◆ドラマ・松本清張の『ガラスの城』 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
現在、「いいね」返しが出来ません。

▼写真AC:naoko429さん提供のフリー素材


實友商事株式会社
大手商社である優秀な社員は欲の塊。
ガラスの城はきらめく欲望の迷宮だった。
三上田鶴子営業課長(木村佳乃=語り手)は自分の人生に満足している。

杉岡部長(丸山智己)のもと、部が運営されている。
野村次長(武田真治)は、勤勉だが、出世コースからやや外れている。
富崎次長(塚本高史)は、上の人に媚びて、出世の糸口をつかみ取ろうとしている。
田口課長(内野謙太)は、どっちの次長につけばいいか、見定め中。

女性社員の鈴木信乃(蓮佛美沙子)はバイリンガル。
橋本(川島海荷)は職場の花。
一般職の的場(あさが来た:波留)は地味で暗く愛想が悪い。
彼女のアイデンティティは多分金だ。

三島市での展示会の後に、社員旅行が計画され、修善寺の旅館に部員が集まった。
三上もいやいやながら参加した。
的場はすぐに部屋に戻ってしまった。
三上「私だってこんな飲み会。長くはいたくはない」
三上は外のお土産屋の帰り、木陰で部長が誰かとキスをしていたのを見かけた。
相手は誰かはわからなかった。
3人の相部屋の鈴木が戻って来なかった。
鈴木が戻って来たのは0:05だった。
鈴木が、部長の不倫相手ではないかと想像を膨らませた。
翌朝、杉岡部長は不在。
橋本も遅くまで部屋にいなかったという。
杉岡は泊まらないで帰ったとのこと。
記念撮影をして、旅館で解散となった。
修善寺駅に三上。
おめかしした的場をホームで目撃し、思わず撮影。

23日月曜日。
杉岡部長が出社していない。
家にも帰っていないとの連絡があった。

26日木曜日
行方不明届が出された。
静岡県警が会議室に来て、1人ずつ呼ばれ、ヒアリングを受けた。
三上は的場とすれ違った。
2人声が合った「殺された」
的場「だとしたら、犯人の動機はなんでしょう。死体はどこにあるのでしょう」
推理小説が好きな的場は、伊豆にある崖の名前まで口にした。

11月1日、伊豆の国市の工事現場から杉岡部長の遺体が発見された。
何者かに殺されていたようだ。
野村から部員に伝えられ「我が社の名誉を念頭において、行動してください」

静岡県警では、縄状のもので首を絞めて窒息させた疑いが高いとの見解となった。
佐原(満島真之介)は犯人は社内にいると考えた。
事件当日に杉岡がタクシーやレンタカーを使った形跡もなかった。

杉岡部長の葬式。
富崎の奥さんが、斎場の前で帰ってしまった。
三上が田口に「あの日杉岡部長は、帰る列車があったわけ?」
田口「プライベートが色々あるのかなと思って、詮索しませんでした」

三上は修善寺から6キロ半の遺体発見現場に来て、取材し始めた。
作業員によると、この土を植木鉢に分けて欲しいという変わった女性も来たという。
三上はタクシーでの帰り、的場が停留所で植木鉢を持っていたのを見かけた。

三上のスマートフォンに「警告:これ以上詮索すれば殺す」とメッセージが届いた。
三上「誰かが私に調査を辞めさせようとしている」
田口によると、杉岡には借金があって退職金を全て持って行かれたと言う。
さらに的場が部長に300万返してと、奥さんのところに行って困らせたという。

土を調べてもらったところ、現地の土に山梨あたりの赤土が混ざっているという。
やはり的場らしき女性が一足先にこの研究所に調査依頼に来ていたようだった。

的場と事件の情報をシェアして見ることも考えたが、的場も怪しいと思ったため、それはしなかった。

三上は、胃腸炎で入院した部下の浅野のお見舞いに行った。
橋本も鈴木もアニメの舞台の聖地巡礼をしていた、とのことでアリバイが出来た。
浅野の母が「富崎次長の奥さんが亡くなったというのは本当なんでしょうか」と話しかけてきた。
三上には寝耳に水だった。
奥さんの実家は山梨だと言う。

