合唱人 西村 英将 のブログ

合唱人 西村 英将 のブログ

エストニア在住9年目になる合唱人です。
現在国立男声合唱団に在籍しながら音楽院で作曲の勉強をしており、ブログでは日々のとりとめの無い話や作曲、合唱、国際情勢について呟いたりしています。(合唱曲の委嘱、エストニア語のレクチャーなどご入用の際は是非ご連絡を♪)

Amebaでブログを始めよう!
皆様こんばんは。忙しさにかまけてすっかり無沙汰を重ねてしまい、数か月ぶりのブログ更新です。

 皆様もご存知の通り、今年の7月には、5年に一度のエストニア歌と踊りの祭典がタリン郊外の歌の原で開催される予定ですが、隣国ラトヴィアでも5年に一度(前回は2013年)、またリトアニアでは4年に一度(今回は2014年ですのでかぶっています)、またバルト三国の各地方でも小規模の合唱祭が5-7月にかけて行われ、各地方の民族衣装を纏った参加者たちによる歌やダンス、合唱に民俗音楽など、それこそ夜を明かしての演奏が繰り広げられます。



さて、先週エストニアとラトヴィアとの国境沿いにある町Valka
の野外音楽場にて、エストニアとラトヴィアの合唱団による合同合唱祭が行われ、自分が現在所属するエストニア国立男声合唱団RAMもそれに参加してきました。



人口6500人足らずの小さな町ヴァルカ、そして川を挟んで隣町の(エストニア領)ヴァルガ、これらは元々は一つの町だったのですが、第一次世界大戦後エストニアとラトヴィアとの間に領有権問題が発生し、町が二つに分割される事態となりました。
しかしその後ソ連による併合、独立後EU加盟、そしてシェンゲン条約を経て国境の壁も取り払われ、現在はパスポート不要で自由に往来が可能となっています。


(1900年代前半当時のヴァルカ合唱祭)

1800年代後半、この時期はバルト三国全体で民族回帰運動が最も盛んであり、その一環として様々な合唱団や吹奏楽団が設立され、ラトヴィアの教育者でありラトヴィア合唱音楽の開拓者とも言われる
Jānis Cimze氏が主導し、1868年、初めての合唱祭がこのヴァルカで開催されました。(ちなみに今年はJānis Cimze生誕200周年でもあり、今回の合唱祭もそのイベントの一環ともいえます)


(ヴァルカ野外音楽場前のモニュメント)


(ステージ傍の小川)



(ステージから見た観客席)

上記のとおり、第一次世界大戦後不幸にもヴァルカは二つに分割されてしまいましたが、以降もヴァルカとヴァルガの合同文化プロジェクトとして合唱祭が現在まで続けられていきました。


(エストニア軍防衛音楽隊および指揮者Peeter Saan氏)

今回我々が演奏した曲目は、エストニアの作曲家Rene Eespere
氏によってこの合唱祭の為に書かれたカンタータ[Ante lucem]の新作初演です。
この曲はオーケストラと男声合唱、バリトン&メゾソプラノソロの編成で、エストニア語とラトヴィア語の語り、そしてラテン語の歌詞によって構成され、演奏はエストニア国立男声合唱団、エストニア軍防衛音楽隊、ラトヴィア人およびエストニア人ソリスト、そしてPeeter Saan氏指揮によるものです。
柔和なホルンの旋律、マリンバやビブラフォンの効果的なパッセージ(…尤もビブラフォン奏者はまだ新人のようで、少しリズムが危ういものでしたがw)、そして教会旋法で紡がれる合唱パートと、決して派手さはないもののどこか懐かしく、聴く人の気持ちを落ち着かせるとても優しい曲で、今回だけに限らず次回もまた歌っ
てみたい…と、そういう気持ちにさせる曲でした。




ちなみにこの日はお昼にリハーサルが行われ、終了後は簡単な昼食(歌の祭典での恒例メニューであるセルヤンカ(トマトと野菜の具沢山スープ)、パン、ヨーグルト)を済ませた後、団員及び関係者と共に
Jānis Cimzeのお墓詣りに行き、そこで軽い黙祷と演奏を捧げました。


(合同合唱のリハーサ
ル)


(本番前のステージ裏にて)

そして
一旦宿泊場所(元軍事施設で、現在は兵器博物館兼ゲストハウス)に戻って軽く休んだ後、衣装に着替えてチェックアウト及び出発。


タリンに戻る都合上、演奏終了後はすぐさま撤収で(リハーサル以外で)他の団体の演奏を聴く事が出来なかったのはとても残念でしたが、エストニアとラトヴィアの合同合唱祭、また機会があれば是非参加、あるいは聴いてみたいと思います。



(直前のスタンバイ)


