詳しい説明をプリーズ‼︎って、片付けた後の事務所コーヒータイムで雅紀に訴えた。必死に。
いや必死だろ。
必死にもなるだろ。
何がどうしてどうなったら宇宙人が居ることが普通になるんだ?
軽トラに10個の積んだコンテナが横山さんによってその後どうなっているのかも気になるが、それは宇宙人がオレンジを食べることに比べたらミジンコなみの重要さだ。
事務所の応接セットに俺、雅紀、風間さん、松本さんで座っている。
雅紀はコーヒーを飲んで、フィナンシェを口に放り込んで、作業後のフィナンシェは最高って顔に描きつつ、何を説明したらいいの?って不思議そうである。
な、何をって。
何をって‼︎
「何故宇宙人がオレンジを食べるのか………とか」
「好きだからじゃない?前はちょいちょいハウスに入り込んで食べてたよ」
「は⁉︎ハウスに?」
「うん。ハウスに。だから、勝手するのやめてよ。ブッコロされたいの?って言って。で、廃棄するやつでも食べれるならあげるから、ここに入らないでって。だってあの子たちがハウスに入ると、必ずあちこち壊れてるし、枝は折られてるし、何かヨダレかなあ?変なのぼとぼと落とすし、困るんだよね。………って、あれ、しょーちゃん?どうしたの?聞いてる?」
えーと。
あ、あんな一見恐ろしい化け物のような見てくれの宇宙人を、野生動物扱いどころか、あの子たち扱いって。
え。
宇宙人だよ?
え。
宇宙人だよね?相手は。
未知との遭遇。世紀の大発見の宇宙人だよね?
それを。
あ、あの子、たち?
近所の子どもか。
「まあ、櫻井さんがそうなるの分かるよ。俺たちもそうだったし」
「うん。でもまーくんは人としてどうかしてるから、仕方ないですよね」
「ちょっと風間ぽん、人としてどうかしてるって酷くない?」
「酷くないよ。あのね、まーくん、普通の人はこうなの。こういう反応なの。宇宙人を見たらびっくりしてこわくて大パニック」
「けどさあ、あの子たちより鳥とか魚の方が不思議な形じゃない?エビとかカニとかさあ。あんなのが普通に存在してるんだから、別にどうってことなくない?」
「………形の問題、なの?」
「形の問題でしょ。人っぽいじゃん。あの子たち」
「『アレ』を人っぽいって言い切れるのがな」
「頭があって顔があって手足があって二足歩行だもん。人っぽいよ」
身長?全長?2メートルぐらいあって、全身グレーだかシルバーの『アレ』が、人っぽい?
え。
どこが?
俺には微塵も、これっぽっちもそんな風には。
「こわくないの?もしかしたら何かされるかもしれないのに」
「んー?だってここはうちの山だよ?所有権はうちなんだから、あの子たちが不法侵入して来てるわけでしょ?なのに何でオレがびびってあげなきゃいけないの?」
「だからな、雅紀。そうなんだけども、だ」
「その辺の動物と同じ。悪さしないなら居てもいいけど、悪さするなら駆除する。農作物を盗むなら畑を荒らすなら、それなりの対処するって話。相手が動物でも宇宙人でもね。それに、宇宙人くんたちからしたら、オレたちだって宇宙人じゃん」
「うん。確かにね。そうなんだよ?でも、そうなんだけどねって話」
「だから意味分かんないって」
「俺らからしたら、雅紀のその感覚の方が意味分かんないって」
「えー?そうかなあ。普通だよ、全然」
「それを普通だと言い切るまーくんの普通さね」
「見ろ、雅紀。櫻井さんがついてこれてないから」
「えー、何でー?ちょっとしょーちゃん?おーい、しょーちゃーん」
「櫻井さん?大丈夫ですか?」
「え、これ、目開けたまま気絶してない?」
ああ、何か。
櫻井さんとかしょーちゃんとか、呼ばれているような気がするのだが。
だが。
雅紀の器が宇宙より広くて大きくて。
俺は、その広い宇宙空間を、UFOでぴよぴよと迷子になっている気分だった。
まーくん無敵‼︎って思った方は米ください🌾
全然進まない。終わらないじゃなくて進まない。
250話で終わるのか………?
いや終わらないんじゃ………?
結局熱唱か?🎤
おわらなあああああい🎵