◆ヒッチコック監督の『ダイヤルMを廻せ』 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
現在、「いいね」返しが出来ません。

▼写真ACから・そぅちゃんさん提供のフリー素材


フィッシャー夫妻がキスしてからの朝食
マーゴが見た新聞記事「クイーンメリー号が寄港、乗客に推理作家・マーク・ハリディ」

夫トニー・フィッシャーはテニスをやめ仕事に専念すると言った。
スポーツ用品を売っている。

マーゴは、マークからの手紙の入ったバッグが無くなった。
後日バッグが見つかり、手紙は入っていなかった。
手紙を主人に見せると書いた脅迫状が来た。

トニーは、仕事をするから食事には一緒に行けない、と言った。
マーゴとマークで食事に出かけた。
レズゲイド大尉を1100ポンドで車を買うからと家に呼び出した。
来る前に軍手を用意した。
大尉はCAスワンとして、同窓会の写真に映っていた。
(ヒッチコック監督も映っていた)

妻のマゴーはテニスの大会に帯同するのに疲れ果てていたので、全米選手権は一人で行くことにした。
家の近くで隠れていた、出かけた妻を尾行して、浮気現場を見た。
楽しそうに男とスパゲティを作っていた。

トニーは、レズゲイドが戦時中、軍法会議で刑務所暮らししていたことを知っていた。
現在は家賃滞納していて、金に困っていた。
「君ならやってくれる。現金で1000ポンドがロンドン市内の一時預かりにある」
レズゲイドが付けた指紋をトニーは拭き取った。
明晩決行する。
マークとずっとパーティーにいるから、トニーにアリバイはある。
トニーは通帳を見せ、ボンドを一気に引き落とさないで、常に少額ずつ下ろして貯めていることを説明した。
レズゲイドは、前金の100ポンドをを内ポケットにしまった。

翌日
マゴーが「新聞の切り抜きの留守番は嫌、映画でも行く」と言い出したため、トニーは『わかった。パーティーは欠席する」と言った。
マゴーは「子どもみたいなことを言わないで。わかった家にいるから」
階段に鍵をセットすることが出来た。

11時5分前
玄関はフリーになっている。
大尉が階段に隠してあった鍵を取った。
妻は寝室で寝ていた。

首を絞める準備をしてカーテンに隠れた。
パーティー会場で、トニーが時計を見たが20分前だった。
11時7分過ぎ
時計が止まっていた
「上司に電話しなくちゃ」と席を立った。
公衆電話からダイヤルMをまわした。

ようやく電話がなり、マゴーが電話を取った
「ハローハロー」
レズゲイドが背後からマゴーの首を絞めた。
倒されたマーゴは机にあったハサミを背中に刺した。
レズゲイドは即死した。
首を絞められたが咳き込んで、大丈夫だった。
格闘の様子を聞いていたトニーは「妻の具合が悪い」と言って、タクシーに乗った。

トニーは、レズゲイドの手から鍵を取ってマゴーのバッグに鍵をしまった
警察に電話して、マーゴを寝かしつけた。
凶器のストッキングは燃やした。
裁縫箱にあったストッキングを外に置いた。
マークからの手紙を遺体のポケットに入れた。

警察の鑑識係が到着した。

Intermission

翌朝ハバード警部が、警部補の捜査に疑問があるからと、自ら乗り込んで来た。
被害者の住まいはわかったが、名前がはっきりしない。
写真を見たトニーは、学生時代のスワンで、半年前にビクトリア駅で見たと言った。

警部「奥さんは、なぜ警察に電話しなかった」
マーゴ「主人が電話すると」
トニーが、なぜ正面から入って来たことを断定するのか聞いたら、「道はぬかるんでいて、玄関のシートででぬぐった跡がある」
バックを盗まれた件については、マーゴは口を閉ざした。

トニー「合鍵を作ったのでは?」
警部「それなら鍵があるはずだ。彼は鍵を持っていなかった」
マークも家に着いた。
「上司に電話すると言って席を立ったのに、なぜ家に電話したのか?」
トニー「電話番号を忘れて妻に聞こうと思って」
警部「署で話を聞こう。表は野次馬が多いから庭から出よう」

