嘘、八百 | ミックスココアのひとりごと

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今回、このブログの記事をのぞきに来た方は

運の尽きブログです、

長い記事ですけど、

諦めて最後まで読んでくださいね。


嘘八百(うそ・はっぴゃく)って言い回しの言葉

ご存知ですか?


「あの人の言うことは嘘八百だ」って

そんな使い方をします。


この場合の「八百」は、

「多い、沢山、無数」って意味で使われています。


この「八百」の語源です。


この話は神代(かみよ)の昔にさかのぼります。


日本人はキリスト教やイスラム教のように

唯一絶対の神ではなく

自然万物・神羅万象(しんらばんしょう)、

あらゆるモノ・コトに神様がいると信じていました。


太陽、月、星、風、雷のたぐいの神様、

土地、田、山、川、岩のたぐいの神様、

台所の神様、トイレの神様…

犬や馬などの動物、松や竹などの植物にも

神様が宿ると信じた点に特徴があります。


さてこれらの神様を

「八百万の神々(やおよろずのかみがみ)」といいます。

この「八百万」とは非常に数の多いことの形容ですが

既に、「古事記」に出てきます。


天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、

弟の須佐之男尊(すさのおのみこと)の

乱暴・狼藉(ろうぜき)に腹を立てて

天岩戸(あまのいわと)に隠れてしまいました。

太陽が隠れてしまったわけですから

あたりは夜のように暗くなり

困った神様が集まって一計を案じて

天岩戸の前で踊って騒いで

(今で言うところのどんちゃん騒ぎ)

「何事か?」と、ちょっと顔をのぞかせた天照大神を、

力自慢の神様が、タイミングよく

引きずり出したという神話のお話です。


その時の記述がこうです、

「八百万(やおよろず)の神、

天(あま)の安(やす)の河原に

神集ひ集ひて(かみつどいつどいて)……」


この「八百万」という言葉が、

「無数のたくさんの」という意味で

使われるようになったのです。


そもそも太古の日本では、

あらゆる自然物に霊魂を認めて

それらを畏怖(いふ)し、崇拝する

原始宗教が生まれ、やがて

卑弥呼(ひみこ)に代表されるような

巫女(みこ)などのシャーマンが

ご託宣(たくせん)を受けて物事を決める

シャーマニズムへと発展してゆくのでした。


縄文時代よりももっと前の昔

狩猟生活をしていた人々は

稲作の伝来にともなってやがて

農耕生活へと変わっていきます。


農耕生活は雨風台風日照りなどの

自然現象の大きな影響を受けます。


天候不順や自然災害による不作は

死活問題であり

これらの自然現象を神様の仕業(しわざ)と考え

あらゆる自然の営みの中に見出した神様を

崇(あが)め、祀(まつ)ったのが

信仰の始まりでもあったのです。


こうして、

土地を守ってくれる神様(地鎮祭)や

祖先信仰(宮参り)とも合わさり

日本ならではの神々への信仰が

根付いていったものと考えられます。


「八百万」→「八百」には、

そんな歴史的な背景があったのですね~