次回は7月のタリン歌の祭典についてのレポートを書く予定です。
(また前日のValgaでの公演はじめ、国立男声合唱団ほかエストニアで行われた様々な公演についてはFacebookに順次アップしておりますので、そちらをご確認いただければと思います)
それではまた。
2000年

あいたくて
 作詞:工藤直子 編成:混声2部+ギター

備考:ドイツ留学するギター科の友人のために書き上げた作品
初演:2000年11月
2001年

一粒の麦が地に落ちて ~ヨハネによる福音書より~ 編成:混声4部

備考:高田三郎の「ヨハネによる福音書」に影響を受けて書き上げた習作
初演:日本大学芸術学部合唱団「楽友会」

還らざる時の終わりのミサ:Kyrie 編成:無伴奏混声7部

備考:オリヴィエ・メシアンの移調の限られた旋法を、それぞれのパートで異なる旋法を用いて書き上げた作品。
後日オーケストラ用に編曲
初演:日本大学芸術学部合唱団「楽友会」

2002年

還らざる時の終わりのミサ:Kyrie (オーケストラ版)

初演:日本大学芸術学部音楽学科オーケストラ

Missa Pange lingua 編成:男声4部

備考:2002年当時所属していた混声合唱団の、定演の男声合唱の部のために書き上げた作品
難易度が高すぎて結局演奏には至らず、後日ハンドベルを加えて加筆修正されたものが、エストニア国立男声合唱団によって演奏された
初演:エストニア国立男声合唱団(2007年12月21日 聖ヨハネス教会)

2003年

無伴奏混声合唱のための聖母マリア賛歌:
・Salve Regina 編成:混声6部
・Regina coeli 編成:混声4部
・Ave Maria 編成:混声4部

備考:楽曲中の[Ave Maria]は、2013年にGustav Ernesaks作曲コンクール(エストニア)で入選。
初演:Estonian Music Academy Project Choir、日本初演:ジャパンユース合唱団(2004年3月27日、松山聖カタリナホール)(いずれもAve Mariaのみ)

2004年

Ave verum 編成:混声6部

備考:前作の聖母マリア賛歌と同じく、数秘的技法(単語を数字化し、その上で音や小節数に当てはめて構成するオリジナルの作曲技法)を用いて書かれた作品。
初演:ジャパンユース合唱団(2005年4月2日、浜離宮ホール)

2005年

還らざる時の終わりのミサ:Sanctus 編成:2群混声4部

備考:南フランスのルルドにある奇跡の泉、そしてヌヴェールにある修道院に足を赴き、そこで着想を得た作品
初演:なし

Caritas numquam excidit 編成:混声4部

備考:友人の結婚を祝って書き上げたウェディングソングで、彼女の名を音に変換して当てはめている。翌年ポーランド国際作曲コンクール[Musika Sacra]にこの曲を出品し、最高位(1位なしの2位)を受賞
初演:ポーランド室内合唱団(2006年5月)

Salve Regina 編成:混声4部 / 男声4部 / 女声2群6声+オルガン、チェロ

備考:伊東恵司氏のために書き上げたクリスマスソング。メロディー主体の曲との要望を受け、導入部にパッヘルベルのカノンの和声を組み込んでいる(また後日エストニア国立男声合唱団のクリスマスコンサート用に男声版、そしてNHK東京児童合唱団からの依頼による「ひめくりささげうた」では、女声合唱用に編曲している)
初演:混声版:葡萄の樹合唱団(2005年12月)、男声版:エストニア国立男声合唱団(2006年12月)、女声版:NHK東京児童合唱団ユースシンガーズ(2011年4月)

2006年

3群の混声合唱のための吟唱百人一首 

備考:この時は楽曲中前半のみの演奏で、翌年完全版が福岡にて演奏される。演奏時間約27分30秒。
初演:ジャパンユース合唱団(2006年4月1日 仙台市青少年文化センター)

大漁  作詞:金子みすヾ 作曲:西村直記 編成:混声4部+ピアノ

備考:父である西村直記の曲を、合唱用に編曲したもの
初演:不明(キングレコードよりリリースされたCD[金子みすヾの世界]に収録)

加茂松坂  新潟県民謡 編成:混声4部(div.による8声およびsoloあり)

備考:アジアユース合唱団参加の際、2日間で書き上げたもの。松原千振氏によって2008年に初演されて以来、日本国内のみならずポーランド、フィンランド、エストニア、韓国など、現在私の作曲した作品の中で最もよく演奏されている
初演:アジアユース合唱団(2008年8月11日 新潟)

Отче наш / われらが父よ 編成:混声4部

備考:エストニア・ロシア正教音楽祭[CREDO]に出品したロシア語の作品
初演:Ru:nekund(2006年9月 エストニア国立劇場)

