【種苗法改正の意味を理解する上で】

 

種苗法改正と種子法廃止はTPPからの文脈と、そこに関わる多国籍企業(約600社)の歴史的所業とその狙いを考えると

 

・今書いてある法文に将来どんな拡大解釈が加わるか
・採種規制の登録品種がどれだけ追加されていくか
・遺伝子組み換え栽培の拡大が生態系に与える影響
・在来種の保護

 

ここら辺がどうにも未知すぎる。
 

野菜や穀物を買う時にそれが生産者(農家)から来ている事はほとんどの人が想像できる。けど、農家が蒔いているタネがどこから来ているかを想像できる人は現在ではとてもレア。例えば野菜で言えば日本で流通する野菜の90%以上は種子会社から買った種(外国産のF1種:交配してよく育つようにできているが2代目から種ができにくい、育ちにくい、育ちのバラツキが読めない=毎年タネを買う事になる。)で栽培されていて、農家自身もよく分かっていない事が多い。


(タネの世界で起きて来たこと:例えば「甜菜」の場合)
1960年代に米国で発見された1株の雄性不稔(オシベのない株)の甜菜のミトコンドリア・イブが現在全世界で栽培される甜菜糖の原料になっている。オシベがない事で自家受粉せずに他の品種と掛け合わせやすく、さらにタネを残さないので特許ビジネスとして回収性が高い。
 
問題なのは、誰も買い取るシステムの存在しない在来種の甜菜が消えてしまった事。確かに趣味で甜菜を育てるメリットは少ない。甜菜に限らず、タネは買うものとなった現代においては、自家採種を文化として忘れてしまった農民が多くなっている事で、多くの在来種が消滅の危機を迎えている。

 

50年経った現在、地球上で栽培される甜菜がほぼ全て、1000万分の1とも言われる雄性不稔の母株から繋がれた雄性不稔の甜菜になってしまい、在来の甜菜の種が入手困難。消えてしまったのか?誰かがどこかで細々と育てているのか?

 

#種苗法改正 #主要作物種子法廃止 #TPP #日米FTA

 

 

 

だから、多肉観葉植物を育てるノリで、何代もの甜菜を独自に採種し続けるうちに再び在来性を手に入れた甜菜をマニアックに育てる人とか、どんどん個人レベルで増えてて欲しい訳です。 日本に文化としてのSEEDBANKを草の根に定着させれば、いつか必要な時に各地からその種が掘り出されて提供できる。

 

 

【種を制する者は世界を制する】

 

 種子法廃止も種苗法改正も、森加計とか検事長定年延長とかが毎回ブラインドになってる。 攻め込みやすい安倍ネタは大立ち回りして見せるけれど、その裏にいる多国籍企業の圧力に対しては言及も闘う姿勢も見せない野党議員が多勢を占める事への、不信感は昔から募る。

 

TPP反対を掲げて政権を取ったのに掌返して、地元支持者にだけ「私も本当は反対なんですよ」とツラを繋いでおきながら、今全く国内農業を守る姿勢を見せずに多国籍企業の言いなり政権を容認している自民党議員は言うまでもなく。

 

生物の遺伝子に対する特許を、企業が独占する事を制限、もしくは禁止する法案を作る気概と能力が、この国の政治家と民衆に求められていると思う。特に目覚めた民衆が、当事者意識で動き出さなければ、マジョリティはこのまま流されていく可能性が高いと思う。

 

 

【種苗法改正への極論な疑問】

 

種苗法改正の先に例えば極論ですが「山に自生するワラビの遺伝子で独自のワラビ生産に成功した日本モンサントがワラビを品種登録」なんていう可能性は、存在しないのかな?優秀な在来種をかたっぱしから登録するような事を防ぐ法律は、存在しているんだろうか? 地方ごとの条例作りが早そうだね。高麗人参や日本山人参などの漢方の材料とか、すごい利権になりそうだ。

 

そう言えば共謀罪の事例の中に「山で採れた山菜を取っても捕まります」っていうのがあったのを思い出すよ。「その山菜を売ってテロの資金源にする可能性」みたいな話だった気がするけどさ。どっちかというと、山資源に人々がアタッチすることを制限したいように見えるんだよね。湧水や自生植物含めた自然資源の有益性なんて、世界支配層はハッキリと認識して、他の案件と変わりなく独占を目論んでるっていう懸念は僕の中に間違いなく存在してます。