マゴーは主人の前では、手紙の件は黙っていたかった。
警部「死んだ男が持っていた。これからは起こった事実だけを話してください。正当防衛だが証人がいない。押し込みの証拠はない」
マーゴは「このアザをみて」
警部「自分でつけることもできます」
かかとに繕いがあった裁縫箱のストッキングがなくなっていて、外とテーブルの上に見つかった。

マーゴはスワン殺害の容疑で起訴された。
有罪になり、死刑を宣告された。

マークがトニーを訪ねた。
トニーはスーツケースに下ろした金を入れ寝室に置いた。
「内務大臣から通知は?」
トニーはメモを渡し「明日だ」
マーク「彼女の命を救うべきだ」
トニー「手は尽くした」
マーク「まだ手はある。ずっと考えてみたんだ。みんな彼女を疑った。証拠は3つだ。ストッキング、手紙、それと鍵が無かったことだ」
トニー「信じてもらえなかった」
マーク「私は推理作家だ。話を考えた。君が教えたと言うんだ。2人で計画したとだ。スワンは殺しに来たんだ。手紙の件は、君がバッグを盗んだと言う」
トニー「なんのために?」
マーク「私の手紙を読むためにだ」
トニー「スワンを駅で見た」
マーク「彼を巻き込むための作り話だと言う」
トニー「手紙は男のポケットに」
マーク「君が入れたのだ」
トニー「いつ?」
マーク「警察が来る前だ。ストッキングも君がここに隠した」
トニー「私がなぜ妻を殺す?」
マーク「その通りだ。お互いに彼女を愛している。だが動機は必要だ。殺す動機が。月並みな話だが、彼女は遺書を?」
トニー「もう書いてる」
マーク「受け取り人は?」
トニー「私だろうね」
マーク「それでいい」
トニー「夫婦なら当然だろう。そんな作り話は信じまい、妻は私を救おうとした」
マーク「やってみる価値はある。未遂は死刑にはならん。せいぜい数年の刑だ」
トニー「それはどうも」
マーク「彼女の命を救えるんだ」
トニー「君がいなければ、こんなことにならなかった。君のせいで陪審員の印象も。どんなわずかなチャンスでも私は試そう。可能ならだ。仮に私がスワンを口説けるか」
マーク「金で雇える」
トニー「金などない」
マーク「彼女の金がある」
トニー「死んだ後だろ。約束だけで人殺しをするか。この話はダメだ。気持ちは分かるが、誰も信じはせんよ」
マーク「信じるよ。君次第だ」
トニー「君が横にいるか」
マーク「それは無理だ。私が推理作家だと知ってる」
警部が来たので、マークは寝室に隠れた。
「数週間前に起こった強盗事件に関連して質問を」
トニー「それで?」
警部「工場の出納係が襲われました。そして数百ポンドが盗られたのです」
マークは寝室で聞いていた。
トニー「それが私と?」
警部「大金を使った人間を調べ上げます。最近何かを現金で売られましたか?」
トニー「なぜ?」
警部「先日ウエール自動車工場を調べたら、あなたが勘定を精算してた。60ポンドです」
トニー「たまたまお金があったので」
警部「銀行から引き出したのですか?」
トニー「私の銀行を?」
警部「実はそうです。しかし銀行は口が堅くて」
トニー「直接来ていただければ」
警部「一応の調べで。ご迷惑は。どこでお金を?」
トニー「答える必要が?」
警部「盗まれた金では困る」
トニー「本当に盗まれた金だと?」
警部「出どころを聞かぬことには何とも。知らぬ者からもらったなら、そいつが犯人だ。
警部はポケットから鍵を出し「ドアの鍵です。床に落ちてた」
トニー「わたしのはこれだ」
警部「あなたのじゃない私のかも。金の出どころは?」
トニー「ドッグレースで勝ったのです」
警部「100ポンドも?」
トニー「そうです」
警部「それならそうと、もっと早く言ってもらえれば」