Eesti Rahvalaulud 1 / 無伴奏女声合唱のためのエストニア民謡集1:
・Velekesed noorõkõsõd(同胞よ、若者よ)
・Kui mina alles noor veel olin...(私が若かりし頃には)
・Kadrilaul(聖カタリナ日の歌)
・Karjased ja Lõikuselaulud(仕事歌と収穫歌)
・Surnuitkud(セトゥ地方の哀歌)
・Ärge lööge vaelast(孤児を打ってはならない)

備考:エストニアの各地方、各ジャンルの民謡を扱った、おそらく日本人初の試みの合唱組曲。またエストニア語の解説や日本語訳も全て本人の手によるものである
初演:女声合唱団クール・クレール(2006年10月29日 しらかわホール)

2007年

3群の混声合唱のための吟唱百人一首(完全版)

初演:ジャパンユース合唱団(2007年3月31日 アクロス福岡)

筑後酒造り唄および炭坑節 編成:混声4部

備考:ジャパンユース合唱団福岡公演の際に、アンコールとして福岡県民謡を用いて作曲したもの
初演:ジャパンユース合唱団(2007年3月31日 アクロス福岡)

無伴奏混声合唱のための大分県民謡の三つの唄:
・地形唄 ~豊後国の3つの主題による~
・18の主題による豊後の田植唄
・ヨイヤナ


備考:大分の混声合唱団ウィステリア・コールのために書かれた、大分県民謡を題材とした合唱組曲。2曲目の田植唄は後日、コンクールのために一部短縮したバージョンを提供している。またヨイヤナは後日女声及び男声合唱用に編曲
初演:合唱団ウィステリア・コール(2007年6月23日 iichicoグランシアタ)

Maa ja Rahvus / 大地と祖国  編成:混声4部

備考:エストニアユース合唱団(指揮:Taavi Esko)のために書き上げた、エストニアの詩人Karl Ristikivi氏の詩を使用したエストニア語の合唱曲
初演:エストニア高校ユース合唱団(初演日および公演場所不明)

Eesti Rahvalaulud 1 / 無伴奏女声合唱のためのエストニア民謡集2:
・Kaks Mängulaulu(2つの遊び唄)
・Tulge Tuld Hoidma!(聖カタリナ日の篝火よ来たれ!)
・Avage Uksed!(ドアを開けて!)
・Elu Isakodus(わが故郷の家)
・Millal Saame Sinna Maale?(いつ彼処に辿りつくのか)
・Sööge, Langud!(宴の歌)
・Pulma Rõõm(結婚の歌)
・Kohus koju minna(家路を辿る)


備考:前年に引き続き女声合唱団クール・クレールのために書き上げた、エストニア民謡を用いた合唱組曲。今回は前半が遊び歌、後半が結婚式の歌で構成されており、演奏会ではこれらのうち5曲が演奏された
初演:女声合唱団クール・クレール(2007年11月18日 しらかわホール)

2008年

Chionoblepharou pater Aous / 太陽賛歌 編成:女声4部

備考:女声合唱団クール・クレールのギリシャ公演を記念して書かれた曲。2世紀のローマの音楽家メソメデの作品「太陽賛歌」を女声合唱用にアレンジしたもの。後日エストニアの女声合唱団のために、歌詞をNunc dimittsに差し替えて加筆修正した
初演:不明

Haal / 声  編成:男声4部+アルトソロ、カンネル / 女声4部+カンネル

備考:NHK-BS[関口知宏とファーストジャパニーズ]にて、関口氏の提供してくださった旋律を元に書き上げた作品。主旋律とカンネル(卓上ハープ)、そして歌詞は関口氏によるもの
初演:エストニア国立男声合唱団(2008年7月 エストニア国立劇場)

花取踊  編成:混声4部、太鼓+鉦

備考:愛媛県民総合文化祭の催し物として、愛媛の高校生によって構成されるユース合唱団[えひめハイスクール・クワイア](指揮:大成研三)のために書き上げた、愛媛県民謡を題材とした作品。また後日エリザベトシンガーズ(指揮:松原千振)によって2010年にポーランドで演奏される
初演:えひめハイスクール・クワイア(2008年11月 愛媛県民文化会館)

風のささやき 作詞:八子信妙 作曲:西村直記 編成:女声2部+ピアノ

備考:父である西村直記の依頼により、主旋律を元に合唱およびピアノパートを編曲する。元々はえひめ丸事故を悼んで書き上げた歌曲であったが、先の東北大震災の影響からか、現在は福島のシルバーコーラスを中心に演奏されている

2009年

チベット民謡と声明による3つの歌 編成:混声4部+管楽器、パーカッション
・Pö mang she t'ang Mantra I. / 真言I.
・She de kyi / 間奏曲「幸せの唄」
・Pö mang she t'ang Mantra II. / 真言II.


