食べたいものをつくる。つくりたいものを食す。 | 島くらしの手帖 瀬戸内海・周防大島編

食べたいものをつくる。つくりたいものを食す。

10月の稲刈り時期に我が家に滞在していたWWOOFerのソフィアの話が引っかかっていた。

 

アルゼンチンでは夕方5時に甘いものを食べる習慣があるという。「甘いものを食べるなんて体に悪いのではないか?」と問うと「甘いものが体に悪いわけではない。」と答える。「アルゼンチンでは体に悪くない甘いものがどこでも簡単に手に入る。日本では難しいでしょうけど。」と付け加えて。

 

それからしばらくコンビニやスーパーで何か買う時にパッケージを裏返しえて原材料表示を見るようになった。見れば「ナニコレ?」というものが含まれていて買うのをためらう。我慢して買ったり、我慢して食べたり。それほど神経質ではないのだけれど。

 

それならば、いっそ自分でつくろうと思って、プリンやクッキーに挑戦してみた。本当に食べたい甘いものとは別物かもしれないけど、とりあえず甘いものを口にする喜びを得るために。

 

 

回数を重ねて、そこそこ満足いく出来になってきたクッキー。けっこう簡単!

 

手間暇かけてつくるのに、食べるのはあっという間。そして、材料費が心配になる。家にある材料を適当に使って作っているけど大丈夫なのか。買った方が安かろう、どころか、コンビニやスーパーで買うクッキーの何倍にもなっているであろうと思い一応計算してみた。

 

国産小麦粉(薄力) 1kg 256円

自家産全粒粉 1kg 1000円

マスコバド糖 500g 298円

無添加素焼きナッツ 340g 1058円

牛乳 900ml 321円

菜種油 800g 626円

 

一回の使用量で計算すると・・・

 

国産小麦粉(薄力) 80g 20円

自家産全粒粉 20g 20円

マスコバド糖 40g 18円

無添加素焼きナッツ 30g 93円

牛乳 30ml 11円

菜種油 30g  23円

 

焼き上がり重量 192g  185円(材料費のみ)

 

ミスターイトウのバタークッキー 約188g 237円(定価)

 

売ってるクッキーよりも安かった。スーパーなどでの実売価格は調べていないけど。もちろん、作業時間一時間弱の人件費(山口県の最低賃金802円)やオーブンやキッチンの電気代、道具を洗う水道料金(断水中だけど)、クッキングペーパーなどの金額は含まれていないので、なんとも比較しようのないものだけれど。楽しく趣味に費やした時間や電気代と考えてチャラにする。

 

結論、自分でクッキーを焼いても高くはない。

 

 

サフラン。

 

数年前に友人から譲ってもらい細々数を増やしながら栽培を続けている。栽培自体はとても簡単なのだけど、めしべを抜いたあと、乾燥させるのが大変だ。という話を聞いていた。ある人は天日に干している間に風に飛ばされたとか。ある人はコタツを使っているとか。

 

クッキーを焼いた後のオーブンの残り火?じんわりあたたかいオーブンの中に入れたらいい感じに乾燥できる。電気代もゼロ。全国のサフラン農家さん、小規模でやってる人限定ですが、クッキーを焼いた後のオーブンで乾燥させるのお薦めですよ!

 

余談をもうひとつ。小麦粉の話。

 

クッキーに使った小麦粉は、グリーンコープで購入した佐賀県産小麦粉でもちろん国産。1キロ256円(税込み)。その安さに驚く。うちで栽培している小麦は山口市仁保の農協で製粉をしてもらうのだけど、作業料が1キロあたり205円。製粉だけよ。

 

土を耕し、種をまき、適宜麦踏み、米ぬかや鶏糞などの施肥、除草、収穫、脱穀、選別、仁保の農協までの運搬、引き取りで二往復。製粉代金205円に加えて気の遠くなるような作業がある。燃料や電気を使う作業以外は自分の身一つだから、これも有意義な趣味と思えばいいのだけれど。米ぬかはたまに買うこともあるけど、ほとんどはいただきもの。鶏糞は自分ちの鶏舎から運ぶ。

 

このクッキーに全粒粉を入れる必要があるのか?

 

と問われれば、その必要はない。

 

必要はないけど、自己満足。自分で育てたものを使いたい欲求と全粒粉であるという栄養と健康への担保。

 

 

お米販売しております。よろしくお願いします。