新潟の酒造メーカーさんのお酒に
「上善如水」という名前の日本酒があります。
その日本酒の紹介文にこんな風に書いてあります。
引用させていただきます。
「上善如水」とは、
中国の思想家・老子の言葉で、
「最も理想的な生き方(上善)は、水のよう(如水)である」
という思想です。
実は、この名前の日本酒のご紹介をしたいわけではありません。
この日本酒の名前の由来のこの言葉から思ったことです。
「上善は水の如し、水は善(よ)く万物を利して争わず、
衆人の悪(にく)む所におる。
故に道にちかし。」
老子のこの言葉をそのまま訳すと、
【最上の善とは、水のようなもので、
万物に利を与えながら決して他と争わず、
誰でも嫌がる低いところへと流れていく。
故に「道」に近い存在である。】ということになります。
水は丸い容器に入れれば丸くなり、
四角い容器に入れれば四角くなって、
決して逆らうことはありません。
すべての生き物は水なくしては生きられません。
それほどの存在でありながら、
さらに低いところへ流れていこうとします。
ところが、いざとなれば、岩をも砕く巨大な力となります。
この水の姿に学べと昔からいろいろな形で語られてきました。
モノや身分にとらわれず、外部事情にとらわれず、
裕福でないからと卑屈にならず、富めるからとて傲慢にならず
すべてに順応しながら、
しかし悠然と自分自身を活かしながら生きてゆく。
家庭でも、職場でも、会社でも、学校でも、
「必要な存在・なくてはならない存在」として、
小さくても良いから、
自分自身の役割を果たして生きてゆく、
そんな人になりたいです。