種苗法改正については種子(遺伝子)の特許を巡る1960年代からの政治的な文脈(TPPも主要な要素として含まれる)を見ると起きてることが分かりやすい。いくつかの具体例については明日にでも書こうかな(長くなりすぎないように注意してる)。

 

開発種子の知財を守る話というのは表向きの看板で「原子力の平和利用」とか戦争の大義名分みたいな感じだね。

 

もちろん一部には、これによって事実守られる種子開発者とその技術が国内にも存在する。けれど、国内農家の採種権利を制限することが知財流出にどれだけ効果があるかは判らない。よく例にあげられるシャインマスカットは流出が騒がれた時には、すでに規制対象の品種だった。種苗法で自家採種の規制がある登録品種だったのに、流出を食い止められていない過去がある。
 
多国籍巨大アグリ企業の圧力と策略を考えたら、懸念される本質的な食の「安全保障」と「権利」の侵害に対して「担保」される文言をもっと加えたい。けど多分国会ではそれはもう遅い(?)ので、各地域でこのことを理解した上で独自の地域条例を、それも早急に作った方が良いと思う。

 

農家の再生産(自家採種)の権利を守る(そもそも生物の特許を認めるのか?という議論も必要)。あとは、現代の発展した自然農の技術を活かして「在来種」を見直し、守るための条例作りも進めた方がいいと思う。農薬や除草剤、F1種子、遺伝子組み換え、ゲノム編集、そして補助金のループの中で土壌(とコミュニティ・村)を衰弱させながらケミカルとテクノロジーを打ち込んで収量の拡大を目指す資本主義の農業からの脱却をポジティブにデザインした地域から、新しい時代の可能性が生まれるのではないだろうか。そう言う地域には大量に流れ込みはしないが確実に場所に益する志しを持ったお金目当てではない優秀な人材も移住してくる。
 
とどめは、これからの日本の国民的な文化レベルで家庭菜園を定着させて豊富な在来種が守られていくようになること!これは皆んなが今すぐにプランターで始められることで、おまけに得られるギフトが人生として「デカイ!」ことを保証する。タネ採り文化と言う見えない「SEEDBANK」に参加する人が多ければ多いほど、それを規制する法律に敏感な国民を増やすことができる。

 

三宅商店にも野口のタネの固定種を置いてるから、ぜひそれぞれの地域の畑や庭や部屋で種を代々取りつぎながら、自分のところの在来種、地域野菜、自分野菜を生み出してください。(固定種を固定的に安定して繋ぐのは、交雑させないなど専門的なテクニックが必要なようです。→優秀な固定種を守ってくれている種苗会社も社会的に大切にした方が良い。)

 

「なんだよ宣伝かよ」って思われる方もいるかもしれないけれど、314円のタネをいくら売ってても儲からないよ(小売り利益率30%として95円くらい、送料含まず)。しかも、売ったら最後、F1種と違ってあとは自分で採種できる固定種 (笑)。野口のタネなどの固定種専門の種苗会社なんて、よくやってこられてるなと感心するしかない。
 
あと、タネの中には代々同じ場所で近いもの同士を採りついでいくと劣化するものもあるので、自慢のタネを交換し合うのが、古来農民の慣しだった。こうした権利も、ハッキリと守られていかなければならないよね。県、自治体ごとに、早急にこれらの条例を作って、グローバル企業の下請けみたいな地域になってしまわないように手を打つべし!

 

種苗法改正案および、ハイテク化ばかりを目指す日本の「農」の行く先に懸念を示しつつ、これを通して多くの人が「食」と「タネ」について考えを深め、行動を変容させていく大チャンスだとも思っています。

 

 

#種苗法改正案に抗議します

#地域条例で農家の再生産の権利を守る

#固定種在来種を守る

#家庭菜園をカルチャーに

#大規模農業から家庭菜園へ

 

 

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三宅洋平『【種苗法改正の意味を理解する上で】』

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