昨年10月にブログを立ち上げて以来、閲覧して下さいました皆様及びお世話になった方々に厚く御礼申し上げます。
今年もよろしくお付き合いいただけますようお願い申し上げます。
・・・さて、昨年中に更新する予定であったものの、年末の忙しさにかまけてすっかり忘れていた、エストニア国立男声合唱団のクリスマスコンサートについて(今更ながら)書いてみようと思います。
去る12月19日から4日間、エストニア各地で行われた国立男声合唱団のクリスマスコンサート[Püha öö (きよしこの夜)]、今回は客演指揮に、典礼聖歌アンサンブルグループ[Vox Clamantis]の代表Jaan-Eik Tulve氏をお迎えし、曲目のほとんどがグレゴリウス聖歌という、ある種RAMにとって意欲的なプログラムとなりました。
(写真はJ-T.Tulve氏近影。少し米国大統領に似ていますw)
というのも、昔のRAMを知っている人間にとって、グレゴリウス聖歌~バロック音楽のレパートリーは正直聴けるレベルではなく、事実私がかつて所属していた6年前の演奏は、ここだけの話、プロとしてはあるまじきレベルでありました。
しかしここ数年、団員の約4分の1が若手歌手に入れ替わり、また昨年より常任指揮者がMikk Üleoja氏に交代して以来合唱団の音質も大きく変化し、昔のように往年のエストニア(&ロシア)合唱音楽以外のレパートリーでも高いレベルの演奏が望めるようになり、今回のように誤魔化しの効かないグレゴリウス聖歌もなんとかこなせるようになりました。
(ちなみに私のパートはバリトン及びカウンターテノールです)
さて、公演初日はエストニア南部のViljandiの聖ヨハネス教会で行われました。

(写真はViljandiの聖ヨハネス教会)
中は石造りで暖房が満足に届かないため、我々もコート着用での演奏となりました。

(聖ヨハネス教会内正面)
プログラム最初はアンティフォナ(交唱)[Rorate caeli]、ソリストの斉唱に続いて歌いながらの入場となります。
祭壇に2手に分かれて並んだ後、続いて[Tecum principium]、[Redemptionem]、[Exortum est]、Tulve氏の斉唱に続いて第1、第2グループでの交唱が続きます。

[Apud Dominum]、こちらは各自自由なテンポで歌いながら移動し、座席の周りで輪になって並びます。(写真はリハーサル時での隊形)
教会内中央に指揮者が位置し、続いて4人のソリスト達による[In illo tempore]、同旋律をバス・バリトン、テノールがそれぞれのテンポ、基音で歌いつむぎます。

(写真は2日目公演地のJõhviの聖ヨハネス教会)
次にレスポンソリウム(応唱)[Hodie nobis]、こちらはバリトンの独唱で、Ott Indermitte氏の美声が教会内に響き渡りました。
(Jõhvi聖ヨハネス教会内正面)
続いて歌い手全員によるイムヌス(賛歌)[Christe Redemptor]、こちらは最初はハミング、次に上下にオクターブ付加、ヴォカリーズ、歌詞、そして5度付加など変化をつけての演奏でした。
(また演奏しながら現在の輪の隊形からステージへの移動となります)
(Jõhvi聖ヨハネス教会内後部)
ステージに移動し終えた後、アンティフォナ[Hodie Christus natus est]、これはクリスマスでもおなじみの賛美歌で、様々な作曲家による合唱曲が存在しますが、今回のプログラムはグレゴリウス聖歌がメインですので、残念ながらほぼ斉唱での演奏でした。
そしてMagnificat。こちらは小アンサンブルと斉唱の交唱となるわけですが、このあたりから集中力が途切れて、ネウマを歌い間違える人もチラホラとw

(3日目の公演地である、タリンの聖ヨハネス教会内前面部)
ここからミサの開始となるイントロイトゥス(入祭唱)[Dominus dixit ad me]です。
ここでも変化をつけて上下オクターブや5度音付加など工夫しています。
(ちなみにイントロイトゥス後半はIndermitte氏によるソロです)
続いてKyrieおよびGloria、こちらは交唱で演奏され、Sanctus、Agnus DeiおよびGenealogiaは(次の曲に配慮されてめでたく)カットされました。

(タリン聖ヨハネス教会内正面)
そして今プログラムで一番の困難である、Perotinusのオルガヌム[Viderunt omnes]。
というのも、とにかく曲が長く、アンサンブルパートも下のベースパートも休みが無くて、美しいながらも演奏する側としては総じてしんどい曲です。
通常のアンサンブル演奏ではベースは楽器にまかせるものですが、今回は100%アカペラでしたので、アンサンブルパート以外は皆ずっと音を伸ばしっぱなしです。
…ですので、途中の定旋律では皆集中力が途切れ、途端にバラバラになってしまう事がよくあり、演奏会本番ではヒヤヒヤものでした(苦笑)。
(しかもこれ、当初はリピートでABAで演奏する予定だったのですが、とても喉が保たないため、それは勘弁していただきましたw)
参考までに、以下のアドレスからHilliard ensembleの演奏が視聴可能ですので、未聴の方は是非聴いてみて下さい♪
https://www.youtube.com/watch?v=bpgaEFmdFcM
(最後の公演地であるタルトゥ国立劇場のステージ)
そしてプログラム最後はCommunio(聖体拝領唱)[In splendoribus sanctorum]。
この曲は昔エストニア音楽アカデミーでグレゴリウス聖歌歌唱法の授業を受けた際、Tulve先生から最初に教わった旋律ですので、先のViderunt omnesの直後で疲労困憊な状態でもなんとか歌えるものでした。
(またTulve先生によって楽譜に追記されてある、当時の宗派によって異なるネウマが、当時の授業の内容を思い起こさせるものでした☆)
それぞれのテンポで思い思いに歌いながら、また円の隊形に移動し、そして各セクションのテノールによる「きよしこの夜」が同時に演奏され、最後はJ-T.Tulve氏の奥様である現代作曲家Helena Tulve氏によるアレンジでの合唱だったのですが、
…まあなんというか、あまりに斬新に過ぎるというか、聖夜にしては随分とドロドロしすぎていたため、ここだけの話、団員からはかなりの不評でした(苦笑)。

(タルトゥ国立劇場客席部)
また最後の公演場所であるタルトゥは、他の団体のクリスマスコンサートで聖ヨハネス教会が使えなかったようで、国立劇場での演奏であったわけですが、教会と異なり音響があまり無いため、隊形は勿論、歌い方も少し変える必要がありました。(その代わり自分の音がよく聞こえるため、歌いやすくもありましたがw)
(照明チェック時。通路側は照明があって問題が無かったものの、ステージ側は正直見辛かったようです)
演奏会終了後、約2週間のクリスマス休暇に入り、(途中私用はあったものの)この12日間ゆっくり休むことが出来ました☆
そして来週からいよいよ仕事始めで、エストニア女性作曲家G.Grigorjeva氏の新曲レコーディングのための練習に取り掛かる予定です。
それでは皆様、今年もよろしくお願いします。<(_ _)>






