三上は犯人像がぼんやりと浮かび上がって来た。
「私は真相を見つけてみせる、絶対に・・・」

(物語の語り手が、的場になった)
的場郁子を、静岡県警の倉田(高島政信)と佐原(満島真之介)が取り調べ。
三上のSNSから未公開ダイアリーが発見された。
的場が殺人事件に関与されている疑いがあると佐原から言われ、フフッと不敵な笑みを浮かべた。
そして、三上も失踪した。
的場「そのノート(ダイアリーを印刷したもの)を貸してください。私も犯人にたどり着きたいんです」
倉田は許可し、佐原に尾行させた。

部内では不穏な空気が流れていました。
あの様子では三上さんに恋人がいたとも思えない。
彼女は私のことを寂しい女と書いていましたが、彼女も寂しい女みたい。

大月駅におしゃれに着飾った的場。
佐原「ご一緒します」
的場「え?私容疑者なんですか」
佐原「三上さんとは仲良かったんですか?」
的場「お答えできません」(仲間意識を感じています)

杉岡の妻・礼子は、的場が犯人だと思っていた。
2人はあさのやに着いた。
三上もあさのやに来て、質問して行ったという。
店にきれいなダリアがあった。
静岡で礼子の実家が植木屋を営んでいて、そこからもらったようだ。
植木屋は大仁という場所にある。
それを聞いた佐原「大仁は、遺体現場の近くだ」
富士急シティバスのカメラに三上らしき人が映っていたと言う。
林田花壇の従業員に三上の写真を見せ、たしかに来たとの証言を得られた。

次に修善寺に向かった。
佐原「あんたも消されるかもしれませんよ」
的場「たしかに」
段差があって転びそうになり、佐原に支えられた。
ブレスレットをした男性が2人を見ていた。

的場は会社にダリアを持って行って、水をあげていた。
富崎「珍しいよね、このダリア、どこで売ってるの?」と話しかけてきた。
的場「うちの近くの花屋です」
富崎「仕事終わりに案内してもらえない?」
店がわからないととぼけていたら公園で富崎が「的場さん、何か知ってるんじゃないの。僕も三上さんの日記を見せてもらったんだよ。三上さんと部長と男女の関係はない。修善寺の浴衣の女は君だったんじゃない?」
的場「杉岡部長とあなたの奥様も同じ関係だったんじゃなかったんですか」
富崎「やめろ。やめろと言ってるんだ。妙な憶測をするな」
的場「やはり、あなたの奥様と杉岡部長に男女の関係があり、修善寺に来ていたのではないでしょうか」
富崎が的場を捕まえようとしたところ、野村が突然やってきた。
富崎は帰って行った。
野村「心配になって後をつけてきた」
佐原が電話で「なんでそんな危ないことしたんすか!」
的場「これは大発見です。林田花壇に呼び出して、そこで殺して林田の車で工事現場に運んだのではないでしょうか、そうすれば2種類の土もつながります」
佐原「富崎にはアリバイがあります。さらにあの夜は検問があり、遺体を運ぶのは不可能なんです。なんでそこまでやるんですか、あんたも三上さんも」
的場「さあ、なぜでしょう」
佐原「くれぐれも勝手なことはしないように」

私(的場)は2年前、杉岡部長と男女の関係になりました。
貯めていたお金が半分以下になり、私から別れを切り出しました。
それから休日だけは自分を飾ることにしました。
部長がなぜ殺されるようになったのか、その理由がどうしても知りたかった。
彼女は部長に恋をしていたのでしょうか・・・。

屋上では、鈴木が三上の猫を引き取ることになり、猫を連れて来ていた。
橋本は、鈴木が退職することを話した。
「誰かに喜んでもらうために働いてました。私は一体誰のために働いているんでしょう。そう言うの、馬鹿らしくなってきて。わたし、もっと人のために働きたい」

誰もが空っぽの心を抱えて、働いているのかもしれません
野村に(人事から)電話があった。
昇進したのは野村だった。
「まさか犯人は・・・」
佐原に電話しようとしたら、野村から屋上に呼び出された。


