「自化」を欽天四化では「流出」と云い、損失(凶)と学んだけれど… | 紫微斗数(星曜派 四化飛星 欽天四化) 宮立命/宮巫女 Miya_ritumei/Miya_miko

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自化(流出)は何でも損をするのか?

 

 

 

生徒さんからのご質問で。

 

■以前に欽天四化の上級講座まで学んだ時に、欽天四化では、自化はたとえ自化禄(A→)でも損失(凶)を表す。だから、自化禄(A→)であっても、自化は一つも無い方が良いと欽天四化の先生に学びました。

 

そして、その先生は自化禄(A→)は、欽天四化では「流出禄」と云い「出て行く」という象意であるから、生年化禄Ⓐが入っている宮は、何処の宮の自化禄(A→)でも、自化禄(A→)のマイナス作用(凶作用)を受けて、生年化禄Ⓐの宮で、財(金銭、財産)の流出(損失)が起こる。だから自化禄(A→)は凶と、学びました。

それは本当でしょうか?

でも、上図のような命盤の人は両親と仲が良く、両親の面倒も喜んで良く看ています。そのための出費も少なくはないようですが、本人はそれほど悩んでいないので、凶(損失)というのが理解出来ずに、不思議に思いました。先生は如何に考えますか?

 

 

■私からの返信

私も欽天四化の上級まで学びました。確かに私も、「自化禄(A→)は損失、凶」と学びました。

だから「自化は一つも無い方が良い」と学びました。

 

 

しかし、実際に多くの人を鑑定して感じたことは、理論丸のみ鑑定では、正しい鑑定が出来ないことが判りました。

 

どんな状況の命盤でも、相談者さんがこれまで生きて来た課程で、相談者さんがどのような思いで生きて来たのかを知ることが重要と思いました。

 

命盤上、同じ理論が成立していても、それに対する相談者さんの想いは違うということです。

 

生徒さんが示してくれた上図の命盤を以下に再掲載します。

この命盤では、命宮に生年【化禄】(以降はⒶと表記)ですから、この命盤の人は人柄も良く、人間関係を大切にし、皆と共に幸せに成ろうという性格の人と見受けられます。

そのため、周囲から良い印象を持たれるでしょう。

 

※もしかして、欽天四化の講義では吉凶の理論のみで、人の性格や個性、感情を取り上げることは無いかも知れませんね。

 

さて、この命盤では自化A(自化禄)が、命宮と父母宮に二つあります。

自化Aは、その宮に後天的に生年Ⓐの象意が生ずる意味があります。

 

命宮にも自化Aが有り、元々、命宮には生年Ⓐもあります。

と、いうことは、命宮Ⓐの人柄の良さが、自化Aも有りますから、後天的に更に【化禄】の作用が強まります。

※欽天四化の理論の中に、「生年四化の有る宮に、同象自化は大凶」という「必定」の理論があります。

 

※印で注釈した、「同象自化の必定」の理論は生年四化の単独の作用と、自化の単独の作用の現象とは区別して考えてください。

「同象自化」の作用は、欽天四化の独特の理論で、家族の誰かが早くに死亡(離婚、死別)するような意味も含まれます。

これをゴチャ混ぜに解釈されている生徒さんがとても多いです。

家族の誰かが早死にするか、どうかは、別の方法(オハジキ占)で確かめられます。欽天四化だけで判断すると、トンデモナイ誤判定する可能性があります。実際に欽天四化で専門に鑑定されている先生が大外れさせている例を何度も見て来ました。

 

話を元に戻します。

 

この命盤の人は人柄が良くて誰に対しても快く接し、協力も惜しまないでしょう。そのため、本人も周囲から何かと協力が得られやすいと思います。

ただ、命宮Ⓐに命宮の自化Aは、化禄の作用が強く成り過ぎて、結果的に【化禄】の作用が仇になる時が訪れます。

それは、どんな仇かと云いますと、お人好しが過ぎて、自分の事が後回しになってしまう事です。そういうことで、ストレスが人生に於いて多く成り易いです。

つまり、この場合の「Ⓐ-A」の必定(破格)は、人柄が良いのが災いしてストレスが発生する可能性ということも想定できます。

きっと、この命盤の旦那さんの奥さん曰く、「うちの旦那は皆から、とても好かれて、いろいろ頼まれることが多くてね、それで家の事がいつも後回しなんだよね」って言うのではと思います。

 

 

そして、父母宮にも自化Aがあります。

やはり、命宮の自化Aと同様に父母宮にも、後天的に【化禄】の象意が発生してきます。

すると、どうなりますでしょうか。

父母宮は両親(欽天四化では父母宮は父親のみを視るような事が多いですが、基本は父と母の両親と観てください)その他、一目置くような関係の人、先生、上司、先輩などです。

