自化忌(D→)は大凶だけど、 吉の意味もあるのですか?
■生徒さんからのご質問
欽天四化の上級講座では、上図の命盤において自化忌(D→)の串聯は、「吉の意味になる」というような説明を聞きました。
先生の説明では、将来「会社を辞めて自分で自営が出来るようになる」と説明されました。
凄く良い意味に聞こえました。
その理由というのが、官禄宮(仕事)と田宅宮(自宅)が自化忌(D→)で串聯(ちゃんれん)しているからだそうです。
本当でしょうか?
■私からの回答
自化忌(D→)は、ハッキリ言って吉の意味は無しです。
自化忌(D→)(以降、自化Dと表記)は、トラブル、苦労、それ以外の意味は無いです。
だから、命盤に自化Dが有る宮は要注意です。問題の時期が訪れた時には、その宮の意味することで問題が起ったり、苦労する可能性があります。
送って戴いた命盤では、官禄宮に自化Dですから、いつか仕事のことで失敗や苦労が起こる可能性があります。
田宅宮も自化Dですから、家の事、家族の事、不動産のことなどで問題が起る可能性があります。
欽天四化の先生が、「将来、脱サラ起業し、独立自営が出来る」と説明されたのかも知れませんが、確かに欽天四化の理論なら、そういう意味に成ると思います。
その意味は、官禄宮と田宅宮で「串聯(ちゃんれん)」しているから、そう説明したのでしょう。
串聯(中国語)の意味
「串聯」は、日本語で「順々に連絡を取り合うこと」または「つながりを作る」という意味です。
具体的には、以下のような意味合いがあります。
- 人や物を順番に繋ぐこと: 例えば、「串聯して情報を共有する」のように、人や情報を順番に繋いで共有することを意味します。
- ネットワークを構築すること: 例えば、「各地の拠点同士を串聯する」のように、複数の拠点やシステムをネットワークで繋ぐことを意味します。
欽天四化の紫微斗数では
「串聯」とは、「同象の自化が複数、命盤に有れば、同象の自化どうしは串聯する」という理論があります。
ただし、同象の自化が命盤に複数有っても、その同象の自化の間に他の種類の自化が割って入るような場合は、串聯は出来ません。
話を戻します。
最初に示した命盤です。
この命盤では、官禄宮と田宅宮が串聯しているから、
「仕事」⇔「自宅」と解釈し、「自宅で仕事をする」、つまり脱サラ、起業、独立、自営と解釈した訳です。
ただし、最近では在宅ワークも同じ意味になりますが、命盤に現れているものは、一時的な意味より、恒久的な意味合いが現れていると思った方が良いです。
確かに、田宅宮と官禄宮の串聯だけ見れば、独立、自営と解釈してメデタシ、メデタシ、吉の意味と解釈したのでしょう。
しかし
自化で串聯していても、その自化の種類が重要です。
メデタシ、メデタシと喜べる場合は、自化A、あるいは自化Bなら良いですが、自化Dは不吉です。
何故なら、自化Dは「災い、トラブル」の象意で良い事など一つも無いからです。
欽天の先生が、「独立、起業出来る」と喜んだなら、それはちょっと疑問です。
私の見解は
「独立、起業出来るでしょうけど、トラブルに見舞われないようにしてください」と言います。
自化忌(D→)であっても串聯していれば、いずれ独立起業したくなるでしょう。しかし、それは要注意です。
何故なら、
官禄宮の「自化D」は、仕事のトラブルです。
田宅宮の「自化D」は、家族、家、不動産のトラブルです。
で、この二つの宮が串聯しているのですから、「トラブルを共有」という意味合いになるのです。
「串聯していれば凶意が減少する」と欽天四化の先生は云うかも知れませんが、そんなことはありません。
官禄宮と田宅宮が「自化Dで串聯」していれば、いつの日か、独立自営をしたくなるでしょう。その事によって、
仕事の失敗が家族や家不動産を巻き込む可能性があります。
あるいは、
家族の問題が自分の仕事に問題となるかも知れません。
いずれにしても、自化Dで串聯は「災難を共有、あるいは波及」すると考えた方が良いです。
ただ、災難を共有するという意味では、災難を自分一人で背負わなくても良いという意味では、吉なのかも知れませんが。
問題の責任が、他を巻き込むことで分散されて、自分は楽(責任逃れ)になる可能性はあります。
言い換えれば、自分の失敗を人に負わせる、なんていう意味にもなります。
いずれにしても、自化Dで串聯は他も災難に巻き込んで、迷惑を掛ける可能性も有るという事です。
結論としては、自化Dで串聯は要注意です。
私の知り合いに、自化Dの串聯が多い人がいます。周囲をトラブルに巻き込んで涼しい顔をしている人がいます。
他の国ように、自分の利益だけを優先し、その事で人に迷惑を掛けても、構わないとする価値観なら、自化忌(D→)の串聯は「吉」と判断するのでしょうね。
やはり、その国の国民性が現れると感じました。
参考になさってください。