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合唱人 西村 英将 のブログ

エストニア在住9年目になる合唱人です。
現在国立男声合唱団に在籍しながら音楽院で作曲の勉強をしており、ブログでは日々のとりとめの無い話や作曲、合唱、国際情勢について呟いたりしています。(合唱曲の委嘱、エストニア語のレクチャーなどご入用の際は是非ご連絡を♪)



Tere päevast! 皆様こんにちは。
先日の地方公演も無事終了し、エストニア国立男声合唱団RAMでは次の公演に向けて、先週より新曲の練習に励んでおります。




まず作曲家Liisa Hirsch
2009年に音楽アカデミーを卒業し、28歳の若さでありながら国立演劇劇場の音楽講師を務め、ハープ奏者として、また作曲家として活躍する新進気鋭の女性音楽家です。
今回のプログラムでは、ヘルマン・ヘッセの晩年の散文と作曲家カルロ・ジェズアルドの音楽から発想を得た楽曲[Restless]を我々が初演する予定ですが、男声8部+カウンターテノール1,2、バリトンソロというかなりの編成のため、最初の音取りだけでも一苦労でした(苦笑)。




次にルネサンス期の作曲家として名高いカルロ・ジェズアルドより[Aestimatus sum]、[Plang equasi virgo]、そして[O vos omnes]の3曲。
カデンツァでの対斜(和声学で前方の和音と後続和音の構成音の一部が声部を越えて半音で違い合う事 by ウィキペディア)が特徴的なこの作曲家の作品を、今回Hirsch氏が男声合唱用に編曲しております。

ところでこのモテットのうち[Aestimatus sum]、エストニア人には当然[Eestimaa...(エストニアの地)]と聞こえるわけで、また練習中団員から[Eesti matus surm!(エストニアの死および葬式)]とジョークが飛んだりと、もうHirsch氏も狙ってこのモテットを選んだのではないかと考えてしまいます(苦笑)。

また今回私はこの曲はじめ、ジェズアルドのモテットの一部でカウンターテノールを受け持ちますが、高音域でのppなど結構きつい部分が多いため、慣れない裏声を安定させるためにも自主練習が必須です。



最後はエストニア中堅世代作曲家で最も名高いTovo Tulev氏より[O oriens]と新曲[Aglow]。
オーケストラと2群の男声合唱、そしてカウンターテノールのソロで構成されるカンタータ[O oriens]、こちらは2006年にRAMで一度初演され、また私自身その時に演奏しているため、練習も比較的スムーズにうまくいく…かと思いきや、現代曲という理由もあってか、私を含め当時の団員もかなりの部分を忘れており、また私自身前回の1群コーラスから2群コーラスに変更となったため、一から音の取り直しとなり、こちらも少々苦労しております。

しかし一番の課題は、つい先日配られました新曲[Aglow]。
この曲は、中国の圧制により今なお苦しむチベットについてうたったもので、曲中、英語の"輝き"を意味する様々な単語の歌詞と共に、亡くなったチベットの方々の名前を滔々と歌い紡いでいくのですが、…とにかく難易度が非常に高く、各パートの半音のぶつかりが非常に多いため、気を抜くと他パートの音に惑わされて脱線してしまうため、入念な音取りが必須となります。





本番まであと7回もの練習がありますが、今週より月末のオケ付男声合唱のプログラムにクリスマスコンサートのプログラムも加わるため、ひとつひとつ集中してこなさねばなりません。

あと、以前より推薦していました松下耕の[Gloria]が、このたび晴れてクリスマスコンサートのプログラムに加わり、今週より練習に入るとの事で、こちらも少々期待しております☆
(尤もリズムが結構ややこしいですので、各パートの音取りも大変そうではありますがw)

それではまた。Nägemist!
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Tere päevast! 皆様こんにちは☆
エストニア国立男声合唱団の地方公演、先々週のOisu、Karksiでの公演に引き続き、先週はラトヴィア国境近くの街Valgaと、エストニア南西部のリゾート地、パルヌ近郊のKilingi-Nõmmeで行われました。


(写真は会場のヴァルガ文化センター)

劇場からバスで出発して約4時間、途中Viljandiで食事休憩を挟み、会場の文化センターに到着した頃にはすっかり日も暮れており、リハーサルも早々に済ませての本番でした。




会場の音響は4つの公演地の中でも一番良く、またこの公演ではソプラノのソリストPirvo Püvi氏に代わって、合唱団団員のKa Bo Chan氏が楽曲中のメゾソプラノのソロおよびカウンターテノールのソロ演奏を手がけました。



