突然、ご予約なしに
一組のご夫婦が
「安全祈願の御祈祷お願いしたいのですが…」って
訪ねて来られました。
勿論、そのために
社務所で留守番しておりますので、
「それでは、こちらにご記入いただけますか?」
と言って、御祈祷申込書をお渡ししながら
お訊ねいたしました。
「交通安全ですか?家内安全ですか?」
「あの~、実は息子なんですが、
外国に仕事に行くので、
それで無事に帰ってこれますように、安全祈願を…」
「転勤ですか?どちらに行かれるのですか?
どれくらいで戻られるのですか?」
「はい、〇〇国へ、3カ月余り、年内いっぱい。」
「いつ出発されるのですか?」
「明後日、月曜日からなんです」
「承知いたしました、それでは、
行き帰りの無事故と、出張中の無病息災と、
そのお仕事の成果が上がり無事にお勤めを果たされますように
お願いをさせていただきますね」
「そ、そうなんです、よろしくお願いいたします」
御祈祷申込書にご記入いただいた息子様の
ご住所お名前を確認し、
願意も確認して、
少しお待ちいただいて
願意に沿う内容の祝詞を準備させていただきました。
神恩感謝の言葉に続けて
ご両親の息子様をご心配される
そのお気持ちに寄り添えるように
真心こめてご神前に祝詞を奏上させていただきました。
ご両親がこうして我が子の無事を案じ、
御祈祷に来られていることを
当の息子さんはご存じないようです。
息子さんは
海外出張に行かれるような立派に成人した大人なのですが
何歳になっても、子供は子供
親を思う子の気持ちに勝る親心
その尊い親心を以って
守り給ひ幸はへ給へ
しろがねも こがねも玉も
なにせむに
まされる宝 子にしかめやも