轍鮒の急 | ミックスココアのひとりごと

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気ままに思いついたことを折々に

≪轍鮒(てっぷ)の急(きゅう)≫


車の轍(わだち)のような

わずかな窪みにできた水たまりに

迷い込んだ鮒が一匹住みついていました。


今にも水が枯れて

死にそうです。


極めて厳しく苦しい運命が

差し迫っています。


そこへ、荘子が通りかかりました。

車の轍などという

よもやという場所にいる鮒に気づきました。


「どうしたのか」と鮒に問うと

鮒は「水を持ってきて

私を助けてくれ」と言います。


そこで荘子は

「よしよし、わかった、私はこれから

呉の国か越の国に行くところだから

そこから水を持ってきてお前を助けてやろう」

と言いました。


それを聞いた鮒は大いに怒りました。


「私は今一刻を争う状況だ

後日大量の水をもらうよりは、

今一滴の水が欲しいのだ。

それができないのならば、

私は死ぬことになるだろう。

そしたら、乾物屋にでも行って

私を探し求めてくれればいい。」


鮒はそう答えました。



非常に苦しい状況にある人に対しては

ぐずぐずしていたのでは

救いにならないのです。


今まさに東北や関東で起こった

地震の影響で震災被害を受け、

悲惨な状況にある人に対して

ぐずぐずしていたのでは

何の救いにもならないものです


東京電力・政府の対応が

「轍鮒の急」とならないことを

ただ祈るばかりです。