◆ヒッチコック監督の『汚名』~一般女性の体を張った潜入捜査~ | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

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いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
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▼写真AC:acworksさん 提供のフリー素材


フロリダ州マイアミ
1946年4月24日 フロリダ州南部地方裁判所
ヒューバーマン被告は、ナチスのスパイだとして、国家反逆罪で懲役20年となった。
閉廷後に娘・アリシア(イングリッド・バーグマン)にもカメラが向けられた。
アリシアの屋敷の前で、ヒッチコック監督がカメオ出演。

アリシアの家でのパーティーはお開きになった。
残ったのは、初対面の紳士だった。
アリシアはその男性・デブリン(ケーリー・グラント)を外に誘った。
「家の中だと息が詰まりそう」
他に酔い潰れた人もいた。

アリシア「私が運転する」海岸沿いをフラフラ運転。
速度計では105キロが出ていた。
白バイが追いかけてきた。
アリシア「飲酒運転は2度目だから、警察行きね」
デブリンが手帳を見せたら、お咎めなしになった。
アリシアは警察だとわかって、デブリンをビンタした。
アリシア「降りて。政府の手先なんでしょ。私を探るために近づいたのね」
デブリンが運転し家に戻り、ベッドに寝かせた。
デブリン「気分は?」
アリシア「ほっておいてよ。何が目的?」
デブリン「君に頼みがある」
アリシア「警察の頼みは想像がつくわ。お断りよ」
デブリン「ブラジルでの任務を頼みたいんだ。君の父親を雇っていたスパイがいる。IGファーベン産業は、戦前から南米で活動している。現地政府と協力し捕らえたい。上層部は君の父親が・・・。娘なら、連中も信頼すると考えている。父親の罪を償うチャンスだ」
アリシア「なぜ私が?」
デブリン「君の愛国心さ」
かつて盗聴し、アリシアが“私はこの国を愛している”、と父に言っていたのが録音されていた。
アリシア「私にも人生がある。好きな人々に囲まれて笑っていたいの。薄汚い警察のために働くより、私を理解してくれる人々と生きていくわ」
やがて心変わりして、アリシアはミッションをこなすことを決め、パンナム航空で旅立った。
飛行機でデブリンは隣に座った。
デブリンの上司のポール・プレスコットも機内にいた。

アリシアの父親が、今朝毒薬で死亡したとの情報が入った。
アリシア「父の正体を知ってから、私は荒れた生活を送って来た。でも今は思い出すの。父は優しかった。不思議な気持ちよ。もう父や自分自身を憎まずに済むのね」
話しているうちに、ブラジルのキリスト像が見えた。
アリシア「私を信じてよ。お願い」
2人は丘の上でキスした。

プレスコットは会議で、アリシアが潜入しセバスチャンを捕まえることを決めた。
パレスホテルに連絡しデブリンは伝言が入り、上司から呼ばれた。
デブリンは事務所に立ち寄った。
デブリン「彼女は潜入の訓練を受けていない」
プレスコット「彼女はセバスチャンに面識がある。セバスチャンは、朝に馬に乗る」
接触方法はデブリンに任された。

デブリンはアリシアの元へ戻った。
「セバスチャンはドイツの大企業の社長で、ドイツに兵器の部品を流している。報酬はない。家の様子と仲間について調べてくれ」
アリシア「“彼女には無理だ”と言ってくれた?」
デブリン「決めるのは君だ。断ってもいい」
アリシア「やって欲しい?」
デブリン「君が決めろ」
アリシア「信じてくれるわね。以前の私には二度と戻らないと。冷たい人ね。信じようとせず、優しい言葉もかけずに突き放すなんて。いつ始めるの?」
デブリン「明朝だ」

2人は乗馬クラブに来た。
馬が暴れたせいにして、セバスチャンに追いついてもらって再会した。

夜にアリシアとセバスチャンは会った。
アメリカ諜報機関のプレスコットも店に入ってきた。
アリシアは、アメリカの諜報機関は嫌いだと言って、セバスチャンを安心させた。
セバスチャン「父の死とともに、心まで失ってはダメだ。君の支えになりたい」
アリシア「不思議ね。あなたといると安らげる」
セバスチャン「わかっていたよ。いつか、こうなると」
アリシア(デブリンについて)付きまとわれて、迷惑しているのよ。デブリン氏に興味はないわ。寂しかったから、乗馬に誘っただけ」
セバスチャン「君のそばにいたい」
アリシア「悪い女だったのに、許してくれるの?」
セバスチャン「後悔しているなら、昔の君には戻らない。明日、私と夕食を」
アリシア「光栄だわ」

翌日、アリシア、デブリン、プレスコットと会った。
プレスコットはネックレスを用意してくれた
「パーティーの参加者の名前を覚えてくれ。鋭い連中だ。甘く見るな」

セバスチャンの邸宅に到着。
2階から母が降りて来た。
セバスチャン母「お父様に似てるわね。息子が夢中になるはずだわ」

アリシアは、お客1人1人を紹介された。
(フィリピンのドゥテルテ大統領のような顔をした)エリック・マシスは悪人ヅラ。
アンダーソン博士が今夜の主賓だった。
「なぜあのボトルがある?」エミールがワインボトルを見て取り乱した。
5人でひそひそ話が始まり、エミールを処罰することにした。
悪人ヅラしたマシスがエミールを送って行った。

