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イーストの役割

イーストとは‥

“酵母”を英語でイースト(yeast)と言います。酵母は発酵しパンを膨らませる働きがあり、パン作りに欠かせない材料です。酵母は適度な温度と湿度の条件で発酵をする真菌で、糖分を栄養ににして水にふれることによって活動を始めます。パン作りで使用する主な酵母は、イースト天然酵母があります。

 

イースト

自然に存在する酵母の中でも特に発酵力の強いものを純正培養した酵母です。低温では休眠していて、約30~40℃程度で最も活動が盛んになります。 熱に弱く60℃に達すると死滅が進みます。

 

 

天然酵母

果物、小麦粉、ホップの実などを培地にして、そこに存在する菌を培養して作る酵母です。培養や維持に時間や労働が必要ですがイーストでは得られない旨味や独特の風味が得られます。温度にとても敏感です。

 

 

酵母の働き

酵母はパン生地中の糖分を分解して、炭酸ガス(二酸化炭素)アルコールなどを発生させます。炭酸ガスは小さな気泡となって生地中に成形されたグルテンの膜につつみこまれ、温度が上がると膨張して生地全体を内側から押し広げてパン特有の内相や食感を作り出します。

 

炭酸ガスはガス抜きをしても何度でも発生します。生地を温かく保つことで生地中の炭酸ガスの気泡が膨張して、さらに大きくなります。

 

焼成によって酵母は死滅してグルテンやでんぷんは固化して膨張が止まりボリュームのあるパンに仕上がります。

 

イーストの種類

 

生イースト

 

イーストの原型で「生のもの」なので冷蔵保存で2週間程度の保存が一般的です。 菓子パンやブリオッシュのように砂糖をよく使う生地に使用すると発酵が早くなるため、製パン業界ではよく使われる酵母です。

 

 

ドライイースト

 

 

生イーストを乾燥させたもの。水分を抑え長期保存を可能にしたもので、インスタントドライイーストよりも粒が大きく球体です。使う前に予備発酵が必要です。小麦粉本来の香ばしさや味が引き立ちます。

 

インスタントドライイースト

 

ドライイーストを使いやすく加工・改良したもの。顆粒でさらさらしているため、直接小麦粉と合わせて使うことができ、水にも溶けやすいので使いやすいです。

 

おわりに

酵母には色んな種類の酵母があり、自分の目的に合わせて適した酵母を選ぶ必要があります。 私の教えるパンは2時間程度の短時間で手軽に誰でも作りやすいパンをテーマにしているので、「インスタントドライイースト」を主として使っていますが、気分によって、時間に余裕があるときには、色んな酵母を試してみるのも面白いですよ。