過去は変わらない



過去は変わらないのに



なぜかきれいな思い出になっていく



人が、忘れることができるのは



生きるために



できるだけ



生きやすく生きるために



必要なことなのかもしれない






主治医はとても良い人だった



良い距離感




「お父さんの身体ががんばってるから

   まだがんばってみようか」



そうやって


無理な治療はせず


私たちに無理な言葉をかけることはなかった




そして

必ず

父の聴こえない部屋で

話をしてくれた





時々、

看護師さんの

距離感が難しいと感じた




「延命を選ぶ前に考えないとね

   こんな姿、見るの辛いでしょ?」




わたしは特に答えない



なぜなら答えがみつからないから



「ありがとうございました」



それだけ言って帰る





父は


話せないけど


聴こえている





看護師さん、


あなたなら


あなたの家族だったら



どう決断しましたか






できれば


やさしい言葉だけ


聴こえるなかで


終われたら


父は


人は


しあわせだと


おもう




父のきもちはわからないから



勝手に思うことにしたのです




わたしも看護師の端くれです


そっちからみる世界と


こっちからみる世界は



違う



経験してはじめてわかること



自分がそうなって知る




寄り添うって




とてもとても難しい





紫陽花の季節



六月は、命日ですね