備考:ジャパンユース合唱団の先輩にあたる今釜亮氏の合唱団スプリッツァーのために書き上げた、チベット民謡を題材とした合唱組曲。声明の部分では主にバスパートが酷使されるため、間奏曲では敢えてバスパートを用いずに女声合唱+テノールで構成されている
初演:合唱団スプリッツァー(2009年3月29日 あいれふホール)

何日君再来 編成:混声4部

備考:エストニアフィルハーモニック室内合唱団の香港公演を記念して、昔の名曲をアレンジしたもの
初演:なし

アリラン 編成:混声4部

備考:こちらもエストニアフィルハーモニック室内合唱団の韓国公演を記念してアレンジしたもの。上記の何日君再来含めいずれも練習日程の関係で演奏には至らなかったが、後者は翌年2010年にアジアパシフィック・ユース合唱団(指揮:岸本正史)で演奏された

燧灘の大漁節 編成:混声4部

備考:前年に引き続きえひめハイスクール・クワイアのために書かれた、愛媛県民謡を題材とした作品。新居浜市大島の大漁唄と越智郡魚島(鯛島)のよいぞえ節の2曲を合わせており、初演の県民総合文化祭の他に、翌年の全国高校文化祭でも披露された
初演:えひめハイスクール・クワイア(2009年11月21日 ひめぎんホールメインホール)

Psalm100 / 詩篇100(エストニア語) 編成:混声4部

備考:エストニアの詩篇合唱作品作曲コンクールに出品した曲
初演:なし

2010年

合唱アンサンブルのための最上川舟唄 編成:混声6部

備考:ハンガリーのアンサンブルグループ[バンキエーリ・シンガーズ]日本公演を記念して、最上川に関する複数の舟唄を組み合わせて書き上げた曲
初演:なし

無伴奏混声合唱のためのどちりなきりしたん: 
・ぱあてる のすてる
・アベ マリヤ のこと
・あやまりのオラショ


備考:朝日作曲コンクールのために書き上げた合唱組曲。15-16世紀当時の日本のどちりなきりしたんの旋律を随所で使用しており、また前述の数秘的技法を使用している
初演:なし

無伴奏混声合唱のための亥の子唄 編成:混声4部

備考:愛媛県民総合文化祭のために書き上げた、愛媛県民謡を題材とした合唱曲。各地方、各町区のそれぞれの亥の子唄をふんだんに取り入れ、また亥の子石や稲穂などを模して楽曲中に使用している
初演:えひめハイスクール・クワイア(2010年11月 ひめぎんホールメインホール)

Siberi Eestlaselaulud / シベリアのエストニア人 女声合唱とカンネルのための合唱組曲
・Mu süda, ärka üles I. / 私の心は目を覚ます
・Kui mina ükskord metsas kõndisin / ある日森の中を彷徨っていた時…
・Ei saa mitte vaiki olla / どうして静かであろうか
・Kaks Ülem-Suètuki laulu / ウレム・スエトゥク地方の2つの唄
・Estonian folktune ( for 7 strings Kannel ) / 7弦カンネルと合唱によるエストニアの民謡
・Maria oli kihvti joonud / マリアは毒を飲んだ
・Ühes suuremas Varssavi jaamas / 大ワルシャワ駅にて
・Mu süda, ärka üles II. / 私の心は目を覚ます


備考:ジャパンユース合唱団の先輩である石原祐介氏の依頼による、女声アンサンブル「風」10周年記念演奏会のために書かれた組曲。19世紀当時、農奴制から解放されたエストニア人が新天地を求めてシベリア地方に入植し、その多くが夢破れてエストニアに戻る、あるいはその地で亡くなられたが、それでも多くのエストニア人地区が今なおシベリア地方に存在し、また同時に多くの歌が残されており、エストニアでもあまり知る事のないそれらの文化にスポットを当ててみた次第である
初演:女声アンサンブル「風」(2011年11月20日 京都コンサートホール)

2011年

女声合唱とオルガン、チェロのためのひめくりささげうた
・Angelus / お告げの祈り
・Salve Regina / めでたし女王
・Mira il tuo popolo / 見よ、貴方の民を
・Kes Kõigekõrgema kaitse all elab / いと高きもののもとにある(詩篇91)
・Psalms of David / ダビデの詩篇(詩篇100)


