◆ヒッチコック監督の『白い恐怖』 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
現在、「いいね」返しが出来ません。

▼写真AC:REFLECTION 提供のフリー素材「街の風景 雪と空 ロッヂ」


グリーンマナー精神科医院
コンスタンス(イングリッド・バーグマン)の部屋に呼ばれた患者が、手をひっかいた。
女性患者が精神分析を否定した。「子どもの頃の話をして何になると思う?」
コンスタンス「問題の行動がいつ始まったか分かればあとは自然に治る」

同僚のフルーロ「ここへきて半年、君は優秀だが心がない。常に氷のように冷たい。経験と感情の欠如は、医者として問題だ」
コンスタンス「これまでも多くの分析医に言われたわ」
フルーロ「私はそいつらとは違う。君に夢中だ」
マーチソン院長は20年勤務していたが、後任が決まった。
エドワーズ医師(グレゴリー・ペック)がやって来た。
ハンサムで若い新院長はなかなかの評判となった。
食事の時にコンスタンスの隣に座った。
コンスタンスはプールを作りたい、とフォークでテーブルクロスに楕円を書いて傷付けた。
エドワーズは「テーブルクロスは使い捨てか」と批判した。

ノーマ・クレイマーと言う女性が、エドワーズに「私がわかりますか?」と電話して来た。

エドワーズ「頼みがある」
コンスタンス「何でしょう」
エドワーズ「午後は付き合ってくれ。お互い気分転換が必要だ」
湖を散歩し一緒に食事した。
新院長がコンスタンスと外へ行ったと、すぐに院内の評判になった。
コンスタンスが戻ってきた。
ストッキング破れ、頭に葉っぱを乗せていた。
「新院長は女たらしだ」という結論になった。

コンスタンスは夜に起きて図書室に入った。
エドワーズの著書を手に取った。
著者のサインが入っていた。
院長室の電気が付いていた。
のぞいたら、エドワーズは椅子でウトウトしていた。

コンスタンスは恋に落ちてしまった。
エドワーズ「僕らに何かが起きた」
コンスタンス「出会ってまだ1日よ」
2人はキスした。
エドワーズはコンスタンスの服の線を見て
「最近神経が過敏になっている」黒い線が気になった。

患者が喉を切ったと連絡が入り、エドワーズも手術室に入った。
手術中にエドワーズは「暗い。あかりをつけろ」と言って倒れた。
コンスタンスは部屋に付き添った。
メモと著書の筆跡が違うことに気づいた。

コンスタンス「あなたは誰?」
男性(この後、JB)「エドワーズは、死んだ。僕が殺して成り済ました。僕は誰だ?」
立ち上がって「記憶がない。まるで何も映らない鏡みたいだ」
コンスタンス「あなたは病気よ。記憶喪失は珍しくない」
JB「そう、僕は記憶喪失だ。精神の崩壊を防ぐため恐ろしい記憶にフタをし、ドアの向こうに閉じ込めた」
コンスタンス「ドアを開けるわ」
JB「あるのは殺人だ。何もわからないんだ」
シガレットケースのJBのイニシャルに気づき「あなたのイニシャルね。今日は寝て明日にしましょう」

「しばらくの間、エンパイアステートホテルに行く」とメモを残し旅立ってしまった。
秘書のクレイマーが現れた。
「電話の声は先生と違います」持っていた写真は別人だった。

マーチソン院長「最初から変だと思っていた。医者らしくない印象でな」
別の医師「倒れた理由は?」
マーチソン院長「手術を見て我にかえり、現実を直視できずに倒れた」
別の医師「本物のエドワーズは?」
マーチソン院長「偽物が殺し、罪を隠すために成りすました。生きていると思わせるためだ。妄想による非現実的な行動の典型だ」

コンスタンスの部屋に、警察が入って来た。
警察「偽物と聞いても驚かないんですな」
コンスタンス「仕事柄、慣れてます。精神的な過労だと思いました」
警察「休暇明けの相手を過労と診断ですか」
コンスタンス「倒れたことに驚いて想像しただけです」
手紙を見た。
マーチソン院長「進展があったら知らせる」

昼、囲炉裏の部屋でフルーロ「君みたいな女性が男を愛するはずがない」
フルーロ「記憶喪失に警察の追跡・・・きっと自殺する」

ラジオでは、警察はマンハッタンを捜索中だと流れた。

エンパイアステートホテルにコンスタンスも来た。
ホテル専属の探偵が来た。
「人探しですね。力になります。探しているのはご主人?当たり? 一種の心理学なんです。もう少し情報が欲しい」
コンスタンス「ちょっと喧嘩しただけなんです。部屋番号がわからないの。しかも偽名を使っているの。謝って仲直りしたい」
探偵「調べて来ます」とフロントに行った。
戻って来て「当てはまる人は25人」
コンスタンス「筆跡でわかるわ」
ジョンブラウン 3033号室
JB「なぜ来た。僕に借りはないはず」
コンスタンス「最後まで治療に付き合うわ」
JB「犯罪者をかくまったら君の立場が悪くなる。医者としてのキャリアはどうなる」
コンスタンス「離れたくない。昨日は息を潜め、何もできず、あなたを思ってた。だから来たの。医者として」
その後、2人はキスした。

