京都の芸妓さんは、ごひいき以外のお客さまから、例えば食事のお誘いを受けたら、こんな風におっしゃるそうですよ。
「そうどすなぁ~、ご一緒できたらよろしおすなぁ~」(そうですねぇ、一緒に行けたらいいんですけどねぇ・・・・)
これって、はっきりNOとは言ってないんです、けど、断り文句なんです。京の花街の独特な言い回しですね。相手を傷付けずいいともダメとも言わない上手な断り方の見本かもしれません。
相手がどんなに年下の新人でも、同じ職場の中で、「この書類、コピーとってくれ」って、そりゃないでしょう?!
これって命令形ですよね。
言うならこんな言い方、「悪いけど、コピーとってもらえませんか?」質問形ですがやんわり依頼形です。
「天の邪鬼(あまのじゃく)」の由来は、頼まれると断れなくて、上から目線でえらそうに命令されるとやる気が無くなるへそ曲がりなところです。
で、モットーは、「従わず、逆らわず」です。
ついでに、も一つ、エピソード。地鎮祭ってご存知ですか?家を建てるときに、神主さんに、工事中の無事完成を祈願してお払いしていただく祭事です。で、神主さんが神様にお祈りしたにもかかわらず、工事現場の足場から作業員さんが足を踏み外して転落して大怪我をしたなどという事故が起こってしまった・・・・
縁起でもないですよね、施主さんにしてみれば。そこで、神主さんに文句の一つも言いたくなるわけです。
そのクレームに対して神主さんはこう答えるんです。
「お祓いをしておいてよかったですね、もし、地鎮祭をしていなかったら、怪我だけでは済まなかったですよ、お祓いをした甲斐がありましたね」
そんな言い方されたら、もうそれ以上文句言えないじゃないですか~
口の利き方・ものの言い方・表現の仕方一つで、相手に与える印象がまるで違ってしまいます。言葉には力があります、使い方を間違わないように、大切に使いたいものです。