備考:この曲はNHK東京児童合唱団ユースシンガーズのために書かれた組曲で、依頼人である指揮者の金田典子氏の要望により、待降節から復活祭までの典礼暦の行事を、それぞれ英語、日本語(どちりなきりしたん)、ドイツ語、イタリア語、エストニア語、ラテン語(一部ヘブライ語)等世界中の祈りの言葉を使用して作曲されたものである。(またダビデの詩篇では、東北大震災の犠牲者を悼んで加筆修正され、後日Salve reginaも同様に加筆された)
初演:NHK東京児童合唱団ユースシンガーズ(2011年4月10日 大和田さくらホール)

女声合唱と三味線、打物のための三河・尾張の伝承唄              
・神戸節
・機織唄
・放下


備考:女声合唱団クール・クレールのために書かれた組曲で、愛知県の民謡および都都逸を題材としている。また3曲目の放下では「歌枕」「おひねり踊」「念仏」「出」「ねり」「宝歌」「そそり」それぞれの動作の合間に様々な祭り唄をちりばめ、愛知の多彩な祭りを表現している
初演:女声合唱団クール・クレール(2011年11月27日 しらかわホール)

Issand ja Meremees / 2群男声合唱と和太鼓、篠笛のためのわだつみと海人

備考:和太鼓奏者「壱太郎」氏エストニア公演を記念して書かれた組曲で、初演では松原千振氏に客演をお願いした。全6楽章による楽曲で、エストニアと日本の、それぞれ海に関する民謡を題材とし、第2楽章は壱太郎氏によるアドリブソロ、また第4楽章では篠笛と和太鼓による祭り唄や子守唄など、多彩な表情の曲で構成される
初演:エストニア国立男声合唱団RAM(2011年10月26日 エストニア国立劇場コンサートホール)

2012年

あさがお  作詞:金子みすヾ 作曲:西村直記 編成:女声2部合唱+ピアノ

備考:父である西村直記氏の依頼で合唱曲用に編曲した作品
初演:不明

十一の主題による盛岡の馬子唄 編成:混声6部

備考:岩手出身の歌い手によって構成されたプロジェクト合唱団Ihatov Voicesの依頼によって書き上げた作品。チャグチャグ馬子をベースに11種類の馬子唄を組み合わせた小編成アンサンブルのための合唱曲で、各パート共に高度な技術を要求されるが、それに見合った価値のある音楽に仕上がっている
初演:Ihatov Voices (2012年7月29日 早稲田奉仕園スコットホール)

今出機織唄  編成:混声4部

備考:えひめハイスクール・クワイアのために書き上げた、愛媛県民謡を題材とした合唱曲。オリジナルでは三味線の伴奏がつくため、任意で三味線の使用の有無を決められる。また前3曲(花取踊、燧灘の大漁節、亥の子唄)の難易度が高かった反省を生かし、難易度を大幅に下げている
初演:えひめハイスクール・クワイア(2012年11月17日 ひめぎんホール)

2013年

牛鬼(とろりや)  編成:男声4部

今治音頭  編成:女声3部+三味線

備考:いずれの曲も愛媛県民謡を題材とした合唱曲で、現在初演団体を募集中(もしくはえひめハイスクール・クワイア)
初演:未定

Psalm 148 / 詩編148  編成:混声5部

備考:ジャパン・チェンバークワイア(旧ジャパンユース合唱団)のマネージャーである前田幸子氏の還暦を祝って書き上げた曲。聖母マリア賛歌およびAve verumと同じく数秘的技法を使用して書き上げたもの
初演:未定

2014年

Lullaby of ITSUKI / 球磨地方の子守唄  編成:女声3部

備考:フィンランドの女声合唱団(指揮:Mareks Lobe)のために書き上げた、五木の子守唄をベースとした球磨地方の様々な子守唄を素材として使用
初演:未定


今後の作曲予定
・    女声合唱のための愛媛県民謡[松前魚売婦] 初演団体:不明
・    主の変容を題材とした女声合唱のためのモテット 初演団体:女声合唱団ぴゅあはーと
・    福島県民謡を題材とした合唱曲 初演団体:Time Ensemble
・    混声合唱のためのAve Maris Stella 初演団体:不明
・    愛媛県民謡を題材とした合唱曲 初演団体:えひめハイスクール・クワイア
・    エストニア民謡集3 初演団体:不明
・    シベリアのエストニア人2 初演団体:不明
・    ロシア正教風の合唱組曲 初演団体:不明
・    トルコ民謡を題材とした室内楽と合唱のための合唱曲「カッパドキア」 初演団体:不明

以上の楽譜や音源についてのお問い合わせはこちらにお願いします。

皆様今晩は。忙しさにかまけてブログの更新が半年近くも滞ってしまい、ご無沙汰にご無沙汰を重ねて誠に申し訳ございませんでした。<(_ _)>
現状ではFacebookで近況を綴るのが精いっぱいで、今後もブログの更新はかなり少なめになってしまうかと思いますが、海外公演やイベントなどは出来るだけこちらで綴るよう努力していきますので、どうか今後ともよろしくお願いします。

