”すべてを失うと言われた” ご相談者さんの再鑑定の結果
今は鑑定のご予約をされても、空きが無くてすぐには鑑定が出来ない状態です。
そう言う訳でご予約から数カ月お待ち戴いての鑑定となります。
そんな中、大変に落ち込んでしまわれていた女性の、鑑定が先日やっと出来ました。
「来年からの10年間で全てを失う」と何処かの占い師に鑑定され、落ち込んでしまわれた方です。
出生情報は鑑定のご予約時にはお知らせ戴いていたので、命盤は直ぐに作成が出来ました。
彼の命盤も併せて出来ましたので、非常に高精度の鑑定が出来ます。
作成した命盤を診て不思議に思いました。
命盤のどこを見て 「全てを失う」と鑑定されたのかなって。
確かに命盤に「自化」も多く、命盤としては賑やかですが、「すべてを失う」とは言えませんでした。
彼との相性は悪く、金銭面での問題の多い彼のせいで苦労は多いです。しかし、数年先に別れてしまいそうになっています。
欽天四化で診ると「遷移宮」の【天同】に彼が居なくなる象意が出ています。彼のために苦労されてもそこまでです。
それ以降は、ご自身が一人で頑張る方が成功して行く運命になっています。
あらためて「全てを失う」の意味が理解出来ませんでした。
やっと鑑定の日が訪れ、「すべてを失う」とは、どのような説明を受けたのかお聴きすることが出来ました。
それは命盤の宮の一つに「天空と地劫」という星が同宮(一緒に入っている)からだそうです。
天空と地劫は双星と云われ双子の星です。この二つが同じ宮に揃って入っているので占い師は驚いたのでしょう。
命盤の一部
右下の隅の「疾厄宮」に、天空と地劫が確かに入っています。
これを見て全てを失うと、占い師は判断したそうです。
ところで、「すべてを失う」とは何を失うのでしょう?
その辺りの詳しいことは占い師は判らなかったようです。
何も判らないのに、どうして「すべてを失う」と断言出来たのでしょう?
きっと教室でそういう風に丸暗記で学んだのでしょう。
これでは素人レベルです。
「来年からの10年間で」と、鑑定されたのも疾厄宮が「D54」とあり、54歳からの10年間という意味になるからです。
この女性は来年から54歳になります。
その占い師の提示してくれた命盤には、「向心力」も「自化」もいっさい記入されてなかったそうです。
「向心力」や「自化」というのは、命盤の中に記入してある様々な矢印です。これらを命盤に記入しない紫微斗数は「星曜派」と云われる、日本ではもっともプロの占い師が多い流派です。
しかし、残念ながら重要な案件では飛星派や欽天四化には、とうてい及びません。
星曜派の優れている所は、その人の個性や人柄、性格などを診れることです。でも、「全てを失う」というような案件を鑑定するのには、まったく当てに成りません。
ちなみに「天空・地劫」は星曜派では、どのように説明されているのかご紹介します。
鮑黎明先生のご著書「飛星紫微斗数闡秘」 P178~179より抜粋
>地劫⇒ 破失の星。破壊・分離・紛失を主る。
>天空⇒ 多災の星。
今でも何の疑問も持たずに、この象意をそのまま教えている教室が多いようです。教える側も当たらないことを知らないのかも知れません。
それは紫微斗数を教えている師匠が、自身の鑑定に紫微斗数を使っていない場合が多いようです。つまり当たらない。あるいは分からないので使わない。でも教室でおしえる。こんな事ではと思います。
私も紫微斗数を学び始めた頃に、教室でそのように教えられました。
でも、実際の鑑定では教室で教えられたような起こりません。何千人も鑑定しても教室で教えるようなことは誰にも起きていません。
何千人も鑑定してハッキリ言える象意は以下のようなことです。
■地劫⇒ 誰かに命令された訳ではないが、ついつい自分が「やらなきゃ」と手を出してしまう行為。
■天空⇒ 気遣い、心配、不安。
これらの星が入る宮で上記の作用が出ると考えると良いです。
双子の星でも二つ揃っても心配は無用です。
例えば、金銭を診る「財帛宮」に天空・地劫が揃って入ったら、以下のような現象が多くなります。
■地劫は金銭面で出さなくても良いような場面でも、ついつい「自分が出さなきゃ」と思ってしまうようです。
天空は金銭面での心配性、気遣い、気苦労が多くなります。
二つの星が揃うと、金銭面で普段から気遣いする人で、ついつい自分から負担してしまう傾向があります。
こういう人に金の無心をすると、嫌がっても結局は出してくれます。あるいは金を貸してくれます。そして「返せ」とは言い難くのでしょう、催促もされないです。
もちろん、貸せる方は嫌ですが断る事が出来ないのです。
これってまるで【化科】の象意ですね。
ということで、天空と地劫は大損害の星ではなく「何かと労を負う」星です。
天空・地劫の悩みで鑑定依頼に来る方は時々来ます。
それは、「誰もやらないような仕事を、自分はずっとやっているが、評価されない」というようなことです。
このように成った事の始まりは、「自分がやらなきゃ他に誰も居ない」と、仕方なく始めたことがきっかけで、以降はその人の役目みたいに成ってしまったのです。
一度やり始めてしまうと辞める勇気が出せなく、延々と損な役割を負いやすいです。
天空と地劫は「最初が肝心」です。
「やらない勇気」を持つことです。
天空・地劫にぴったりの諺があります。
■骨折り損のくたびれ儲け
鑑定結果で悩んだらご相談ください。