JBは横になった。
コンスタンス「思い出して子どもの頃に意識を戻すの」
JB「何かに取りつかれてるが、それが何かわからない。ムダだよ」
コンスタンス「どこかに住んでいて、誰かに愛されたはずよ」
JB「母か、妻かもしれない。幸いなことに、妻についての記憶はないよ。記憶にあるのは君への愛だけ」
コンスタンス「何か一つ思い出せば鍵になるはず」

新聞によると、“精神科医院から逃亡中の患者は、休暇中のエドワーズ医師を山の保養地に訪ね、2人は連れ立って外出し、その後の消息は不明”
コンスタンス「覚えている?なぜ一緒にいたと思う?
JB「エドワーズと一緒にいたから、彼が死んだことを知っている。だから成りすました」
コンスタンス「そうなの?」
JB「覚えてないが、前後を考えると一緒にいたはずだ。遺体が見つからないことも知っていた。僕が隠したからだろう」
コンスタンス「全部想像にすぎない。証拠もなしに自分は殺人犯だと言ってる。あなたが誰であれ、罪責感がそう思わせてるだけ。原因は子ども時代にあるわ」
JB「君は僕以上にどうかしてる。
コンスタンス「警察はあなたの名前を公表してない。エドワーズ医師のカルテに名前がないからよ。この手の傷は?このヤケドはいったいどので?半年以内に手術を受けてる。皮膚移植。3度のヤケドよ」と診断した。
JB「手が痛い」
コンスタンス「記憶を解放すれば、痛みは消える」
JB「無理だ」
コンスタンス「何があったの?」
JB「手が燃えてる」
しばらくして、正気に戻った、
コンスタンス「ほんの一部だけど、脳が過去の感覚を思い出したの。少しずつ増えるはずよ。安心して」
部屋の呼び出し音が聞こえた。
JB「誰だろう?」
コンスタンス「夕刊を届けるように頼んでおいたから」
夕刊を届けたホテルのスタッフが、一面に掲載されたコンスタンスの写真を見つけた。
コンスタンス「気づかれたわ。急いで荷物をまとめて」
一足後に警察も来ていた。
2人は駅に着いた。
コンスタンス「山から戻った時、ニューヨークを通ったはずよ。エドワーズが切符を買い、その行き先を耳にした」
JB「覚えてない」
コンスタンス「思い出すわ。窓口に行って。その時の自分と同じ行動をするの。そして同じ切符を買う」
JB「やってみる」
切符売り場に並んだ。
係員「どこまでです?」
JBは「ローマ」と言った後、具合が悪くなった
コンスタンスが横から「ジョージア州ローマ」と言った。

ホームに着いた2人。
コンスタンス「乗るふりをして振り返るのよ。警官がいる。ロチェスターに行くわ」
JB「なぜロチェスターに?」
コンスタンス「ブルロフ先生がいる。私の分析医なの」

2人は汽車のボックス席に座った。
コンスタンス「あなたは医者よ。手をヤケドしてローマに行こうとした」
JB「ローマ、そうだ思い出した。医療隊でローマ上空を飛んだ。撃たれて炎上しパラシュートで脱出した」
コンスタンス「ほかには?」
JB「わからない、記憶がない」
コンスタンス「除隊したの?」
JB「たぶん、人を殺したくないから」
コンスタンス「兵士時代に罪責感が悪化した。
JB「やめろ、ソロモン王みたいに万能なつもりか?訳知り顔でしゃべり散らすうぬぼれ女が一番嫌いだ」
コンスタンス「始まったばかりよ。まだ殴らないでね」

ブルロフ宅に着いたが、外出中だった。
「奥に先客が2人います」
お手伝いさんがそう行って、帰ってしまった。

話の内容から、先客は警察官だった。
クーリー警部補だと言って電話を取った。
エドワーズ医師の質問だけしてすぐに帰って行った。
コンスタンスは夫のジョン・ブラウンだと紹介した。
ブルロフ博士は歓迎してくれた。

JBは、ベッドの線を見て白い色と線を怖がった。
コンスタンス「ダーリン、怖くないわ。前に進んでる。キーワードは白ね」
夜が明けた。
JBは水道水を飲んだ。
髭を剃ろうと泡立て、白いものを次々と見て恐怖に陥った。
コンスタンスは寝ていた。
刃物を持ったままJBは下へ降りた。


この先はネタバレになります:続きを読む場合は左端の三角マークをクリック
博士は起きていた。
JBにミルクを渡した。
遅れてコンスタンスが下に降りた。
博士は椅子で寝ていた。
(先生が殺されていると思っただろうが、先生は無事だった)
JBは向かいのソファーで寝ていた。

