アイスモナカといえば、最も食べ歩きが容易な、ドライブしながらくわえることが容易な、チョコレートで言えばウォーキングバー的な存在の身近なアイテムであります。コーンアイスよりももっと手堅く、こぼさない仕様のモナカは、車の中でアイスを食べたがるちびっこのいる家庭では重宝するものです。
そこでロッテのモナ王、森永乳業の涼風堂栗入りあずきモナカ、森永製菓のチョコモナカジャンボという、混迷する2008年の政局をあざ笑うかのような現在のモナカ三国志は・・・ってなんのこっちゃというわけで、この3トップを比較してみるのであります。
まずは私の購入頻度第1位のチョコモナカジャンボを紹介しましょうか。
こちらはモナカの中にバニラクリーム、その中に薄い板チョコが入っています。このアイディアはチョコジャンボモナカだけが採用していますが、意匠登録でもされているのでしょうか? 三味一体の改革であります。このモナカは食感を重視しているのでしょう。モナカのパリパリ具合は業界第一位ですし、中の板チョコの堅く、それでいて軽やかな激薄ハード具合には、食感への拘りを感じます。チョコそのものは比較的甘めのものを使用していますが、アイスに入っているため冷たく、しかもバニラに内包されるために、甘さよりもチョコの苦味がより強く感じられるようであります。クリームは口溶けを少し押さえ気味にした密度の濃いややボリュームのある食感とコクのある味と、遅れ気味に膨らむ明瞭な甘味が特徴です。わかりやすい美味しさが見事といった感じですね。
そんな森永製菓の一品に対抗して、森永乳業はやや違ったアプローチであります。
こちらは栗入りあずきソースで和風テイストを狙ったイレギュラータイプです。モナカはややしっとりと柔らかいものの、モナカの旨みがほのかに感じられます。この味がやや和風テイストであり、栗入りあずきに絶妙なマッチングをみせるのです。栗入りあずきの粒々感とタルタル感は実に優しく、そして甘く、その優しい甘味にシンクロするような丸みを帯びた甘味と口溶けの良いバニラクリームは実にセレクト上手。それぞれの素材に意味が感じられ、全体の完成度としてはかなり高いところにあるモナカです。
そこに牙をむくのは、王道にして購入容易度第一位のロッテのモナ王です。
CMでもお馴染みでありますね。ところでボブ・サップはどこに行ったんだろ?
さて、こちらのモナカはしっとりした印象で、サクサク感は感じられません。
味そのものも良いものは見られず、何となく安いだけのモナカであることがバレバレな印象。
バニラクリームはラクト感が強く、甘いけれど生ミルキーな印象は感じられません。軽快ですっきりといえばその通りですが、上戸綾さんのCMでお馴染みの「爽」が好きな人にはいいのかなあ・・・。ただ統一感はありますね。押し付けがましいくどさがないモナカだと思います。
こうして考えてみると、この3つは全てモナカとクリーム、そして副素材の相性は練られていると思わせます。素材をバラバラにして自由に組み合わせてみたとしても、やはりこの組合せを選ぶんだろうなあと思わせます。
あえて点数をつけるのであれば、チョコジャンボモナカ83点、栗入りあずきモナカ81点、モナ王77点ですね。
とはいえこの3つを比較するのはどうなのかと、比較してから思うのであります。
と、言いますのも、この3つがライバルとしてるのは、他社のモナカではないように思うのです。
チョコジャンボモナカはクリスピーナやジャイアントコーンのようなコーンアイスを、栗入りあずきモナカは雪見大福のような和風アイスを、モナ王はカップアイスを歩きながら食べられるようにしたという感じ。そうするとそれぞれの個性が、この業界には必要であると感じられます。
だからどれも大切なモナカなのであります。
これからも頑張ってね!