(写真はKa Bo Chan氏近影)

チャン氏は香港生まれのアメリカ(ポートランド)育ちで、タリンへは元々ビジネススクールに留学し、そこで半ば独学で音楽を学んだ異色の経歴の持ち主で、現在エストニアを代表するカウンターテノール歌手の一人として有名です。(ちなみにエストニア人女性と結婚し、現在3人の子持ちです)

先に述べたとおり、ヴァルガはタリンからかなり離れているため、終バスに間に合うべく公演終了後は皆急いでバスに乗り込みました。
翌日はKilingi-Nõmmeでの公演ですので、流石に皆もバス中での酒盛りは控えめに…というわけではなく、いつも通り騒いでいる所がRAMの日常ですが、
…どうも酔っ払った団員が途中下車の際、間違えて私のスーツケースを持っていってしまったらしく、終点後バスの中を探し回るも見つからず、またそれで終バスも逃してしまい、仕方なく冷たい雨の最中、残ったスーツケースを片手にタクシーに乗る羽目になりました。orz



(写真は会場のキリング・ヌンメ公会堂)

そして翌日のKilingi-Nõmmeですが、どうも前日雨に濡れたのがいけなかったらしく、少々体調を崩してしまい、吐き気と鼻水をこらえての本番を迎えました。(ちなみにスーツケースは無事戻ってきました♪)
他にも同様の理由でバリトン2名他各パートでも欠席者がでたようですが、問題はそれで急遽バリトンの配置が変更され、私の立ち位置はベース下(しかもパワフルな方々)に囲まれた場所に移動することに。



(リハーサル前の発声練習)

ベテラン団員によるベース下のうるs…もとい迫力のある音量に他のバリトンの声がまったく聞こえず、加えてホールの音響が他3公演に比べかなり響かない場所ですっかり調子が狂ってしまい、本来の調子に立て直すのにリハーサルはもとより、本番でも3曲分ほどかかってしまうというプロにあるまじき体たらくで、もう踏んだり蹴ったりな状況でした。。。

本番の疲れと風邪引き、そして打ち上げでのウォッカがあいまって、翌日は一日布団の中でダウンする羽目になり、あれから体調の方は何とか持ち直したものの、鼻づまりで今週からはじまった新しいプログラムの練習に少々支障が出てしまうのが残念なところです。


次回の本番は今月下旬の3公演で、
エストニア現代作曲家Toivo Tulevおよび女性作曲家Liisa Hirschの宗教作品集をメインとしたプログラムとなります。

それではまた。Nägemist!
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(写真は会場のKarksi文化センターです)


皆様こんばんは☆
先日は引き続きエストニア国立男声合唱団RAMの地方公演で、Viljandi県のKarksi-Nuiaに行ってきました。



(会場の正面にある、Viljandi出身の作家August Kitzbergの像)

タリンから車で2時間半かけて到着したKarksi-Nuia、なだらかな平地の続くエストニアでは珍しく丘が存在し、春から秋にかけて、穏やかなカルクシ湖から河口に沿って歩けば美しい風景が望めたことでしょう。(そして残念ながら、この日はみぞれ交じりの雨模様でした)


(会場から丘を降りれば、カルクシ湖およびHalliste川に沿った遊歩道がありました)

到着後、1時間ほどの休憩の後サウンドチェックを行ったのですが、前回のホールに比べ天井が高く、音響のバランスが良かったようで、こちらは問題なく終了しました。


(会場の多目的ホール。客席は150席程度です)


曲目は前回と同じもので、間にソプラノ歌手Pirjo Püvi氏のソロ演奏、そして団のバリトン歌手Alo Rammo氏による朗読が入るプログラムです。
モスクワ音楽院出身の近代作曲家Mihkel Lüdigの歌曲"Lapsepõlves"(幼年時代)、ピアノ伴奏がどことなくフランス近代の作風を思わせるものですが、この作曲家、職を求めて一時アルゼンチンに移住していたそうで、音楽もどことなく多彩な雰囲気です。
またサンクトペテルブルク音楽院出身のMars Saar、かれは合唱作曲家であると同時にオルガニストとして多くのオルガン曲を残しており、伴奏の左手の和音の鳴らせ方が、たしかにオルガンを思わせる良曲でした。


