営業のために
或は新規顧客開拓のために
企業を訪問いたしますと
まず、必ずと言っていいほど
断りに会います。
待ってましたとばかりに
お話を聞いていただけるところなど
まずありません。
大概、門前払いか居留守です。
ところがこの断りなんですが、
ケンもホロロにつっけんどんに
まるでカラスか蛇でも追い払わんばかりに
邪険に断りの言葉を口にする人もいれば
「要りません・間に合ってます…」
押し売りでも断るみたいな言い方の人もいます。
以前、もうずいぶん前ですが
とある企業様を
アポもなく突然訪問いたしましたら
意外なことに「どうぞ」って、
商談ブースみたいなところに案内されました。
壁に、
「ご訪問くださいましてありがとうございます」って
紙が貼ってありました!
お会いくださった方に初対面のご挨拶をし
お話を聞いていただくことのお礼を申し上げ
訪問の意図と
ご案内させていただく内容を
ご説明させていただいたあと、
ところで・・・
「まずいきなり断られるところがほとんどですのに
御社はなぜ、
このようにお話を聞いていただけたのでしょうか」と、
不躾な質問をしてみました。
こんなご説明でした。
「当社は、どなたのご提案でも
お話も聞かずにお断りすることはございません。
どんな貴重な情報のご提供をいただけるか分かりません。
当社にとって有益な、検討に値する
貴重な情報をお持ちいただいたのかもしれませんので。」
実はそのあと何度も訪問させていただくうちに
社長様がこんなお話をされました。
「営業マンの怖さを私は知っています。
クチコミを侮れないのです。
ぞんざいな断り方をして
”あそこの会社は…”などと、
誹謗中傷を言いふらされるよりは
たとえお断りするにしても
丁寧にお断りをして
少なくとも
悪口を言われないようにした方が
よほど得だと思うのです。」
この社長様の思惑はすごいです、
だって、まんまとその思惑通りに
この企業をこんなふうに褒めてますものね。
その後、この企業様とはずっとお取引いただいてますが
やはり、違います。
事業規模をどんどん拡大されて
いわゆる勝ち組として、
堅実な優良企業として
業績を伸ばし続けておられます。
営業マンとして、人として
この社長様からは
いろんなことを学ばさせていただきました。
社会から必要とされる企業、
選ばれるいい会社は
何か、どこか、違いますね。