昨年5月。
母と、
『お花を見られそうな所を全部回ろう!ツアー』
と称して、二日間に渡って母宅の近辺、車で1時間以内のところ全てを周りました。
その時、少しの斜面で何度か転んでいた母。
「大丈夫?なんか歩く時にバランス悪そうだけど…」
「大丈夫!もうおばあさんだから、足腰が弱ってるだけよ」
その後、
「体調が悪いようなら、ちゃんと調べてもらった方がいいよ?」
「分かった。明日、いつもの内科に行くから相談してみる」
と電話で話していた翌日。
母は救急車で運ばれ、そのまま入院することになった。
「お母さんは、このまま歩けなくなったり、喋れなくなる可能性も高いです。家に帰る、所謂『退院』ができない場合も考えておいてください」
言葉は重く、ずっしりと。
しかし、諦めずに出来るだけのサポートをしようと決めた。
それから約半年間。
母はリハビリ科のある病院に転院し、毎日毎日、本当に頑張っていた。
ある日、車椅子で病室の外まで見送ってくれた。
ある日、言葉が殆ど聞き取れるようになっていた。
ある日、杖を持って立っていた。
「春がきたら、また一緒にお花見に行こうね!」
後に、この私の言葉が励みになったと話してくれた。
先日。
約束どおり、また一緒にお花見ができました。
「坂を歩けたから自信がついた!これから暖かくなるし、ゆっくり散歩してみる」
何もかもが元通り、とはいきません。
でも、私たちはみんな、そうやって生きていく。
怪我をした場所を庇いつつ、他の部分を鍛えて補ったり。
病気で以前のように機能しなくなった内臓を、薬や食事でフォローしながら生活したり。
ただ実直に生きていることに向き合って、時には踏み外しながらも、なんとかかんとか生きていく。
明日がどうなるかなんて誰も分からないから。
ここで「バツンッ!」と終わっても
「わあビックリした、いきなり終わるんかい!まあしゃあない。やるだけのことはやったわ。後は生きてるみんな、よろしく頼む!」
と言えるように。
そうやって生きていたら、また来年もオカンとお花を見られたら、それはそれはラッキーだ!と一段と喜べることでしょう