※ 欽天四化だけで判断すると鑑定時に抜けが生じます。

 

この父母宮にも自化Aがありますから、後天的に父母宮の人(両親など)に対しても関係性を大切にするように成る訳です。

 

 

そして、命宮と父母宮に揃って自化Aが有れば、「串聯(ちゃんれん)」という欽天四化の独特の理論が成立します。

 

この命盤の、命宮Ⓐと命宮(自化A)、父母宮(自化A)、命宮と父母宮が自化Aで串聯している、その作用について以下のように説明出来ます。

 

■命宮Ⓐの人なので、人柄も良く人助けも惜しまないでしょう。

 

※【化禄】の象意は、人柄の良さ、人間関係の良さ、財に恵まれる、というのが代表的な象意です。

 

自化は欽天四化では「流出(損失)」という解釈です。

 

■命宮(自化A)と父母宮(自化A)で串聯を、「欽天四化」の理論で解説すると⇒ 

命宮Ⓐは、自分の財産を表し、それを命宮(自化A)で流出(失う)⇒ 父母宮の自化Aと串聯しているので、命宮Ⓐの自分の財産(金銭)を父母宮(両親の為に失う、出費)、結果的に命宮Ⓐが欠損となる。

※欽天四化の理論では、六内宮の【化禄】Ⓐが六外宮の自化Aによって失われる(損)となります。

つまり、六内宮(自分の物)が六外宮(他人に)に出て行ってしまう、だから損失。

 

■同じ事を、欽天四化とは別の解釈で解説します。

命宮Ⓐの自分の金銭を両親に出費する。

自化Aも生年Ⓐも【化禄】ですから、何よりも人間関係を重要視します。つまり助け合いの精神を重要視します。

 

【化禄】は人間関係の良さを喜びと感じる作用です。

人に対して、何かをしてあげる(場合によってはお金を出してあげる)ことで、自分自身が喜びを感じ、幸せな気分になれる作用です。共に幸せになることを喜びとする作用です。

この【化禄】で両親に支援し金銭を負担しても、それが喜びなのです。

つまり、年老いた両親のために、いろいろ世話してあげて、お金も出してあげることが、命盤の本人が幸せになる事なのです。

 

 

例え話をします。

あなたが若い頃、好きな異性が出来たとします。

あなたは、その好きになった異性に何か(親切、手伝い、プレゼントなど)をしてあげたいと思うようになるでしょう。

 

そして、それを実行したら、相手の異性が喜んでくれたら、あなたはどう思いますか?

 

あなたは気分が悪いですか? 

 

それとも「やったー」って嬉しくなってしまいますか?

 

 

 

普通はなら、相手が喜んでくれたら、自分も嬉しいですよね。

相手が喜んでくれたら、あなたは何かしてあげた事ををしたとは思いませんよね?

プレゼントのためにお金を使ったことを大損したとは思いませんよね?

 

この作用が【化禄】の作用なんです。

 

しかし、欽天四化の考えは、たとえ【化禄】でも数学的に、六外宮(自分以外)に出費するものは「損」マイナスという考えになります。

つまり、人の心や感情を配慮していないのです。

単なる物の評価に長けているという事です。

 

 

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※ 串聯は四種類の自化(ABCD)が複数命盤に有る場合に成立します。象意はいろいろな意味が含まれます。

※ここでは、串聯の様々な説明象意についての説明を割愛します。

 

 

欽天四化を学び始めて驚くことがあります。

それは、善意で行う事でも、命盤の解釈は「損」となる事です。

喜んでやっていることでも、それは「損なこと」と「凶」となることに戸惑うことがあるでしょう。

 

なぜ、このような結果に成るのかは、おそらく欽天四化や紫微斗数の発祥の頃に理由があるのではと思っています。

 

これらの占術は古代中国です。

古代の中国はいわゆる漢民族が大陸を仕切っていて、朝鮮半島に攻め込んだりしていた時代です。

 

そのような危ない時代には、善意で行っても裏切られたりが、日常だったのかも知れません。信じられるのは自分(六内宮)だけ、人(六外宮)は信用できない時代だったのでしょう。

 

「気のいい事を言っていると、ケツの毛まで抜かれる」とかいう諺もありますから、そんな怪しい人たちがウロウロしている時代背景を考えれば、善の好意さえも損得勘定せざるを得なかったのでしょうね。

 

日本人にはシックリ来ない訳です。

 

そんな時代背景の解釈を現代に、そのまま当てはめても「時代錯誤」としか言いようがありません。

 

その辺りを念頭に古代の占いを学ぶ必要はありそうです。