プログラム後半の、日本でもBenedictioやGloria Patriなどで有名な作曲家Urmas Sisaskの"Itk isale"(嘆きの父)、こちらはエストニアの民謡を元に書き上げたもので旋律の繰り返しが多く、とりわけバス・バリトンは10分近く休み無しでの歌い詰め状態ですので、(途中で楽譜を見失わないよう)相応の労力と集中力を要します。

この曲の次に歌われる、Eduard Tubinの"Õhtulaul"(夜の歌)、日本ではネーメ・ヤルヴィ&パーヴォ・ヤルヴィ指揮の交響曲で有名なこの作曲家、男声合唱もいくつか残しており、今回のプログラムでも最初に歌われた"Rändaja õhtulaul"(旅人の夜の歌)、"Igatus"(憧れ)、"Ave maria"に続いて(トゥビンの合唱曲の中で)有名な曲の一つです。(その名の通り、日本の男声合唱でおなじみの「夜のうた」にも似ています♪)

ほかにも10曲近くの曲をこなし、全体で1時間20分程度のプログラムでしたが、お客の入りも上々、演奏も満足戴けたようで何よりでした☆
・・・そして吹雪の中、帰りのバスの中ではいつもの酒盛りで締めくくられました(苦笑)。



次回の本番は来週の木・金となりますので、月-水は次回のプログラムである、現代作曲家Toivo Tulev氏のオーケストラ付カンタータおよび、ルネサンスの作曲家Carlo Gesualdoのモテットの練習となります。
そしてジェズアルドで私はカウンターテノールのパートを受け持つわけですが、
…当然Tulev氏のカンタートではバリトンで歌うわけですので、月火のパート練習の詳細がわからない以上、午前と午後の練習両方に参加しなければならないのが面倒な次第であります。(苦笑)

それではまた。 Nägemist!(エストニア語で[See You!]の意)

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皆様こんばんは☆
昨日はエストニア国立男声合唱団RAMの地方公演でTüriという町に行って来ました。

(写真は演奏会場であるTüri文化センターです )

場所はタリンから160kmほど離れた、エストニア中央に位置する人口約6000人足らずの町ですが、町の中央にある教会は13世紀に建てられたもので、ヤルヴァ県キリスト教区の中心として今なお機能し、また美しい自然から国内では”春の都”として知られております。



(会場のステージ客席にて、団員達はリハーサル休憩中)

いつもの曇り空の中、バスで2時間ほどかけて会場に到着した我々は、1時間ほどのリハーサルをこなした後本番を迎えました。
演奏会ではEduald TubinのRändaja õhtulaul(旅鳥の夜の歌)、Rudolf TobiasのKas näed sa merd(お前は海を見るか)はじめ、トルミスマギシサスクなどエストニアの作曲家の作品で構成され、また途中ソプラノ歌手によるソロ演奏や詩の朗読などを織り交ぜて、多彩なプログラムとなりました。(ちなみにアンコールは、団員のA. Kruusimäe氏作曲によるコラールでした☆)

帰りはバスの中、恒例の酒盛りが開始され、また今期より(2ndテノールから)バリトンに移る事になった、合唱団幹事のKeldo氏より皆にコニャックが振舞われ、私自身も少々酒を過ごしてしまいました(苦笑)。
(今日がお休みだったのが助かりました。。。)


明日はのKarksi文化センターでの公演です。それではまた…
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秋冷のこの季節、日本は色鮮やかな秋の風景で人々の目を楽しませてくれることでしょうか。
エストニアは逆に、この時期は一面灰色の曇り空で、木々の葉も色が変わる余裕もなくあっという間に落ちていくばかり。日が短く夜は長く、これから長く厳しい冬を迎えます。
 
 さて、既にお見知りおきの方々にはいつもお世話になっております。初めての方にははじめまして。
エストニアの合唱人こと西村英将(ひでゆきと読みます)は、歌い手としてのみならず本業の作曲にもより一層積極的に活動すべく、エストニア在住9年目を機に、このたびブログなるものを立ち上げた次第であります。

ブログでは主にエストニアの合唱音楽や文化関連、また日々の出来事や世界情勢、はたまた趣味のお菓子作りや折り紙などもご紹介していく予定です。(勿論本業である作曲も!)
また今まで執筆した作曲の作品リストおよび、これまで演奏された曲の音源、海外公演の際に撮影した写真のウェブアルバムなども順次アップしていく予定ですので、どうか今後とも宜しくお願い致します。<(_ _)>
(写真は8月に撮影した、旧市街から望むニグリステ教会です)

8月、旧市街のニグリステ教会


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