さて、今日12月12日はエストニアの音楽の父Gustav Ernesaks(1908-1993)の生まれた日であり、
また今年が生誕105周年および没後20周年にあたります。

エルネサクスについては日本ではおそらく、エストニア歌の祭典の最終日に歌われる、エストニア第二国歌
Mu isamaa on minu arm(わが祖国、我が愛)の作曲家として知られているかと思いますが、ソ連によって併合され、抑圧された人々にとって【わが祖国、我が愛】は心の拠り所であり、作曲家、教育者、そして歌の祭典の主導者としてエストニアを支え続けた、まさに音楽の父と呼ぶにふさわしい人物です。(そして私の所属するエストニア国立男声合唱団RAMの創立者および初代常任指揮者でもあります!)

5年前の生誕100周年の時とは異なり、今年は記念式典や演奏会が行われる事はありませんでしたが、エルネサクスに縁のある方々と共にこの日、タリン郊外のMetsakalmistu(森林霊園)までお墓参りに行く事となり、私も国立男声合唱団の有志達と共に出席させていただきました。



タリン近郊の港町ピリタ、街の中心から少し離れた場所に位置するこの森林霊園には、エストニア独立運動の指導者であり、再独立後、最初の大統領に就任したLennart Meri(1929-2006)はじめ、エストニア最初の女性作家Lydia Koidula(1843-1886)、ソ連時代に活躍した、エストニアを代表するオペラ歌手Georg Ots(1920-1975)など、エストニア国内の多くの著名人がここに埋葬されており、エルネサクス・ファミリーもまたここで眠っています。



寒空の下、霊園にはエルネサクスの親族や国立男声合唱団の団員およびOB、歴代指揮者達が集まり、霊園中央の小さな丘に位置するエルネサクスの墓碑にて献花や蝋燭立てを行いました。




墓前にて暫し黙祷を捧げた後、国立男声合唱団の元常任指揮者のKuno Areng氏および、オランダ放送交響楽団およびタンペレ・フィルハーモニーの元常任指揮者Eri klas氏の、エルネサクスの弟子2人による演説が行われ、最後にアレング氏の指揮による「わが祖国、我が愛」の3番を演奏してその場を後にしました。



来年7月にはいよいよ5年に一度の
エストニア歌の祭典がタリンの歌の原で開催されます。会場の麓から見下ろすエルネサクス像は、期間中何万もの聴衆に囲まれて、いったい何を思いながら人々の歌声を堪能するのでしょう?
ともあれ来年の開催が楽しみです♪




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2月14日、日本ではおなじみのバレンタインデーですが、エストニアではこの日はSõbrapäev(友人の日)と呼ばれ、日ごろお世話になっている友人や家族にプレゼントを送る日でもあります。(尤も最近は日本の影響からか、欧州でもチョコレートメーカーが中心となってチョコレートを贈るよう薦めていますがw)

さて、エストニア国立男声合唱団ではこの『友人の日』(及び15日)に公演が行われましたわけですが、プログラムはフランス近代を中心とした合唱音楽、そして客演指揮者としてフランス人若手指揮者のCharles Barbierを迎えての公演でした。


(Barbier氏近影)

Barbier氏は現在33歳、シベリウスアカデミーの合唱指揮科を首席で卒業し、今回の国立男声合唱団の客演指揮も、アカデミーの教授からの推薦によるものでした。(また彼自身も優秀なテノール&ソプラニスタです)


ところで日本人にとって最も苦手な外国語のひとつであるフランス語、この曖昧母音についてはエストニア人にとっても例外ではなく、練習ではとにかくフランス語の発音に相当苦労させられました。
プログラムのうち、プーランクの『パドヴァの聖アントニオ賛歌』およびC.Marcot, F.Loryの典礼ミサ以外は全てフランス語でしたので、約3週間(うち1週間がBarbier氏によるもの)の練習のうち、半分以上が発音チェックに費やされた感じでした(苦笑)。



(写真はブラックヘッドギルドの館正面玄関)

一日目の公演はフランス音楽特有のサロンミュージックにちなんでか、タリン旧市街のMustpeade maja(ブラックヘッドギルドの館)です。



(写真はBarbier氏指導による発声エクササイズ)


プログラム前半は宗教曲のプログラムで、最初はフランシス・プーランクの『アッシジの聖フランチェスコの4つの小さな祈り』。
この曲はRAMの3代前のラトヴィア人常任指揮者Kaspars Putnins氏によって何度か演奏されたレパートリーですので、フランス語といえども練習は勿論本番でも難なくこなす事ができました。

