◆三谷幸喜の映画『ラヂオの時間』 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

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いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
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▼写真AC:acworksさん提供のフリー素材



ラジオ局「ラジオ弁天」のスタジオにて。
『運命の女』生ドラマのリハーサルが終わった。

プロデューサー・牛島(西村雅彦)のそばには、付き合っているアシスタントの永井スミ子(奥貫薫)がいる。
ドラマ原作の鈴木みやこ(鈴木京香)は一般の主婦で、応募した作品がドラマ化された。
牛島はみやこに「僕の持論なんですけど、ラジオドラマはいい。人間に想像する力がある限り、ラジオドラマには無限の可能性がある」と言った。

のっこ(戸田恵子)は、バーター出演が気に食わないためか、機嫌悪く、やたらと文句を言ってきた。
ヒロインの名前・りつ子をメアリー・ジェーンに変えるように言った。
それを聞いて、共演者の浜村(細川俊之)も、「虎造を外国人にする」と言い出した。
牛島は困った挙げ句、熱海からニューヨークに舞台を変えることにした。
「主人公はパチンコ屋さんでバイトしている設定なのに、ニューヨークにない」と突っ込まれた。

編成の堀ノ内(布施明)も顔を出した。

のっこのさらなるワガママは「女弁護士がやりたい」。
牛島は、他の番組の放送作家・バッキーに台本の変更を依頼し、バッキーは大きく設定を変えてしまった。
のっこのワガママに浜村は気分を害し、帰ると言って立ち上がった。
牛島が何とかなだめた。

ため息をつくみやこに、ディレクターの工藤(唐沢寿明)は「ここにいるやつらは誰もいいものなんて作ろうと思っちゃいない。牛島さんは番組が無事終了することしか考えてないし、あと女のことね。編成の堀ノ内さんは掛け持ちが多すぎて、番組にこれっぽっちも愛情持ってないし、そして俺は与えられた仕事をこなすだけだ。もしあんたが人を感動させたいと思うんだったら、この仕事やめたほうがいいよ」

みやこの主人の四郎がバンダナを届けにスタジオに来て、そのまま居座った。

浜村は、牛島に条件を突きつけた。
「こっちの職業も変える。村の漁師じゃなくて、パイロットで行く」

本番スタート。
保坂の重厚なナレーションからスタート。
番組冒頭に、録音していた原作者のコメントが流れた「私にとって、忘れられない夜になりそうです」

部隊がニューヨークからシカゴに変更になった。
ライブラリーの鍵が無く、効果音の入ったCDが調達できない。
マシンガンの音をどうするか工藤が悩んだ。
工藤と大田黒は守衛(藤村俊一)に頼み込んで、SEの作り方を教わった。
ピスタチオでマシンガンの音を作った。
バツキーの1人芝居が長くてCMを入れてカット。
「ハインリッヒは車のセールスをやっていた」四郎が何かを感づいた。
3分押していて、マルチン親父の出番はカット。

まもなく、主人公が高波にさらわれるシーンがある。
ナレーションの保坂から「シカゴには海がない。いいかげんなナレーションを読むことができない」
牛島はダムを決壊させることにした。
工藤と大田黒は、再度守衛を訪ねた。
守衛「昔は誰も教えてくれなかった。全部自分で考えた。それが俺たち効果音スタッフの誇り」
何とか教わり、トイレにて水の流れるところを録音した。
その間は、ハインリッヒ役のヒロミツ(井上順)が1人トークで繋いだ。

浜村は、名前をアドリブで変えてしまった。
自分をドナルド・マクドナルドと言い、しかも「職業までパイロットだよ」

見ていた四郎が「これって、僕らのこと?」
みやこ「そんなわけないじゃない」
四郎「実話なの?」
みやこ「違います」

船で溺れるという設定だったが、パイロットでは話が合わなくなった。
「ドナルド・マクドナルド、ハワイ上空で消息を絶つ」とナレーションされた。

スミ子が気がついた。
同時に編成・堀ノ内のところに、スポンサー・大スンダ航空からクレームの電話。
バッキー「パイロットは飛行機とは限らない。宇宙飛行士だっていい」
みやこは「ドナルドは戻って来ないとダメなんです」
のっこは「メアリー・ジェーンは、1人たくましく生きていくの」とラストに喋ると、言い出した。