この先はネタバレになります:続きを読む場合は左端の三角マークをクリック野村「三上さんの文章には隠し事があるんだと思うんだ。会社の名誉を守ることが、彼女らしい」
的場「日記の流れが途中から不自然に変わったんです。流れがうまくいきすぎて。三上さんは途中から富崎次長を怪しむように仕組まれていたんじゃないかって。操っていたのは、あなたですか、野村次長。三上さんが愛していたのは、杉岡部長じゃなくて、あなたですか」
野村「そうなんだよ、田鶴子はいつも僕を気にしてくれていた。情の深い女なんだよ」
的場「三上さんはどこなんですか?」
野村「会いに行こう。僕も彼女に報告したいことがある」
野村の運転する車の助手席に乗り、あさぎ園に着いた。
野村「杉岡と富崎くんの奥さんの関係に気づいていた。浴衣の女性は僕だった」
的場「三上さんは、野村さんを女性だと思ったんですね」

社員旅行の夜、野村が「東京に引き返したほうがいいかもしれません。車を用意しました」
すっかり信用した杉岡は助手席に乗った。
運転手がスタンガンで杉岡を眠らせた。
運転手は野村の妹で、植木農園で働いていた。

野村「僕がこの手で殺した。僕はこの罪を富崎にかぶってもらおうと思ったんだ。罪を被るのに相応しいけげす男だろ。木を買って、根の部分に死体を隠し、検問を越えられた。やがて富崎の奥さんが亡くなった」
的場「なぜ部長を殺したんですか」
野村「嫌いだからだよ。あいつは欲深い。入社してから周りを蹴落とすため
なんだってやっていた。妹も若い頃、奴と付き合っていた。妊娠した途端あっさり捨てたんだ」
野村の妹「真面目に生きているのアホらしくなりません?」
野村「的場さんも杉岡に金を貸していたんだよ」

野村「田鶴子から、浴衣の女のことを警察に話すべきか相談されたが、社の体裁もあるからとやめさせた。彼女は熱心に調査していた。彼女のパスワードぐらいわかった。彼女の洞察力にはいつも感服する」
的場「日記の端々から、あなたへの好意も感じられました」
野村「それを利用したんだ。僕が彼女を誘導したんだ。全てが解決したら結婚するように言ったんだ。彼女は喜んだよ。十分にやってくれた」
的場「三上さんはどこですか。三上さんに会わせてください」
野村「ここ」苗木を指差し「この下で田鶴子は眠っている」野村はすすり泣き「田鶴子ありがとう、僕部長になったよ」
的場「三上さんも殺したんですか」
野村「田鶴子が真実に近づきすぎた。執拗に真実に近づこうとした。君も田鶴子と一緒に休んだほうがいい」ロープを取り出した。
的場が逃げ、野村が追いかけてきた。
的場「最後だから聞いてください。私は入社してから誰とも打ち解けて話をしたことがありません。三上さんの生き方とは違います。部長が死んでやりがいを見つけたような。日記も面白かった。全然性格も違うと思っていたのに共感したんです。誰とも歩み寄ろうとしたことを後悔しました。もう一度会えたら、今度はわたしから話しかけようと思ってました」
野村「そっか、ならせいぜい、土の中で笑い合うといい」
野村が的場の首を絞めようとした、その時「捕まえろ」倉田の声。
佐原が飛びついて、野村は逮捕された。
佐原が的場に「こんな危険なことして」
雪が降ってきた。
田口、橋本、鈴木らが寄ってきた「大丈夫ですか」
佐原「的場さん、迎えの車が来ましたよ」
的場は三上が埋まっていると言う苗木の前に両手を付いて「三上さん、終わりましたよ。お疲れ様でした」
佐原が後ろから温かく見守っていた。
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商社が舞台であったのが、見るきっかけでした。
途中から主役・語り手が変わるというユニークな展開。
原作は一流製鋼会社であったようです。
脚本は『青天を衝(つ)け』『あさが来た』の大森美香さんが再構築しました。

未公開ダイアリーは、どうやって警察の手に渡ったのでしょうか。
今じゃ「多要素認証」があって、ログインすると本人の電話番号のショートメッセージが届くから、元恋人であっても、パスワードを推測できたとしても見られないはずですけど。

ラストはわざわざ雪を降らせる必要があったのでしょうか。
静岡県で雪が降るのはまれな印象ですが。

同じ部署から2人(社員の奥さんまで含めると3人)が亡くなるという異常事態。
今回は次長が昇進しますが、よその部から部長が異動してくるというケースもあると思います。


松本清張の映画『ゼロの視点』の記事はこちら(2023年12月29日)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/miyacar/entry-12834134874.html

では、明日。