunset】
そう言うわけで、この三つ巴の公演を名付けるにあたって地元岡山の衆との会合(という名の飲み会)を開いた際に、犬式とタートルアイランドと踊ってばかりの国を全て内包する適格なネーミングとして喧喧諤諤(けんけんがくがく)の末に「犬ってばかりの亀」がめでたく誕生し、そこへ地元岡山から、という形で「4410(シシトー)」と「IdolPunch」が加わった5バンドによる開催と相なった。
踊ってばかりのボーカルの下津光司は、父方のルーツが岡山・倉敷の下津井だと言うことで、僕の本籍が倉敷の連島なので、往年の水軍や回船問屋が闊歩する瀬戸内海を共にしていたのかも知れない。
10代に犬式を熱烈に聴いてくれていたと言う彼は18歳くらいの頃にお台場の「渚」と言うオールミックスのレイブフェスで犬式を観ていたと言う。2009年かな。僕は28か29くらいか。活動停止発表後のラスト5本くらい、鬼気迫るライブだったように思う。
2011年3月、東日本大震災の時に東京を出て、沖縄へ移住(避難)した際に、何本か飛ばしたライブのうちの1本が(仮)ALBATRUSと踊ってばかりの国の対バンだったらしいことは最近、知った。
2018年くらいに東京のO-EASTで開催されたシンクロニシティの時には楽屋で、「下津くん」ではなく彼の曲名にちなんで「セシウムくん」と呼んだらしいがあまり覚えていない。(少し昔の姿、曲だが、踊ってばかりの国「セシウム -A Take Away Show-」)
彼は何度か音源を手渡してくれたが、なぜかその時は聴くに及ばなかった。YOUTUBEでは何度か観た記憶があるが内容はおぼろげだった。何ら彼らのせいではなくて、ただ僕の人生の状況やコンディションやタイミングの問題である。
下津光司が僕にぶっ刺さってきたのは、本当の意味で彼を認知したのは、2022年恵比寿リキッドルームでの「(ボガンボスの)どんと還暦祭」だ。(おそい、自分でも驚く)
ブラフマンのトシローや、シアターブルックの佐藤タイジ、友部正人、たまの知久寿焼、ら錚々たるメンバーが、ボガンボスやどんとの名曲を変わるがわるに歌いつなぐ中で、彼の弾き語りのギターの音色にハッとするほど音楽に向き合う狂気じみた真剣さを感じたし、歌が、独特で特異な伸びを持っていて驚いた。何かその後に歌う自分の中の、めっちゃ奥にある本気を刺激してくれる競演者。
その後程なくして、どこで観たんだろうか?場所を全く覚えていないんだが、いやそもそも、このどんと祭りの前だったのかも知れないが、やや記憶が曖昧なのだが、バンドセットで見た時のバンドがゾクっとするほど美しかった。3ギターっていうのがマジカルに絡み合うし、リズムはタイトで柔軟だった。どことなく、90年代シアトルグランジのブラインドメロンを思い出させるサイケで甘美な退廃性とか(当連載のタイトル「俺たちに明日はない」は彼らのちょっと前のツアータイトルだったと思う)。
そして下津の目はいつも、狂気に満ちた真剣さをまとっていて、それでいて楽しそうだ。
何年も、選挙に出たり、自然と格闘ばかりしているうちにすっかり現在進行形の日本の音楽事情に疎い僕の限られた経験の中での話に過ぎないが、踊ってばかりの国とGEZANは、僕の中で自分より10歳くらい若い世代を代表する2バンドだ。
タイムテーブルにおいては、初日27日のOPENから3時間後の夕暮れどきを、サイケデリックに彩ってほしいと思って配置させてもらった。
永い夜になるのは間違いないが、サンセットと言う1つのピークタイムに、一氣に皆んなを深い世界まで誘ってくれることは間違いない。逃さずに味わってもらいたい。
4/27 18:00- 踊ってばかりの国
ちなみに、踊ってばかりの国の前後はDJ geeeeとDJ pAradiceの夫妻でサンドイッチさせてもらいました。
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4/27〜28
赤壁邸 「犬ってばかりの亀」
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デザートタイム(倉敷)
三宅商店(吉備中央)
楽しみ処 うたげや(大阪)
Village natural food(京都)
(赤壁音楽祭2024開催記念 特別連載 ④「俺たちに明日はない」)