みやこはナレーション保坂から「これ以上、ヒロインに自分をダブらせるのはやめていただきたい」と注意された。
みやこ「皆さんの都合で寄ってたかって、私の本を無茶苦茶にして」とかんしゃくを起こした。

マルチン親父役「皆さんにとっては100のうちの一つかもしれないが、この人にとっては一生に一度のことなんだ」

ついに、牛島が鬼の決断をする。
「まだわからないのか。千本のっこが嫌がっているからだよ。軽蔑するならすればいい。俺はそういう世界で働いているんだよ」
みやこはキレて、ハサミでコードを切り、ブースに入った。
みやこ「お願いですから、本の通りにやってください。最後に私の名前を呼ぶのをやめてください」
牛島は「私だって、名前を外して欲しいと思ったことはある。それは出来ない。責任があるからだ。名前は読み上げますよ」


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牛島は堀ノ内に「何とか収まりました」
堀ノ内「あの作家(使うのは)やめた方がいいな」
工藤は牛島に「これ以上変えたら、あの人の本じゃなくなる。誰のためじゃない。俺たちのためです」
牛島「お前は誰に向かって口を聞いているんだ」
牛島は工藤も切って、ディレクターの業務を辰巳にやるよう命じた。

工藤は大田黒と波乱を起こすことにした。
メイン調整室からスタジオと直接話をした。

バッキーからヘッドホンを渡されたみやこに、工藤から「ドナルドは必ず連れ戻す」
大田黒は浜村を連れ戻して来るた。
保坂にも連絡したか、保坂の反応「むちゃだ・・・」

四郎が割り込んで来て「こんなのわがままだ」
のっこ「あなた誰?」
四郎「ジョージだ」
ハインリッヒが湖で飛び込んだとナレーションが流れ「ハインリッヒー」と叫んで、ヒロミツから台本で頭を叩かれた。

辰巳が牛島を抑え、工藤がヘッドホンをつけ「ごめんなさい」
ドナルドが奇跡の生還を果たすことになった。
のっこは大激怒した。
連れ戻された浜村はいやいやながら、愛しい人の名前を叫んだ。
「メアリージェーン」
ナレーション「そしてメアリーは・・・」
のっこはむくれて座っていたが、ヒロミツがのっこを引っ張った。
のっこは「おかえりなさい」

守衛も見学に来ていた。
花火の音声を流すことになったが、音声トラブル。
守衛が50円玉吹いて、頭を叩いて花火の音になった。
最後にマルチン親父のセリフがあった。
番組は終了。

のっこ「面白かった」と言って帰って行った。
牛島「すみませんでした。部下の監督不行き届きで」
堀ノ内「僕はね、千本のっこが喜んでくれればそれでいいんです」

守衛は工藤に「今度はいつやるの、ラジオドラマ。あんまり頼らない方がいいよ、機械に」
工藤も笑顔で返した。

みやこは四郎に「もうやめて、あれは空想のお話なんだから。心配しないで。メアリージェーンは私じゃないんだから」

工藤に帰りに礼を言った。
「勘違いするな。あんたのためにやったんじゃない。作家の書いた通りにするのが、俺たちの仕事なんだ」
みやこ「堀ノ内さんから、続編の話もあったんです。ディレクター工藤さんにお願いしたいんです」
工藤「本読んでからだな」

牛島は工藤に「怒ってるよ、当然だろ。明日デスクに来い。クビにするほどのことじゃない。始末書書いて持ってこい」
独り言「みんなに頭下げて、気を使って、俺は何がやりたいんだよ」
工藤「言ってたじゃないすか。いつか、みんなが満足するものを作るって」

タンクローリーが入ってきて、運転手(渡辺謙)が降りて来た。
「良かったよ、今夜のドラマ。良かった、メアリー・ジェーン」と言って、泣き出した。

1997年
監督・脚本ともに三谷幸喜

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今では考えられない豪華なキャスティングにワクワクさせられた。
小ネタ満載の三谷作品の原点がここにあった。


三谷幸喜の映画『12人の優しい日本人』の記事はこちら(2021年9月11日)
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http://ameblo.jp/miyacar/entry-12695894359.html

では、明日。