2曲目は
同じくプーランクの『パドヴァの聖アントニオ賛歌』、こちらはラテン語のテクストですのでこちらも無事こなせました。


そしてプログラム最大の難関だったのが、3曲目、Thierry Machuel
の[Salutation]。
3声(T1,T2, Bariton)による小フーガの形式ながら、主題が無調のため実に難解な作りとなっており、加えてこの日はラジオ録音で緊張していたのか、第1テノールの歌い出しは本来mfであったはずがなぜかpの音量となっており、それにつられて第2テノールの入りもひどいもので、とにかく聞けたものではありませんでした。。。orz
(あまりにひどい演奏であったため、コンマスの指示で2日目は急遽私を含むバリトン数名が第1テノールに加わり、弱気なテノールの演奏を支える事となりました)

4-5曲目は女性作曲家Caroline Marcotの[Ave Maria]および[Agnus]。
中世音楽を意識した単純ながらも厳粛な音楽で、直前の曲の失態で崩したコンディションを立て直すにはある意味うってつけであったかもしれません。

6曲目は同じくMarcotの[Benedictus]。
こちらは2群に分かれての演奏で、最初は1群コーラス、次に2群コーラスのそれぞれ異なる音楽、そして最後は両群による合奏で、中世の宗教音楽と現代音楽のコラボレーションといった感じの興味深いハーモニーであったかと思います。

前半最後の曲は女性作曲家Frederique Loryの[Missa Basse]。
こちらもMarcot氏以上に単純かつ厳粛な音楽で、Marcot氏の曲風はジョスカン・デプレに近いものでしたが、こちらはそれ以前のマショーに近いものでした。

最後の[Agnus]はホール全体を使った立体的な演奏で、客席を囲んだ歌い手たちが、最初は単一、次に3群、最後は9群に分かれてのカノンで、男声合唱特有の倍音つきの重厚な立体サラウンドが響き渡った事でしょう。


ちなみに2日目の公演地はAvinurmeの文化センターで行われました。




(Avinurme文化センター正面)

見た目はどこかの学校風ですが、多目的ホールや各種サークル用の教室、また温水プールやサウナまであり、時間があれば是非皆で入りたかったものですが、帰りのバスの時間の関係上それも叶わず、残念でなりません(苦笑)。



(写真は文化センター内の温水プール)


さて、話を元に戻して、後半のプログラム最初はT.Machuelの[Si quelqu'un](もし誰かが・・・)。
こちらは前半の[Salutation]のような難しいものではないにせよ、単一音、あるいは2音の重奏がほとんどのより厳格化された音楽で、最後はDとC#の音のぶつかり合いで各声部がずれながらフェードアウトする、単純ながらも音楽的効果は充分の現代音楽でした。

2曲目はGuy Ropartzの[Aubois](森)。
こちらは先程とはうってかわっての明るい音楽で、歌詞の方も青年が森の中で出会った女性に一目ぼれする、というありがちな内容なのですが、青年は思わずプロポーズするもあえなく振られてしまう、
・・・とまあ、ここまではまたありがちな内容なのですけど、結果この青年がゲイの道に走ってしまうところが退廃的なフランス的と言うか、しかもこれを男声合唱にやらせるかと、ある意味色々と考えさせられる内容の曲でした。(そういえば指揮者のBarbier氏も優秀なソプラニスタですし、まさか・・・!)




(写真は文化センターのステージ)


3曲目はサン・サーンスの[Le matin](朝)。この曲は私にとって今回最大の難関のひとつでした。
というのも、とにかく歌詞が多く、またテンポも結構速いため歌詞を目で追いきれず、練習中も何度も他の人達に置いてきぼりされる始末で、歌詞の書き取りや自主練習などを余儀なくさせられた曲です。(まあ、その分この曲に対する思い入れはありますがw)
私自身本番で何箇所か歌詞を間違えたものの、全体的には良い演奏であったかと思います。




(本番前のお花の飾りつけ)


4-5曲目はGuy Ropartzの[Embarque!](乗って!)および[Le Navire](船)。
複雑ながらも美しい和音、メリハリのきいた多彩な表情の演奏、これら2曲は典型的なフランス近代の音楽で、おそらく我々歌い手だけは勿論聴衆の方々も、ある意味プログラムのイメージとして一番ふさわしい曲であったかと思われます。(もちろん演奏の方もうまく出来ました♪)

プログラム最後はプーランクの8つのシャンソンより4曲目[Clic clac dansez sabots]及び6曲目[La Belle si nous etions]で締めくくりました。
プログラム全体の難易度の高さからか、それとも慣れないフランス語の発音に四苦八苦したことによるものか、それまでのフラストレーションを一気に解消するかのような演奏で、ある意味(後先考えずに)気持ちよく歌えたかと思います。



