私は戦前、戦中、戦後、高度成長期、大不況など、さまざまに変化する時代を経てきましたが、その経験から言えることは、変化がめまぐるしいときこそ、自分の中心を見つめる必要があるということです。
自分にとって本当に大切なことは何かを一つひとつ書き出してみるのもいいでしょう。
そうすると、大切なことはそれほど多くなく、変化していくもの、通りすぎるものがたいして重要でないとわかります。
天谷保子(あまややすこ)
本当に大切なことを知る
子どもたちはいつの時代も流行に敏感です。
最近では、小さな子どもが携帯電話やパソコンで遊ぶ姿もよく見ます。
このめまぐるしい時代の変化についていけず、苦労しているのは、50歳以上の大人たちかもしれません。
からだは変化を迎え、体力も落ちる一方なのに、仕事は忙しい。
子どもの結婚や孫が生まれるなど、自分以外のことでも忙しい。
そのうえに、親の介護を抱える人もいれば、将来が見えてきて、先行きの不安が現実味をおびてくる時期でもあります。
自分自身の変化だけでも、めまぐるしいというのに、そのうえ時代の変化にも襲われる。
私自身、その年代はいろんなことが一度にやってきて、混乱したこともありました。
私は戦前、戦中、戦後、高度成長期、大不況など、さまざまに変化する時代を経てきましたが、その経験から言えることは、変化がめまぐるしいときこそ、自分の中心を見つめる必要があるということです。
自分にとって本当に大切なことは何かを一つひとつ書き出してみるのもいいでしょう。
そうすると、大切なことはそれほど多くなく、変化していくもの、通りすぎるものがたいして重要でないとわかります。
そういうものは、捨て置くつもりでいればいいのです。
天谷保子『ありのままがいちばん。』より一部引用
貫井投稿