
まだ春と呼ぶには
待ち遠しい春
楽屋には
ちいさな草の小道具
さくらは大道具
木のみで
つぼみがつくのを
待っていた。
お日さまの絵は
うっすらの
うす皮のくもの上
空気はどんよりと冷たい
思い出色だった。
華は、
カセットテープに
若いころ
うたった歌をメドレーで
録音した日の事を思い出していた。
そのころから、
まわりでも
昭和ポップスの
リメイクがちまたで
流れるようになってきた。
ちょっぴり、
しめっぽいようでも
歌詞はすらすらと
出てくる。
流れる歌は
偶然に想いと一緒に
流れてきてくれたんだ。
ひとりじゃないよ。
そんな元気を
偶然にもらった。
ありがとう。
♪もしも 願いが
かなうなら・・・、
華の携帯電話には、
テレビが映り、
三十年の時を越えた、
カセットテープのドラマが映っていた。
うす皮の
お日さま色の
バラのような
なつかしいドラマだった。
新聞には、
華やかな女の子たちのいきいきしたファッショナブルな写真がのっていた。
また華が携帯のテレビをのぞいたら、
氷上では 華麗なフィギュアの花が咲いていた。
つづく