競馬場
アリシアとデブリンは長く話をしていた。
セバスチャンが心配しながら様子見に来た。
アリシアはセバスチャンに「彼に興味はない」

事務所にアリシアがやってきた。
セバスチャンから結婚を申し込まれたと言う。
アリシア「当局の意見を聞きたくて」
プレスコット「理由は?」
アリシア「私への愛よ」
プレスコット「止める理由はないな」
ドイツ人科学者のレンズラー教授は、アンダーソンと名乗っていることもわかった。

アリシアは執事からクローゼットの鍵を借りることにした。
鍵は母が持っていた。
セバスチャンが母の部屋に入った。
「鍵は渡さない」と母の声が聞こえたが、なんとか借りれた。
ワインセラーは鍵が別だった。

公園で落ち会ったデブリンとアリシア。
デブリン「男が騒いでいたワインを探すんだ。パーティーに招待してくれれば、僕がワインセラーを調べる」

アリシアは鍵をホルダーから抜いた。
パーティーの日、アリシアの手にはワインセラーの鍵があり、デブリンに渡した。
「途中でお酒が足りなくなるかも」
見つかると言う不安が2人にはあった。

アリシアは「オーケストラに行って音楽を変えてもらう」と嘘を付いて、その場から離れた。
ワインセラーの前でデブリンと会った。


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デブリンはワインを調べているうちに落として瓶を割ってしまった。
しかし、液体でなくて砂だった。
「砂は金属鉱石だ」
デブリンは砂を持ち帰った。

アリシアはデブリンとキスした。
そこにセバスチャンが来た。
アリシア「力ずくで(されたの)」
これで、ワインセラー近くに2人でいることが不自然でなくなった。
デブリンはすぐに帰った。
セバスチャンはワインを取りに来たが、鍵がないことに気づいた。

キーホルダーにワインセラーの鍵がないことはセバスチャンはわかった。
翌朝、ワインセラーの鍵が戻っていた。
セバスチャンはワインセラーに入り、砂の入った瓶の並びがおかしかったこと、瓶が割れていたのも発見した。

セバスチャンは母親に「問題がある。アリシアだ」
母「いつかこうなると思っていた。デブリン氏と不倫を?」
セバスチャン「いや、アメリカの諜報員だ」
母「今考えてみれば納得よ。今更悔いても遅い」
セバスチャン「仲間に知られたらエミールと同じ結果になる。彼女は始末する」
母「私が反対したのに結婚した。今回は私の通りにしなさい。自由に泳がせて、彼女の行動を見張るのよ。情報は一切与えない。彼女を病気にするの。そうすれば最後には・・・」

アリシアはプレスコットのところへ行った。
プレスコット「すばらしい働きだった。あの砂はウラン鉱石だった。次はあの砂の入手先を調べて欲しい」
プレスコットは続けて「連絡係を変更することになった。デブリンはスペインへ。本人の希望だ」
アリシアはショックだった。

アリシアはデブリンと会った。
デブリン「顔色が悪いようだ」
アリシアは二日酔いだと言ってごまかした。
アリシア「マイアミで借りたスカーフよ。さよなら」
デブリン「どう言う意味だ?」
アリシア「ただの挨拶よ」
スカーフを渡して、アリシアは去って行った。

自宅で、具合の悪いアリシア。
セバスチャン「医者や、病院より船旅の方が安心だ」
アリシア「船酔いするの」
教授が「アイモレス山に行こう」と言って、コーヒーに手を出そうとした。
その途端、母「そのカップは・・・」と遮った。
教授「失礼」
アリシアはふらふらになって倒れ、寝室へ運ばれた。
母「私たちが最高の医者を手配するわ」
セバスチャンは執事に「ジョセフ、電話線を切れ」

5日公園で待ちぼうけだったデブリンは「訪ねてみます」
プレスコット「無茶するな」

デブリンはセバスチャンを訪ね、執事から病気で1週間前から寝ていることを聞いた。
しばらくデブリンは待っていたが、アリシアの部屋へ入った。
デブリン「どうしたんだ」
アリシア「来てくれたのね」
デブリン「二日酔いじゃなく、君は病気だったんだな」
アリシア「毒を盛られた。逃げようとしても動けなかった。正体を知られた。もっと早く愛していると言って欲しかった」
デブリン「僕はバカだったよ。君を失ってからずっと」
アリシア「怖いわ。きっと逃げられない」
デブリン「彼は仲間に隠している。寝るな、話し続けるんだ」
アリシア「(砂の入手先は)きっとアイモレス山よ」

2人は部屋を出た。
セバスチャンが打合せを中断して「何をしている」
打合せしていた仲間も部屋から出てきた。
デブリン「病院へ行って毒を抜く」
母はセバスチャンに「手を貸すのよ」
デブリン「それが賢明だ」
玄関に待たせてあった車に2人で乗り込んだ。
セバスチャン「乗せてくれ」
デブリンは断った。
仲間が「アレックス来てくれ」
セバスチャンが家に戻って、ドアが閉まったところでThe End。

(ヒッチコック監督 1946年作品)
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最後まで目が離せなかった。
驚く展開だった。
アリシアの命がけの潜入捜査が実を結んだ。
何度かコーヒーカップがアップになって、何らかしかけがあることが、見ていてわかった。
セバスチャンがリーダーでなかったのか?
この後、セバスチャンも処刑されてしまうのか?



ヒッチコック監督の『裏窓』の記事はこちら(2021年10月9日)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/miyacar/entry-12702086358.html

では、明日。