ブルロフ博士「老いたとは言え、精神分析の権威の1人だぞ。何も気づかないと思ったか?」
コンスタンス「さすがだわ」
ブルロフ博士「すぐに察しがついた。睡眠薬入りのミルクを飲ませていた。警察を呼ぶ」
コンスタンス「どうか、やめて」
ブルロフ博士「私は愛じゃなくて、統合失語症の話をしている。将来有望な君が、まるで俳優に憧れる高校生じゃないか。君も知っているじゃいか。恋する女性は理性が低下する」
コンスタンス「先生は正しい。今の私は医者でも分析医でもありません。でも私の言葉じゃなく、心を信じて欲しい。心は時に理性より鋭い。助けたいんです。警察の尋問は症状を悪化させる」
ブルロフ博士「殺人犯かもしれんぞ。私にどうしろと?」
コンスタンス「警察に渡せば壊されてしまう。その前に治療を」
ブルロフ博士「1年はかかる。この男をかくまい続け、のどをかき切られたり、家を燃やされない保証は?
困った子だ」
コンスタンス「数日だけでいい。彼が犯罪者であると言う証拠はない。目撃者である可能性があるだけ。この状態では証言できない。法に背くことは何もないわ。ただ患者を治療するだけ」
ブルロフ博士「分かった。数日だけだ。私も努力してみよう」
コンスタンス「ありがとう。本当に」

JBは起きたが名前を聞かれても「わからない」
ブルロフ博士「患者自身の心の声を聞く。夢を話してみたまえ。科学的にはいびつな夢ほどいい」

ある賭博場
目の描かれたカーテンをスタッフがはさみでカットした。
ひげの男性とカードゲーム
店の主人がひげの男性にからんできた。
男が崖から落ちた。
主人が車輪を屋根から落とした。
JBは坂を走っていて、翼に追いかけられている・・・。

窓の外は雪だった。
雪に残ったスキーの跡を見て、恐怖を感じ
ブルロフ博士はカーテンを閉めた。
エンジェルバレー?ガブリエルバレーのことだった。

その頃、クーリー警部補に手配写真が届いていた。

コンスタンス「私を愛しているなら一緒に闘わせて。ガブリエルバレーに行きましょう」
JB「君を殺さない保証は?」
コンスタンス「あなたは殺人犯じゃない」
JB「そんなにも僕を信じるのか」
コンスタンス「もちろん」

2人はスキー場に着いた。
リフトなどない。
並んでスキーをした。
JBの目つきが悪くなった。
JB「弟を殺した。あれは事故だった」
崖から落ちそう寸前で2人は助かった。

思い出した。ジョン・バランタインと言う名前だった。
ロッジにいたところ、警部補が到着。
「遺体を発見した。遺体は銃殺されていた。背中から」
ジョンは逮捕されてしまった。

コンスタンスは医院に戻った。
ブルロフ博士も部屋に来ていた。
ブルロフ博士「終わったことだよ。理解して受け入れなさい」
コンスタンスは泣いた。
ブルロフ博士「誰かを愛して、そして失うのは悲しいことだ。でもいつか忘れる。仕事に励みなさい」
マーチソン院長は続投が決まっていた。
ブルロフ先生のお見送りの際「面識があった程度だが、好きになれなかった」とコンスタンスに言った。

コンスタンスはメモを見て、院長室に向かった、
マーチソン院長「明日の朝では?」
コンスタンス「待てません」
マーチソン院長「まだ無実を信じているのか?」

コンスタンスはJBの夢の内容を話した「賭博場で白のトランプで賭けをしている」
マーチソン院長「エドワーズ医師を脅した賭博場の主は私だな。その解釈だろう」
コンスタンス「凶器はまだスキー場に犯人の指紋が残っている」
マーチソン院長は引き出しから銃を出した「凶器はここにある。仕事を奪う泥棒だと非難し、スキー場で射殺した。恋に溺れた分析医が夢解きの探偵ごっこか」
コンスタンス「警察に夢の話はしません。21クラブの従業員に話を聞けば、あなたの存在はわかります。ガブリエルバレーや列車にも目撃者がいるでしょう。夢が登場する余地はない」
マーチソン院長「なるほど。君は優秀な分析医だが、愚かな女でもある。君の分析を聞いて、私が称賛するとでも?」
コンスタンスは黙った。
マーチソン院長「大事なことを忘れているぞ。1人殺しても2人殺しても刑は同じだ」
コンスタンス「もう罪を重ねないで」
マーチソン院長「君をこのまま帰すわけにはいかない」
コンスタンス「あなたは賢いから、すべて計算の上でしょう」
銃を構えコンスタンスに向け、部屋から出た後に自分に向けて撃った。

場面は切り替わり、笑顔の3人。
コンスタンス、ブルロフ、そしてジョン。
切符を渡す駅員が2人に気づいてびっくりした顔がエンディング。

------------------ ------------------ ------------------
信念を貫き通したコンスタンスが、博士の応援もあって、事件を解決した。
今回もどのような着地点になるのか、はらはらのし通しだったが、身近な人が真犯人で、しかも自供してくれたので、ハッピーエンドになった。

1945年アメリカ作品



前回の『汚名』の記事はこちら(2021年11月29日)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/miyacar/entry-12712769387.html

では、明日。