警部が帰りかけたところにマークが出て来た。
スーツケースを見せ「500ポンド以上あります。この金は殺しの報酬としてスワンに払うものです」
トニーは冷静に「彼は私に作り話をしろと言ってきました。ストッキングも私が置き換えたことにしろと」
マークは「スワンは自分で鍵を戻したんです」

警部は通帳を見た。
マーク「最後に下ろしたのは事件の1日前だ」
トニー「大金は下ろしていない」
マーク「毎週少しずつ下ろしている」
警部はマークの説を支持しなかった。
マーク「彼女は明日死ぬんだ。あなたはいい。無実の者を捕まえただけだ」
マークはトニーに「遺書を変えるよ。君には何も残らん」と言って、出て行った。

警部「奥さんのものを取りにいらしてください」
警部は、トニーが見てない隙にコートを取り替え、出て行った。
トニーは札をポケットに入れ、部屋を出た。
警部は部屋に忍び込んだ。
警部補をすぐに「作戦開始だ」
マークが見て「何をしている」
警部「出ていきなさい」
マーゴが自宅に戻った。
持っていた鍵では開かなかった。

警部「驚かんように。ハリデイさん」
マーゴ「トニーは?」
マーク「出かけた」
マゴー「私の鍵では開きませんでした」
警部「誰の鍵ですか?」
マゴー「私のだと」
警部は、札束の入っていたスーツケースをマゴーに見せた。
マゴー「何のことだか」

マークはマゴーに「なぜここに?」
マゴー「知らないわ。看守がやってきて、私を家へ戻すって。そして刑事がここへ。入ろうとしたら、鍵が開かなかった」
マーク「警部、説明してください」
警部「驚かないでください。ご主人があなたを殺そうとした」
マーク「いつそれを?」
警部「偶然でしてな。あなたの逮捕後、ご主人が突然大金を使い出した。そこで金の出どころを考えた。その時、あの机の通帳を思い出したのです。刑務所へ行き、バッグを調べた。そしてドアの鍵を見つけた」
警部「どうにも血が騒ぎましてな。今朝、ご主人の留守に通帳を調べにきた。ところがドアが開かなかった。あなたのバッグの鍵が合わない」

見張っていた警部補「奴です」
警部「コートが違うことに気づいた。あと1歩だ」
警部は警察に電話した。
トニーは警察に、マゴーのバッグを取りに行った。
階段に鍵があった。

警部「いい推理だった。スワンは階段に鍵を戻していた。スワンのポケットから出したのは、スワン自身の鍵だった」
マーゴ「なぜ私が来たのに、入れてくれなかったの」
警部「置き場所を知っているか(確認したかった)」
マーク「それで?」
警備「(マーゴは階段の鍵を)知らなかった」
マーゴ「気が抜けたわ」
警部「もうしばらく、しっかり。彼が戻ってくる」

警部「バッグの鍵が合わなくて、ドアの階段を見る」
マーク「彼女は?」
警部「自由になる」
「戻って来た」窓から見ていた警部が実況してくれた。
「鍵に首を傾げてる。諦めた。止まった。振り向いたぞ、戻ってくる」
トニーは階段にあった鍵を取って入ってきて、電気をつけた。
みんなが室内で待っていた。
出ようとしたら、警部補が立ちふさいだ。
マーゴは涙を流した。

トニー「マーク、筋書き通りだね」
ブランデーを飲み、マーゴとマークにも勧め「警部は勤務中ですな」
警部はヒゲをこすりながら電話した。
(1954年アメリカ作品)
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逆転の痛快劇で、スッキリできた。
刑事コロンボを彷彿とさせるハバード警部の調査力が楽しかった。
コロンボでは犯人に同情することはあっても、今作品は容疑者マゴーに同情した。
『見知らぬ乗客』との共通点もあり、アンサー作品のようにも感じた。
カラーで見やすかった。
ヒッチコックさん、感動作をありがとう。


前回の『間違えられた男』の記事はこちら(2021年7月4日)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/miyacar/entry-12684281527.html

では、明日。