~ボンジュール・僕は名古屋のテレビ塔~ 続き | 彩希 ユキノの花舟@微笑℃ルーム
 続き

SE(ピエロのパフパフラッパが鳴る)
 
美空「すっごいなあぁ。君はテレビ塔のテッちゃんだったンだ」
テッちゃん「みんなの役に立つことができればうれしい。みんなぁ~、上っておいでよ」             
美空「えっ、テッちゃんに? 上ることが出来るの? すごい」
テッちゃん「ん、ん、いいよ。みんなで上っておいでよ」
美空「みんなバイクや観光バスで高いところに登ろうと押し寄せているよ」」
ハーモさん「階段でも高さ90メートルのところまで登れるらしい。登るか?」
美空「え~、そんなぁ~、階段? なの? 美空怖いよ。エレベーターもあるっていうのに」
ハーモさん「行くぞ」
美空「あ~、もう、ピエロさん、行くよ」
 
   SE(三人の階段を上る音)
 
美空「し、下が見える。怖いよ」
ハーモさん「いざ展望台まで」
テッちゃん「ようこそ 名古屋テレビ塔へ」
美空「うわぁ~、着いた。ここって高いのね。名古屋の町がよく見える」
ハーモさん「おれはここで生まれてここで生きている。名古屋はきっとこれからだ」
 
   SE(ハーモ二カ。演奏♪線路は続くよ、どこまでも)
 
ハーモさん「きっと続く・・・・・・、」
美空「ピエロさん、高いとこ苦手なの? 大丈夫よ。こわくない。とってもいい景色。きれいな空が見える、空中散歩ね」
 
   (SE)(ピエロのパフパフラッバが情けなく鳴る)
 
テッちゃん「みんな、聞いておくれ。僕の鉄塔に上る人たちは少なくなったけど今度ぼくの下の地下にセントラルパークの街が出来る。名古屋城のお堀の駅の改線で瀬戸から瀬戸電がやってくるンだよ」
ハーモさん「いやぁ~、もっとここはにぎやかになるぞ。ホッホッホッ」
 
   (SE)(ハーモニカ演奏♪UFO)
 
美空「ハーモさん、UFO?」
 
   SE(ピエロさん、おどろきのパフパフラッパ)
 
美空「ハハハ、ピエロさん、UFO、踊っている」
ハーモさん「セントラルパークもいいし、クリスタル広場で待ち合わせじゃ。恋の街。栄じゃ」
テッちゃん「恋の街。栄。僕も恋したいな。電波塔の役割はバリバリの仕事しているし、お嫁さん、欲しいな」
美空「栄で出会って恋の花が咲き、けんかして、恋人たちは夢の花」
ハーモさん「ああ、見えない将来に毎日一歩ずつ歩いて行く・・・・

   (SEハーモニカ演奏 ♪星に願いを)
 
ハーモさん「それにしてもにぎやかになったものだなぁ~、あの焼野原から」
美空「美空、戦争が終わって白いご飯を食べたこと忘れない。お茶椀のお百姓さんのお米の粒を一粒でも残すとバチが当たるってみんなが言っていた。残さないで食べた」


SE(ピエロのうなずくパフパフラッパ)
 
ハーモさん「汗水たらして作った食物は」
大切にしなければいけない」
 
   (SE)(ハーモニカ演奏夕焼け小焼け)
 
テッちゃん「美空、美空、大変なンだ。僕の所でお金が降っているンだ」
美空「お金?」
ハーモさん「株を取引きするデイトレーダーという人が現れたようだな。それで数日で大儲けということがあるようだ」
美空「えっと梅雨時に汗水たらして田植えをして秋に収穫しなくても大儲けできるの?」
ハーモさん「んん、世の中どうなっていくのか? 銀行もダ」
 
  (SE)(ハーモニカ演奏 ♪真夜中のギター)
 

テッちゃん「ぼくももうすぐ還暦さ。ここの電波塔の地上波の仕事をデジタルの若い鉄塔に譲ることになった」
美空「テッちゃんはどうなっちゃうの? 美空はこのまま栄町にいてほしい」
テッちゃん「わからないよ。君たちとはもう、お別れナンだ。さようなら」
美空「テッちゃん、テッちゃん、いなくなっ
ちゃうの、美空、いつも栄に来るときれいな変わらないテレビ塔の姿、いついつまでも見られて安心していたのに」
ハーモさん「ああ、君は多くの人を楽しませた。よくやった」
美空「みんなで盛り立てたら、テッちゃんが栄に元気でいてくれるじゃないかな?ね、ピエロさん、あ、ピエロさんが玉乗りやるって言っている。美空は歌や紙芝居をするわ。そして栄のど真ん中でお米をつくろう。みんなが飢えないように。ファイト。テッちゃん」
ハーモさん「そうだな。いついつまでも。
あの日、栄にはB29が空襲に来た。怖かった。二度と悲しまないように。心の支えでいて欲しい。みんなで生きていこう。私はこの言葉を残したい。」
 
(SE)(ハーモニカ演奏 ♪明日に架ける橋)
 
美空「はい、ハーモさん、ね、ピエロさん」
 
   (SE)(ピエロのパフパフラッパのうなずく音)
            つづく
 
 
出典 参考 『僕ら名古屋のテレビ塔』
            発行者樹林社