個々の曲の演奏の出来にはいくつか不満はあるものの、全体的な演奏レベルは昔に比べて上昇しており、(3曲目のSalutationを除けば)まずまずの出来であったかと思います。しかしながらプロとしての演奏かと言われればまだまだ問題点も多く(とりわけテノール)、それらが今後の課題となるでしょう。
ともあれ指揮者のBarbier氏にはおつかれさまでした! の一言に尽きます。(事実2日目の公演終了直後はかなり消耗したようで、相当ゲッソリしてましたw)


さて、長かったフランス音楽プログラムの練習からようやく解放されたものの、その後すぐ独立記念日にむけての4公演が控えており、RAMの団員が休めるのはしばらく先でありました。。。(これもプロの宿命ですねw)




(オマケ: 本番前の控え室にて、2ndテノールのパートリーダーT氏の勇姿)


次回はエストニア独立記念日の公演についてまとめる予定です。
それでは皆様、Nägemist!


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Tere päevast!
昨日はエストニア国立劇場にて"Tartu rahu"式典演奏会がありました。

[Tartu rahu]、日本語で『タルトゥ条約』と訳しますが、1918年、帝政ロシアとエストニアとの間で起こった独立戦争が1920年2月2日、タルトゥにて講和条約が結ばれ、この日ロシアからの独立を果たした記念すべき日となります。
(ちなみに1918年2月24日は独立宣言を行った日で、この日がエストニア独立記念日となります)




式典には歴代大統領をはじめ、政治、軍の関係者、また経済界や文化・芸術分野の大御所が出席されており、また日本大使ご夫妻や指揮者の松原千振氏も招待されました。

警察吹奏楽団によるエストニア国歌の演奏、そして式典演説の後、我々国立男声合唱団が演奏したのは、エストニアの作曲家Eduard Tubin[斃れた兵士達へのレクイエム]です。

この曲はトゥビンがスウェーデンに亡命した時に書かれた曲で、時に陰鬱で複雑なオルガンのハーモニー、行進や鬨の声を思わせる打楽器やトランペット、そして随所にエストニアの唱歌をちりばめた、美しくも哀しい旋律を男声合唱及びメゾソプラノが奏で、1918年の独立戦争、40年代のソ連による再併合、そして91年の再独立に至るまでのエストニアの苦難の歴史を物語る上でふさわしい曲のひとつといえるでしょう。

(ちなみに式典演奏会の様子は以下のURLで閲覧可能です)
http://pildid.mil.ee/Tartu-rahu-aastap-eva-kontsert-02-02-2013


演奏会終了後、レセプションにて半年振りに松原千振先生にお会いする事が出来ました。

先生は昨年入院したとの話を知人より聞いていたため、体調について非常に懸念していたのですが、思ったよりお元気そうで少し安心しました。
(しかし年齢が年齢ですので、完治するまでは決して無理をせぬよう願うばかりです)

しばらく大使ご夫妻や先生との談義を楽しんだ後、劇場近くのショッピングセンターにあるスシバーに移動し、私の(音楽アカデミー及びジャパンユースでの)先輩であるKさんご夫妻と合流し、先のJCC大分公演や5月のコーラスワークショップ、また91年の独立当時のエストニアの状況や合唱団についてなど色々と貴重な話を伺い、とても楽しいひと時を過ごす事ができました。



(写真はK先輩及び松原千振先生)


この後の別れ際に、先日リリースされたエリザベト・シンガーズのCD、高田三郎「主の祈り」のCDを先生より戴きました。




第二次ヴァチカン公会議での結果、各国の言葉で典礼を扱っても良い事となり、氏がそれを記念して書かれた曲が「やまとささげうた」はじめとする典礼聖歌集ですが、自分は2000年の高田三郎記念演奏会で購入したCDを一度聴いて以来ずっとご無沙汰しておりましたので、当時さして気にする事のなかった静謐な和声と旋法、そして【祈り】のテクストの深さに気づき、敬虔なクリスチャンであった高田三郎の大きさを改めてうかがい知る事ができました。(勿論それは、エリザベト・シンガーズによる素晴らしい演奏があったからでもありますがw)

このCDを聞いて、自分もまた日本語のテクストを使った宗教曲に挑戦したくなった所存でもありますが、…とりあえずは現在執筆中の曲を完成させてから取り組みたいと思います。


さて、明日からはフランスの若手指揮者Charles Barbierによる、PoulencやRopartzはじめとするフランス音楽のプログラムとなります。
私はもとより、RAMにとってフランス語はかなりの鬼門ですので、正直前途多難ではありますが、バレンタイン・デーの本番に向けてとにかく練習あるのみです!

それではまた。Nägemiseni!



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