火事の出火元 | ミックスココアのひとりごと

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気ままに思いついたことを折々に

神社の氏子総代会の役員の方の中には

地域の自治会の役員の方も大勢いらっしゃいます


助勤(お手伝い)に行っております神社の

そんな役員の方のおひとりからお伺いした話なのですが…



自治会(町内会)の自治会費を集金に行くのですが

頑として、町内会費を払ってくれない

一人暮らしの老人が一人います


「町内会の世話になんかならない!

だから町内会費も払わない!」

そう言って、毎回追い返されるのだそうです。


その老人が、ある時

ストーブの灯油が無くなったので

ストーブを点火したまま給油タンクに給油をして

こぼれた灯油に引火し、

あれよあれよという間に燃え広がり

慌てた老人が燃える火に

あろうことか水をぶっかけたのです。


益々炎は燃え広がり

壁を這い伝い、とうとう手のつけられない火事となり

消防車が出動して必死の消火活動をしたものの

両隣の家まで類焼して

老人の家を含め3件が全焼してしまうという火事がありました。


町内会の皆さんは、

今夜寝るところも失った同じ町内の住民の皆さんのために

公民館に布団を運んで

おにぎりの炊き出しをして

避難宿泊できる準備をされました。


そんな中

この出火元の老人は、

自治会の役員さんに、こう言ったのです


「おい、今夜、わし、寝るところ、

どないしてくれるんや?!」



「町内会の世話にはならん!

町内会費なんか払わん!」

普段そう豪語してたこの老人の

この、ものの言いぐさ…


それでも、自治会の役員さんは

グッとこらえて、

「いま、公民館で準備してるさかいにな、

寝るとこと、食事は用意してくれてはるからな、

その前に、あんたは出火元なんやから、

ご近所の皆さんに、お詫びに廻ろやないか、

一緒について行くから…」

と、言いかけたその言葉を遮るように、


「失火って、犯罪ちゃうねんやろ、

なんで、わしがお詫びに廻らなあかんねん、

謝る必要なんかないやろ!」



自治会の役員さん、

さすがにもう言葉もありません。


両隣の類焼したお家にお住まいの方々は

「町内会のご近所の皆さんにご迷惑かけるわけにいかないから…」

そう言って、火事見舞いに駆け付けて来られた

親戚の方の車に乗って行かれました。



その後、この老人が今どこでどうしているのかは

もう呆れ果てて聞くのも忘れてしまいましたが、

このお話、お聞きした時、

メチャクチャ腹が立ったのは私だけではないと思うのですが…