前回の記事でご質問をいただきました
「礼の九容」について
もう少し詳しく書いてみたいと思います
神職の資格を得るために
勉強いたしました科目の中に
「神社祭式行事作法」という学科・実技があります
例えば神社の社頭での祭式
例大祭や歳旦祭・新嘗祭、
七五三の御祈祷や地鎮祭の御祈祷など
実際の祭式の作法(動作や扱い方等)について学ぶものですが
その内容と云えば
祭場の位次・所役の順位といった通則
御扉開閉・神饌の献徹・祝詞祭詞奏上・拝礼等の行事
姿勢・起居及び進退・敬礼及び警蹕・笏法・執方、持方、扱方等の作法
を、定めたものです。
この、作法をする際の心構えの解説が
つまり、「礼の九容」というわけです。
受講科目の、レポートを提出したり
筆記試験のための勉強をしておりました時には
基本中の基本として、否も応もなく
覚えて心得ていなければならない必須項目なのではありますが
一年・二年と時が経ち、
日常の実務に追われておりますと
実はすっかり忘れて
ややもすれば気が付けばすっかり我流になってしまっている…
なんてことになりかねません。
気を付けなければ…
その反省をするのにいい機会ですので復習しました
礼の九容
1、足容量
足の運びは重くして、軽操に陥らぬように
2、手容恭
手は恭しく、左右相対して乱れず、特に指が乱れぬように
3、目容端
目は端正にして睇視せず、常に正視する
4、口容止
口は止にして猥(みだ)りに動かさず、常に閉じて開かない
5、声容静
声は静にして猥りに噦(えつ)咳せず、音声は明瞭で、高声激音を発しない
6、頭容直
頭は直にして傾顧せず、常に正しくする
7、気容粛
気は粛として殆ど息せざるが如し、常に精神を平静に保つ
8、立容徳
立ちては悠々中立して倚(よ)らず、
有徳の人に備われるかたちの如くにする
9、色容荘
顔色自若として犯すべからず、中庸よろしきに従う
≪漢字が全部ちゃんと正しく表示されるか
心配ですが
出典は、中国、周の末期から秦・漢の時代の
儒者の古礼に関する説を集めた書「礼記」によるものです。≫
難しい内容ですが
神職としての(神職に限らず)基本と初心を忘れないために
記事にさせていただきました