ヤンキーがたまに優しいことしたら
すごく優しく感じるやつ
あれみたい
優しくないから、たまの優しさを
やたら優しく感じるだけ
いつも優しいひとは
損してるなあ
父の肺の状態は
良くなるわけもなく
その兆しもみえない
人工呼吸器にしてから3ヶ月
医師から
外してみましょうか
そんな言葉をもらった
このまま
いつまでも苦しい時間が続くなら
みんながそれぞれに思っていた
どうしたらいいかわからなかった
でも誰も言えなかった
その決断を
させてくれた言葉
父は話せないから
どう思っていたかはわからない
わからないから
出せなかった答え
「苦しくなく終われたら」
そんな勝手な想いをのせるだけ
骨と皮だけみたいな細さ
皮膚がはがれとぶ
口はいつもカラカラみたいに見えた
なんともいえない身体ですが
まちがいなく父です
全てを外して
点滴だけ
身体は自由になれましたか
ただ隣に座って
たまに話しかける
誰にも聞こえないくらい小さな声で
わたしのひとりごと
少し手を触ってみたり
姿勢をなおしてみたり
けどすぐ崩れるんだけど
楽な姿勢なんてないんでしょうね
だから崩れる
けど、わたしの
エゴで
姿勢をなおす
苦しかったでしょう
あまり考えると先に進めないので
もう考えないようにするね
朝顔
そのほかにも
よくわからんけど短期的に火がついて
その趣味に没頭する人
短期的に
蘭、セッコク、朝顔
どれも良さがわかりませんでした
けど楽しそうでしたね
楽しそうにみえました
頼んでもないのに
わたしの庭に朝顔を植えた
なんやし
いらんし
そう思ったけど、抜かなかった
だから、たまに優しいヤンキーと一緒
「お、おやじの朝顔咲いてる」
って笑ってしまったあの日
ほんま勝手なおやじやな、
勝手に咲きやがって
くだらんことして笑かすわ
でも今も朝顔もセッコクもすきじゃないよ
咲いてても振り返ることもないかもよ
ただ
すきではないけど、思い出すだけ
朝顔の写真集を
葬式の時に
皆さんに見てもらいましたが
とても珍しい朝顔らしいですが
どれもピンぼけで
伝わらない
お父さん、
おもしろいわ、やっぱ
わたしもそれくらい
ぶっちぎりで生きたいわ
葬式か
そう葬式は
もうちょっとあとの話です