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チョコレート日本シリーズです。
日本を代表するチョコレートメーカーと言えば明治製菓とロッテでありましょう。森永製菓はなかなか高級志向の路線に向かおうとしないので、自称大人の私としては対象としづらいのです。
そこで明治とロッテのチョコレートはどちらが美味しいのかを競ってもらおうと思うのです。
日本シリーズは先に4勝した方が勝ちというルールです。両ブランドの健闘を祈ります。
では本日は第1戦ということで、私の購入頻度が最も高いアーモンドチョコレートのジャンルから比較してみましょう。
アーモンドチョコの魅力は何といってもアーモンドのカリッとした歯ごたえとビターな食感をどれだけチョコレートが生かせるのかにかかっています。最初はチョコレートが主役として舞台を盛り上げておいて、そこにアーモンドが加わることで大フィナーレというわけです。
では明治とロッテの違いですが、チョコレートについては明治が大人のテイスト、ロッテは外交的な開放感のあるテイストといった感じでしょうか。明治は深入りのコーヒー豆を思わせるような程よくビターなチョコレートでアーモンドをコーティングしています。ミルクの柔らかみで全体を落ち着かせ、緩やかにチョコレートの苦味が広がっていくというものであります。欧州的というか湿り気のある落ち着いた味わいが楽しめるチョコレートで、シンプルながら伝統的な印象があります。
一方でロッテは作為的といいましょうか、大企業の大学院卒の開発部隊が会議に会議を重ねて作り上げたような確信犯的テイストです(ちなみに確信犯という言葉は本当は違う意味です。知ってました?)。表面をビターチョコレートでコーティングしたミルクチョレートを使用しているあたりが憎いのです。ミルクチョコレートの甘味は非常に強く、明快なものであり、しかも表面のビターチョコレートとのコントラストでより刺激的にその個性を表現しています。ですからロッテのアーモンドチョコレートを食べると、口当たりのほろ苦さから始まって、一気に広がる外交的で明快な甘味、そして再びアーモンドの野性的な渋みという展開美が見られるのです。アーモンド自体も明治のそれよりは一回り大きく、甘味に対抗するに十分な質量を持っています。このように味の展開や、コントラストの明快さを狙いにしていることが伝わる一品です。私はどんなものでも、つくり手の思いが伝わる製品が好きです。そういう意味ではロッテのアーモンドチョコレートは評価に値します。
しかし明治がそれに劣るというわけではありません。明治の落ち着いた味わい、大人びた味わいも実に素晴らしいのです。やや小ぶりのアーモンドも、風味自体は豊かで、けして安価なものを使用しているという印象はありません。むしろ明治は、素材のよさを素直に表現するために、過剰な演出を避けた穏やかなテイストでまとめたといった印象があります。
この2つをどんなシチュエーションで楽しむかと考えますと、私の場合はグラスに入れて、お酒のお供として、ということになります。するとよりお酒を引き立てるのは、苦味や渋みの美しさが伝わりやすい明治なのであります。ロッテの場合は、合わせるお酒に悩むところであります。こう書くと、お酒との相性を評価項目に入れることの是非を問われそうですが、あくまでもここはエラリイスタイルです。これでいいんです。
というわけで、第1戦は 明治の勝利です!