朝・ニューヨークのとあるアパートの一室
ブランドンとフィリップは自宅で、ロープを使ってデイビットの首を縛り、チェストに押し込んだ。
(この映画でのチェスト=タンスは、背が高くて仕切りが無く、上から物を入れるだけの不便そうなもの)
ブランドンはタバコを吸って、カーテンを開けた。
ブランドン「善良なアメリカの若者は戦場で死ぬ。今はデイビットのような凡人だらけ。完全犯罪の犠牲者にはうってつけ。これは正当な殺人だ」
シャンパンを冷やしていた。
家政婦のウィルソンが戻ってきた。
急きょチェストをダイニングテーブルとすることにし、テーブルクロスをかけた。
ウィルソンは食卓を変更したことに不満を漏らした。
ロープがはみ出ていたが、ブランドンは引っ張り出した。
しばらく右手に持っていたため、フィリップが「持っているロープを隠せ」
ブランドンは台所の引き出しに入れた。
ケネス、ジャネットが来た。
ジャネットは、元カレのケネスを呼んでいたことに腹を立てた。
デイビットの父親・ケントリーと義理の姉のアトウォーター夫人も来た。
フィリップはグラスを割って手を切った。
デイビットとは連絡が取れないでいた。
アトウォーター夫人は占い好き
「力強くていい指だわ。芸術家向きね。この手が大きな名声をもたらすわ」
そう言われたフィリップはピアノを弾いた。
変わり者の寮監のカデル先生(ジェームズ・スチュワート)が来た。
「若い女が結婚式の日にふざけて箱に隠れた。
不運にも中から開けられず、50年後に白骨で見つかった」話をした。
フィリップはチキンに手をつけなかった。
農場でフィリップが鶏の首を絞めた話になったら「僕は絞めたことない」
カデル「君らが首を絞め合うのかと思った」
カデル「殺人とは芸術なのだ。その特権を与えられたのは他人より優れた人間なのだ」
ケントリー「ブラックユーモアにはついていけん。ふざけている」
カデルがブランドンに「かなり興奮していたが、殺人を実行する計画でも?」
家政婦がカデルに「ブランドンたちは朝から様子が変なの。買い物から帰ると2人はケンカしてたの」
カデル先生はフィリップに「楽しんでいるのは私1人だ。何かあったのか?質問したのに答えがないと、余計に知りたくなる」
フィリップはピアノを弾きながら「刑事みたいなマネはやめてほしい」
カデル「今は疑惑にすぎん。デイビットはどこだ?ブランドンは知っている」
フィリップ「本人に聞けば?」
カデル「三角関係の駆け引きで忙しいようだ」
ケントリーが欲しい本を持ち帰るように、ロープで縛った。
キッチンにあった凶器のロープだった。
フィリップが反応した。
家政婦が料理を片付け始めた。
本を動かし、テーブルクロスを外した。
本をチェストにしまおうとした時に、ブランドンが来て「明日でいい」
客は帰った。
カデルは、DKのイニシャルが入った帽子を見つけた。
ブランドン「歴史に残るパーティーが終わった」
フィリップ「盛り上がった?あれこれ詮索された。君は小細工で忙しかった。余計な小細工のせいで全てを無にするかもしれない」
ブランドン「まだウィルソンがいる」
フィリップ「怖いんだ。逮捕されたくない」
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家政婦が帰って、すぐにブランドンは車を出すために駐車係に連絡した。カーテンを閉めた。
カデルがシガレットケースを忘れたと言って戻って来た。
フィリップ「きっと嘘だ」焦りだしたので、ブランドンがビンタした。
ブランドンは銃を用意した。
カデルのシガレットケースは自分で置いて「見つかった」と演技した。
カデル「明日旅立つんだって? 用意は出来ているのか。片付いていないのは客だけか。これを飲んだら帰るよ。今夜のように妙な日もある」
さらに、カデルはデイビッドについて「来なかったのは何かあったのでは? 昼間に何か起きた。そうだな。暗くなるまで何処かに隠す・・・」
フィリップはグラスを床に叩きつけた。
カデル「ポケットが怪しい」
ブランドン「すみません、護身用に持っていただけです」と銃をピアノの上に放り投げた。
フィリップが銃を持った。
カデルは銃を奪ったが、手をケガした。
カデル「見たくはないが、チェストの中を確かめる」
そして「なんてことだ」
ブランドン「あなたが話したことを実行した。だから貴方には理解できるはずだ」
先生は座り込んだ。
「君は私の言葉を自分勝手に解釈し、残酷な殺人を正当化する論理にすり替えた。間違ってる。それは許されん。君には実行させる何かがある。私には実行を止める何かがある」
立ち上がって「何の権利で君は自分を優れたものと? 何の権利で箱の中の青年を、劣った者と決めつけて殺したのだ? お前は神か? 神だから友人を締め殺し、死者の上に料理を並べたのか?」
ブランドン「どうする?」
カデル「それは社会が決める。どうなるかは知らん。だが2人とも死刑台に送ってやる」
カデルは窓を開け、外に向けて銃を3発撃った。
すぐにパトカーのサイレンが鳴った。
(1948年カラー作品・アーサー・ローレンツ脚本)
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ヒッチコック監督の「手料理」により、ふるまわれたこちらまで加害者になりこんでしまい、「バレないかな」との心境にさせられた。
「刑事コロンボ」だと、毎回殺す理由を明らかにしてから、犯人に感情移入させるのに、ヒッチコック監督によって、理由もわからぬまま犯罪に関与させられた。
パーティーが早く終わらないと次の展開にならないんだろうなと思って見ていたが、「首を絞める」とか「箱に隠れて50年」とか、トークの中に小ネタが満載されていて、目が離せなかった。
正義感のある恩師のおかげで、事件がつまびらかにされた。
犯人も恩師を崇拝していたから、反論が出なかったのだろう。
銃を所持していたが、第二の犯行が起こらなくて良かった。
前回の『レベッカ』の記事はこちら(2021年12月28日)
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http://ameblo.jp/miyacar/entry-12717124178.html
では、明日。